団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

納税

2024年02月15日 | Weblog

『「愛妻・納税・墓参り」は、日本国民としての義務である。』政治評論家だった故三宅久之さんの名言である。私は、この言葉が好きである。

 水曜日、妻が休みをとって、税務署は確定申告に行った。妻は、毎年その時期が来ると、律義に税務署へ行く。年間を通して、きちんと必要な書類を保存して、税務署へ行く直前まで申告書を作成している。妻は、大学の医学部で学んでいた時、教授に「一人の学生を医者に育てるには、国から億という助成金が出ている」と言われたそうだ。妻の実家は、けっして裕福な家庭ではなかった。腕試しに受けた私立の医学部の試験で、一口2千万円の寄付金を何口受けるかとを記載する項目があったという。もちろん妻は、数字を書き込まなかった。結果は不合格だった。しかし国立大学の医学部試験には、合格した。妻は、国の税金で医者になれたので、その恩返しに税金をきちんと払うと決めたという。偉いと思う。私は、個人事業主で仕事をしていた時、計理士に納税の事は、すべて任せていた。その計理士は、元税務署署員だった。どうやって払う税金を少なくするかを毎年指導してくれた。妻とは、税金を払う心掛けが違っていた。

 税務署に妻を車で送って行った。先日、私の年金の事で年金事務所へ行った。前日に年金事務所へ電話すると、「明日は、予約でいっぱいで、予約なしで来れば、そうとう待つようになる」と言われた。妻も同行してくれた。年金事務所に開所前に到着した。玄関に並んで予約の無い人のための順番を確保しようとした。事務所が開いても誰一人来なかった。私たちは、玄関ホール脇の書類を書き込む机で、案内の女性の事前対応を受けた。女性が私の書類を点検して、受理してくれた。10分もしないで終わった。帰る時まで、私たち以外に訪れた人はいなかった。

 税務署は違った。私たち以外にもたくさんの人がいた。予約なしで受け付け順である。正式に確定申告は、今年は、16日から始まる。それ以前は、税務相談ということで、納税者の相談を受け付けている。妻のように書類を完成させて持ち込むと、税務署の係員が書類を見てくれる。問題がなければ、受理される。今回も問題なく受理された。ものの10分もせずに妻の今年の確定申告が終わった。16日から税務署は、混雑するに違いない。私は、三宅久之さんの「愛妻・納税・墓参り」を思い出した。日本人の多くが、このように税金に真面目に向き合っていることを誇らしく感じた。

 能登半島地震を受けて金沢国税局が「納税よりも、まずは生活再建を優先して」と被災者の方々に向けて呼びかけたという。日本の役所でもこんなまともな仕事ができるのだと感心した。

 日本の税務署は、適切な仕事をして税金を徴収しているように見受けられる。それにつけても、国会議員の納税意識は、なぜこれほど低いのであろう。三宅久之さんの「愛妻・納税・墓参り」が国民の義務ならば、国会議員たる者は、それの見本を示さなければならない。何千万円何億円のいう裏金を使い、税逃れが、まるで国会議員の特権であるかのようだ。思いあがりもいい加減にせい。

 今回の裏金事件で税務署も捜査を始めたという。国会で野党が岸田首相を追及しても、暖簾に手押しである。税務署がまず一人の国会議員であってもいいので、脱税で立件して欲しい。国民が真面目に収めた税金を、国会議員たる者にこんなふざけた使い方をされているのが悲しい。

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