近くのコンビニに、苦手な店員がいる。
その店員の接客の態度に問題があるわけではない。接客のときの声が、特徴的な駅員・車掌声(「え~、次はぁ~、大手町ぃ~、大手町ぃ~」などの駅のアナウンスに多い、鼻にかかった声)なことも、「おや」とは思ったが、不快なわけではない。ベテランの店員で、コンビニの店員としては、おそらく優秀なほうだと思う。
わたしが苦手なのは、お弁当やアイスクリームを買ったときにしなければならない、その店員との会話のやり取りだ。
思えば記念すべき、この店員との最初の会話は以下のようなものであった。
店員「アイスクリームにスプーンはお付けしますか?」
わたし「いいです」
店員「『いいです』とは?」
わたし「あ、すみません、結構です」
店員「『結構です』とは?」
わたし「え?」(事態が飲み込めていない。)
これまでこのような状況で、「いいです」「結構です」と返事をして、それが「いらない」という以外の意味に解釈されたことはなかった。また「いりません」とか「いいえ」とか言う答え方は、「相手の申し出に対して、拒否・断りを直接的な表現で述べる」という失礼にあたるため、このような状況では「いいです」「結構です」と言うべきであるとも思っていた。
しかしこう思ってきたわたしの常識は、全員の常識ではなかったらしい。少なくともこの店員の常識ではなかった。
以来何回も、この店員とは似たようなやり取りが続いた。
店員「お弁当、暖めますか?」
わたし「いいです」
店員「『いいです』とは?」
わたし「え…? ああ…暖めないでください」
こんなことが続いてからというもの、この店員だけに対しては、最初から「いりません」「しないでください」と、答えることにしている。しかしこう答えたあとのわたしは、必ず少しばかり嫌な気分になる。相手の申し出に対して、「するな」と直接的に断ったのだから。
そこでごく最近では、その店員がレジに立っていないときをねらって、支払いを済ませるようにしている。しかしレジに何人か並ぶと、奥からからその店員さっと出てきて、てきぱきと別のレジを開け、そして言う。
「次の方どうぞ」
ああ、次の方ってわたしだ。カゴにペンネのグラタン入っているし。
その店員の接客の態度に問題があるわけではない。接客のときの声が、特徴的な駅員・車掌声(「え~、次はぁ~、大手町ぃ~、大手町ぃ~」などの駅のアナウンスに多い、鼻にかかった声)なことも、「おや」とは思ったが、不快なわけではない。ベテランの店員で、コンビニの店員としては、おそらく優秀なほうだと思う。
わたしが苦手なのは、お弁当やアイスクリームを買ったときにしなければならない、その店員との会話のやり取りだ。
思えば記念すべき、この店員との最初の会話は以下のようなものであった。
店員「アイスクリームにスプーンはお付けしますか?」
わたし「いいです」
店員「『いいです』とは?」
わたし「あ、すみません、結構です」
店員「『結構です』とは?」
わたし「え?」(事態が飲み込めていない。)
これまでこのような状況で、「いいです」「結構です」と返事をして、それが「いらない」という以外の意味に解釈されたことはなかった。また「いりません」とか「いいえ」とか言う答え方は、「相手の申し出に対して、拒否・断りを直接的な表現で述べる」という失礼にあたるため、このような状況では「いいです」「結構です」と言うべきであるとも思っていた。
しかしこう思ってきたわたしの常識は、全員の常識ではなかったらしい。少なくともこの店員の常識ではなかった。
以来何回も、この店員とは似たようなやり取りが続いた。
店員「お弁当、暖めますか?」
わたし「いいです」
店員「『いいです』とは?」
わたし「え…? ああ…暖めないでください」
こんなことが続いてからというもの、この店員だけに対しては、最初から「いりません」「しないでください」と、答えることにしている。しかしこう答えたあとのわたしは、必ず少しばかり嫌な気分になる。相手の申し出に対して、「するな」と直接的に断ったのだから。
そこでごく最近では、その店員がレジに立っていないときをねらって、支払いを済ませるようにしている。しかしレジに何人か並ぶと、奥からからその店員さっと出てきて、てきぱきと別のレジを開け、そして言う。
「次の方どうぞ」
ああ、次の方ってわたしだ。カゴにペンネのグラタン入っているし。