巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

「○○の方が、この地域限定で土地を探しております」

2005-08-24 20:59:43 | 日記・エッセイ・コラム
皆さんの地域にも、こんなチラシが撒かれているかもしれないが…

ここのところ、ある大手不動産から「この辺で土地を探している人がいるので、土地を売ってくれ」という趣旨のチラシがひんぱんに入ってくる。どうもわが家は完全に狙われている気がする。しかし気になるのはそのこと自体ではなく、つっこみどころ満載のチラシの文面だ。

この不動産のチラシの内容はいつも似ており、常に以下のような情報を含む。

  • 《特定の職業名》の人間が、両親の住む《わたしが住む町の町名》地域限定で、複数の不動産を探している。

  • この《特定の職業名》の人間のの息子/娘夫婦どちらかのが、ある理由からこの町に住むことを思っている。

  • 親である当人は、息子/娘夫婦の家の近くに住みたいと考えているので、当然この町で不動産を探している。

  • 探している土地は、常に
    1. 敷地面積50坪~100坪ぐらいある中古住宅で5LDKぐらい

    2. 新たに新築の家を建てられるだけの土地(50坪前後の土地)

    3. 事務所または店舗用の土地(25坪ぐらい)

    4. アパート、テナントビル、駐車場

    である。


読むたびにニヤニヤしてしまうのは、以下の点だ。

  1. 《特定の職業名》は、「大学教授」、「医師」、「アメリカで起業をした人間」など、大金持ちではないにしろ、それなりに金とステータスがありそうな人間ばかりが選ばれる。

  2. このあたりで不動産を探している理由は常に、この町に実家があったり、親類がこの町に住んでいたりするからだ。また息子/娘夫婦の仕事には、この町が非常に都合良いということも、必ずもうひとつの理由として述べられる。

  3. 「大学教授」だろうが「医師」だろうが「アメリカで起業をした人間」だろうが、必ず探している物件の種類は同じだ。「庭付き中古住宅+新規物件が建てられる土地+事務所用土地+アパート+テナントビル+駐車場」である。つまり、「土地の広さも用途も何でもよいから売れ」ということになる。


上記1と3だけでかなり胡散臭いと思われる方が多いだろうが、実はもっともありえそうにないと感じたのは、2の理由だ。親類がこの周辺に住んでいたり、ましてや実家がこの町にあるのなら、この町の雰囲気や古くから住む地元民の土地に対する感情がどのようなものか、わかっているに違いない。それにここは、どの駅からも遠いというものすごく不便な土地だ。

不動産会社は、おそらく何らかのストーリーを作ったほうが、読み手の「売る気」を誘うと考えたのだろう。実際に過去に似た例があって、不動産を探している側の事情を書いたところ、「売ってもいいよ」という人間が出てきたことがあったのかもしれない。でもやりすぎは禁物。ブログのネタにでもなるだけだ。

そうそう、この前もこの不動産会社から似たような手書き文のチラシが来たが、《わたしが住む町の町名》のところだけが、明らかに別人の字だった。