巣窟日誌

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選挙といえば…ウェブサイト!

2005-08-18 02:12:39 | インターネット (CMC)
わーい。国政選挙だ。(陰の声「また血税を使うんですかぁ。」)

となると、どの党がどのような政策をとり、各候補者がどのような考えと実績の持ち主で、自分が誰に投票すべきか…と言うことはともかく、わたしの興味は??このブログを立ち上げ当初から読んでいただいてくださる方はおわかりかもしれないが??候補者のウェブサイトに向くのである。しかも、今回は亀井静香氏たちが新党を立ち上げたではないか。この新党「国民新党」が、どのタイミングでどのようなサイトを立ち上げ、どのように更新していくかに、興味はつきない。

小泉ブームが起こった2001年の自民党の総裁選。あの時、クリエイターたちは、小泉さんのサイトを「作ろう」となってから、1日で公式サイトのOKを出してもらい、2日でかなり面白いものを作ったそうだ。

自民党の総裁選なのだから、投票する権利があるのは自民党員のみ。そして、総裁選できちんと投票をする自民党員の多くは、インターネットなんてあまり使わない人たちだったろう。おそらく総裁候補のサイトなんて見なかったに違いない。それでも、日本のネットユーザーたち(その多くは総裁選とは関係ないであろうし、国政選挙に行かない人も多数含まれるだろう)に対して、「この人は、何かやりそう。」と思わせる効果はあった。こういうところが、小泉さんは非常に上手い。

で、国民新党だ。どのタイミングで、どのような党のウェブサイトを作ってくるだろうか。人を顔で判断してはいけないが、国民新党の面々をみている限り、「この人たち、インターネットなんてあまり重視していないだろうな」と思ってしまうのである。おそらく国民新党に加わった議員の先生方(今は候補者でもある)の支持者層の中心も、ネットなど重視しないひとが多いであろうが、総裁選の小泉氏なみのスピードとクオリティで党の公式サイトを立ち上げることは、直接的な集票効果はそれほどなくても、長期的に考えれば決してマイナスにはならないと思う。というか、サイトの立ち上げが遅れたり(最悪の場合サイトがなかったり)、そのクオリティが低かった場合、マイナスの効果を及ぼすことになるのではないか。

さて、今回は急に公認された候補者が多いようだ。普通はかなり前から公認されるので、そのときからサイトを立ち上げて、着々とコンテンツ充実させるのだが、急に立候補が決まった候補がどのような形でサイトを用意するのか、これまた興味が尽きない。

「選挙・候補者のウェブサイト」に書いたように、選挙の公示日前には候補者は選挙活動が一切できない。つまり、どの選挙にどの選挙区から出るかということを、自らのサイトで表明することができない。しかも「投票してほしい」なんて、口が裂けても、あるいはキーボードを打つ指の骨が全部折れても書けないのだ。せいぜい「国政をめざす」「皆様のご支援を…」ぐらいで、あとは、「どの選挙に出るか、わたしがいかに皆さんに投票してほしいかは、お察しくださいね」ということになる。これは応援サイトも一緒で、「○○さんに投票しよう」とは書けない。せいぜい「○○さんを国会に送ろう」程度ぐらいでとめておかねばならない。

そこで、かのホリエモン(あだ名に敬称をつけるのもナンなので省略する)が、仮に立候補を決めた場合、どのようなネット戦略をとってくるかに、目が離せない。

候補者は、公示日以前の政治活動期間中には、ネット上に「どの選挙に出るのか」を書けない。しかし、公示日以降の選挙運動期間に入ってしまうと、今度は自分のサイトを一切更新できない。というのは、インターネットは、選挙に使っても良い媒体には含まれていないからだ。もちろん、応援サイトも本人のサイトに準じた縛りを受ける。

ここで、候補者のスタッフや応援団の中に、「サイトに関する技術はありあまるほどあるが、公職選挙法には疎い」人間がいる場合、誰かが先走ってどこかで違反をする危険性が高くなる。しかし世の中には、その違反を待っている人がいるのだ。当選したアカツキには、その違反内容が当局に回って大騒ぎになる可能性が高い。ホリエモンが経営するライブドアには「ネットのプロ」のスタッフたちが多そうだが、うっかりするとネットがらみで違反を起こしてしまうかもしれないので、立候補した場合はくれぐれも気をつけて欲しい。

ネットに係わる選挙違反が怖いので、わたしが某候補のスタッフだったときは、候補者のサイトと候補者の応援サイトの表現・更新のタイミングのすべてを、その党の当時のマルチメディア局長に相談すてうた。この局長は非常に優しい方で、すべて、懇切丁寧に答えてくださった。この方にはいくら感謝しても、足りないぐらいだ。

ところで、世の中には「ワープロでのバラうち清書」に毛が生えたぐらいの値段と労力で、ウェブサイト作成を注文できると思っている人は多い。国政にかかわらず選挙の候補者の中にも、そんなふうに考えている人がいる。というよりか、こう考えている人は一般人よりも多いようだ。こんな候補者に値切れるだけ値切られて、スズメの涙ほどの値段でサイト作成と更新を請け負ったあげく、その候補が落選したためそのスズメの涙も踏み倒された…というウェブクリエイターがあちらこちらにいるらしいので、候補者のサイトに係わる方はくれぐれも気をつけられたし。

[追記:2005.08.18]

今朝の朝日を読んでいたら、結成とともにウェブサイトを作ったとあった。

論文テーマは「刺客と教育」 国民新党、HPで公募要項

 「刺客」と教育について論じよ――。17日結成された「国民新党」が即日立ち上げたホームページに候補者の公募要項が載った。その応募書類に添える小論文のテーマがこれだ(四百字詰め原稿用紙4~8枚・ワープロ可)。次々と仲間の選挙区に「刺客候補」を送り込んだ小泉首相への怒りがにじむ。
 小論文は、「刺客と教育」と「なぜ公募に応募したのか」の2テーマから選ぶ形式。3項目の選考基準にも「あたたかい気持ちでお互いに助け合う協調性の持ち主」という条件を挙げている。
 ただ、作成したのは亀井静香事務所で、党の基本政策も含めて「聞いていない」と語る新党参加メンバーもいた。
[朝日新聞] 2005.08.18
http://www.asahi.com/politics/update/0818/003.html


というわけで、さっそく訪れてみた。

国民新党ホームページ (http://www.kokumin.biz/)

「さっそく」とはいっても、上記サイトを訪れるのにURLがわからず苦労した。というのは、新しく作られたサイトは、すぐにはサーチエンジンの検索結果に載らないからだ。そこで、亀井氏や綿貫氏のような国民新党の中核の政治家のウェブサイトを訪れれば、リンクぐらいあるだろうと思ったが、わたしが探した時点では、彼らの公式サイトにはリンクはなかった。そこでおそらく "kokumin.xxx" だろうと思って "xxx"にあたるところに色々な文字を入れたが、まさか"biz"とは思わなかった。

残念ながらいかにも急ごしらえという感じ。今後の改良に期待する。しかし作成したのは亀井静香事務所で、党の基本政策も含めて「聞いていない」と語る新党参加メンバーも」いる状態は、まずいかもしれない。

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