巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

温暖化のなせるわざか? 誰がためにクマセミは鳴く

2005-08-08 09:37:21 | 日記・エッセイ・コラム
わたしが住んでいるのは、東京都板橋区。ママチャリをちょっとこげば、そこは埼玉県に入るという場所だ。

さて今朝、聞きなれないセミの声を聞いた。嫌な予感がする。

そこで「日本のセミの鳴き声」のページで調べた。もちろん、最初にクリックしたのは、あの疑惑のセミのページだ。

ビンゴ!

鳴き声はクマゼミのものだった。

クマゼミはもともと南方系のセミで、関東にはいなかった。近年、地球の温暖化か、あるいは関西から持ち込まれた植樹の土壌に幼虫が混入し、関東でも見られるようになった。ここ10年ほど、やれ生息域が箱根を越えただの、神奈川も見られただの、そして東京でも見かけただの、というクマゼミの東進・北上話を聞くようになった。

そして今日、わたしは自宅でクマゼミの鳴き声を聞いてしまったのだ。母に聞くと「この鳴き声なら、最近よく聞く。」とクールに答えたが、クマゼミの写真を見せるとその南方系の姿に「こんなセミ見たことない!」と叫んだ。

クマゼミがここまで来ているからには、すでに埼玉にもいっているのだろうか。そして今後、ミンミンゼミと生息域を競うことになるのだろうか。それにしても、クマゼミの北上は、植樹などを通じて人間によって持ち込まれたものなのか? それとも温暖化のせいなのか?

温暖化のせいであるかもしれない。というのはここ数年、昆虫にしろ、爬虫類にしろ、昔はこの辺ではみなかったようなものを見かける機会があるからだ。昨年、庭に出たヘビに「なに、この模様のヘビ? こんなの見たことない。気持ち悪い。」と、母が騒いだ。(ヘビそのものは、昔からこの辺りでは、大きいのから小さいのまで生息していて、一昨日も玄関先で、30cmぐらいの細いヤツを見たが。)最近わたしも、「生まれてから今まで、見たことのなかった模様の蝶」を庭先で見つけて、なんとなく嫌な気分になった。

こういうことを考えるにつけ、こんなところでクマゼミの鳴き声を聞くのは、正直いって気分の良いものではない。クマゼミのほうは、生きていかれる場所で自分のために鳴いているだけで、人間がその声を聞いて不安になっていることなど、おかまいなしだろうが。

それにしても、7月23日の記事「セミ」には、クマゼミも入れておくべきだったかもしれない。

[トラックバック]
 ⇒ 「セミ」 (巣窟日誌) 自己トラックバック