巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

中・東欧の恐ろしいダニ

2005-08-07 14:20:06 | 日記・エッセイ・コラム
「ダニのような奴」ではなく、本当のダニの話。

オーストリア及び近隣国(ドイツ、ハンガリー、チェッコ、スロバキア、スロベニアなど中・東欧地域)では、ダニ(ツェッケン)を介したウィルス性脳炎(病状は日本脳炎ににています)に感染する恐れがあります。中・東欧、ロシア、アジアにかけて知られるこの脳炎は、治療法がないため、一旦罹ると麻痺等の後遺症が出たり、場合によっては死亡するケースも見られます。幸い、ワクチンがあり、その予防率は100%と言われています。
「オーストリア領事部・オーストリア安全情報」より
(http://www.at.emb-japan.go.jp/consulate/l1_autanzen.htm)


Zechenツェッケンはドイツ語でZeckenと書く。通常は森の中などに住んでいるものらしい。

なぜわたしがここでヨーロッパのダニについて書いているのかというと、母が所属している合唱団体で、7月にドイツのライプツィヒに行った人たちの中に、このツェッケンに刺された人がいたとの話を聞いたからだ。(知名度のある方なので、今後ご自身のウェブサイトでこのことを書くかもしれない。)

何でも、「最初はオデキができただけだと思い2日間我慢したが、どうにも痛くてガマンができないので良くみたら、オデキに毛があった!」となったとか。「毛」とは、ダニの足のことだと思われる。

翌日現地の人がその話を聞くなり「医者に行け!」と言ったのは、このダニを介してウィルス性脳炎にかかる可能性があるからしい。実際に、過去にオーストラリア旅行中の日本人が、このダニに刺されて脳炎で死亡したしたこともある。(厚生労働省のサイトより)オーストリア領事部の安全情報には「ワクチンがある」となってはいるが、日本にはこのワクチンはない。

では、刺されてしまったどうするか。以下は「フライブルクあれこれ」より

ツェッケを取り除くには、ピンセット(薬局でツェッケを取り除く専用のピンセットを購入できる)をできるだけ皮膚近くまで近づけ、ツェッケをつぶさないよう、また皮膚にもぐりこんでいる頭部を切りはなさないように気をつけながら ツェッケを引っ張り抜く。
心配な場合は、すぐに医者に行きましょう。
(http://alemannisch.fc2web.com/fr/fr/zecken.html)


このダニはドリルしながら人間の皮膚の中に頭からもぐりこんでいくので、何も考えずに引っこ抜こうとすると、ダニの頭が皮膚の中に残ってしまうものらしい。とういわけダニ専用のピンセット(Zeckenzange)というものが、このダニが住む地域の薬局には売っている。

ちなみにダニ用ピンセットはこんなものだ。↓
http://www.pharmabrutscher.de/kraut/Zeckenz.htm

使い方は、ここを参照↓
http://www.pharmabrutscher.de/kraut/zzanwend.htm

外出時にいつも持ち歩けるように、ダニ用ピンセット付キーホルダーも良いかもしれない。

なお、ツエッケンについて、より詳しく知りたい方は、Baxterのツェッケンに関するドイツ語サイト (http://www.zecken.de/fsme/) が充実している。(トップページ上部のFlashの円形内のアニメーションは数種あるが、特に人間の皮膚につくツェッケンのバージョンは気持ち悪いので要注意。それからZechen!の画像も数種あり、場合によってはかなりグロいツェッケンの拡大画像が出てくるので、この世のありとあらゆる醜いものから目をそむけて生きていきたい人には、アクセスしないことをお勧めする。)

というわけで、ヨーロッパの森を散策するときは、虫よけスプレーを忘れずに。みだりに肌を出した服を着ないように。ヨーロッパの森は、色々な意味で、危険がいっぱいだ。

ああ、この記事を書いていたら、なんだかあちらこちらが痒くなってきちゃったよ。