巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

デニーズの恥ずかしい過去

2004-05-11 23:25:04 | 日記・エッセイ・コラム
いまから20年以上前、デニーズでアルバイトをしていたことがある。

そのころファミリーレストランは、日本人にとってはまだ新しいものだった。日本のデニーズはIY(イトーヨーカドー)グループが経営しているものの、アメリカのDenny's Resutaurantのシステムやメニューを大々的に取り入れて、今までにないレストランというイメージがあった。たしかファミレスの「コーヒーのおかわりが自由」というシステムは、デニーズが広めて、ファミレスのスタンダードにしたものだったと思う。

さて、今となっては笑えるが、当時のデニーズには、「メニューも食べ方もアメリカ式を守る」という金科玉条があった

例えば、「トマトジュースやグレープフルーツジュースには、ストローをつけてはいけない」ことになっていた。それは、「ゴクゴク飲んでほしいから」であり、「ストローを使わないのがアメリカ式」だからだった。フレッシュジュースを注文したほぼ100%のお客様からストローがないと言われたが、気を利かせて最初からストローをつけることは、規則に反する行為だった。おかげで「ストローがついてないんだけど」と、お客様が不機嫌そうに言ってくるたびに、「申し訳ございませんが、これがアメリカ式でして…」と言い訳をしながら、ストローを取りに行くことになった。

料理に合わせて出す調味料類も、「アメリカ式」を守るあまり融通が利かないものが多かった。

モーニングの「卵を2個をお好みの焼き方で」食べるやつには、「ケチャップ類を持っていくこと」が決まりだった。なんでも、「目玉焼きは、黄身にケチャップ類をからめて黄身のソースを作り、そのソースを白身につけて食べるものだから」との説明を受けたが、目玉焼きを選んだお客様のほとんどが、醤油をご所望だった。

そこで、醤油を用意してあることはあるのだが、醤油注しに入っているものではなく、キッコーマンの海外向けボトル(キッコーマンの海外向けサイトを開くと、最初のページに出てくるようなやつ)を使用していた。これでは、「目玉焼きの黄身をちょっとだけ破って、微妙な加減で醤油をぽたぽた落として、ちょうどいい塩加減にする」などという細かい作業ができず、あまり評判がよろしくなかった。

「ラーメン」だの「まぐろ山かけ丼」だのがメニューにある現在のデニーズからは、隔世の感がある。

当時のデニーズの、最大限にアメリカ流を取り入れようとする努力は、よく言えば無邪気でほほえましかったが、今考えると気恥ずかしく、アメリカに対するコンプレックスの最たるもののひとつだったと思う。あのころアメリカ文化は、まだ日本人みんなの憧れだったのだ。


テロ対策特措法でいう「国際的な武力紛争」とはなにか?

2004-05-11 17:27:37 | ニュース
サマワでオランダ兵2人死傷、検問中に手投げ弾(YOMIURI ON-LINE 2004年5月11日)

 陸上自衛隊が活動するイラク南部のサマワ中心部の橋付近で10日午後9時半(日本時間11日午前2時半)ごろ、爆発があった。

 検問中の駐留オランダ兵に手投げ弾のようなものが投げられたとみられる。オランダ国防省によると、兵士1人が死亡、1人が負傷した。同軍兵士に対する攻撃で、死傷者が出たのは初めて。

 オランダ軍は現場一帯を封鎖した。目撃者によると、爆発があったのはユーフラテス川をまたぐ橋の上で、オートバイに乗った何者かが、兵士に手投げ弾のような爆発物を投げ付けたという。爆発音は2回聞こえた。(時事)

(2004/5/11/11:07)

自衛隊が派遣されているサマワで、オランダ軍に死傷者がでた。自衛隊のイラク派遣については賛否両論があるが、現に彼らは派遣されている。

では、戦闘状態になった場合、派遣されている自衛隊はどうするのだろうか?

テロ対策特別措置法によれば、
「対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において…」(第二条第三項)

となるため、戦闘行為が行なわれている地域から撤退することになる。

では「戦闘行為」のカッコ書きにある、「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」とは、何か?

衆議院議員金田誠一君提出「戦争」、「紛争」、「武力の行使」等の違いに関する質問に対する答弁書によれば、

第二条第三項の「国際的な武力紛争」とは、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いをいうと考える。(三の7について)


となる。

今のサマワで起こっていることは、「国家」との間でも、「国歌に準じる組織」との間に生じていることでもなさそうだ。ということは、厳密に解釈すれば、サマワで「武力を用いた争い」がいかに激しくなろうと、それは「国際的な武力紛争」ではないので、自衛隊撤退の根拠にはならないということになりそうだ。

もしかして、このままサマワで「武力が用いた争い」が激しくなろうと、撤退できない?