巣窟日誌

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モンドランゴはエスペラントに代わり、国際共通語になりうるか?

2004-05-10 23:02:07 | 異文化コミュニケーション
国際コミュニケーション論の授業で、「国際共通語としての英語」というテーマで学生に発表してもらった。

学生代表で張さんが頑張ってくれて、授業はスムーズに進んだ。彼女は「国際共通語」になりうるものとして、人工言語エスペラントを取り上げた。まず、これは予想通りだ。

ところが、彼女ははネットの日本語サイトのほか母国語の(つまり中国語の)サイトも調べて、エスペラントに代わりうる国際共通語として、人工言語の「大同語」なるものを、どこからか調べだしてきた。

この「大同語」なるものはわたしには初耳だ。張さんが配った中国語のウェブサイトのプリントアウトには、「エスペラントより国際共通語としてふさわしい」とある。なになに? これを自称研究者のわたしが知らないとは、かなりまずいかもしれない。そう思って、家に戻って必死になって調べると…

大同語は中国語で「世界大通語」「大通語」とも呼ばれる。アルファベット表記(あるいは原語表記)はMondlango ("world language" の意味) または、Ulango ("La Universa Lango" の略で "The Universal Language" の意味) だ。

エスペラントにも欠点がある。(詳細は「エスペラントの欠点と反論」を参照のこと。)このMondlangoは、エスペラントの長所は利用しながら、エスペラントがもつ欠点をなくすべく、複数の人間がかかわって創った言語だということ。その中には中国人もいるので、中国語の長所も利用したらしい。

ちなみに "Mondlango" でググったら、1730件もヒットした。International Mondlango Assocation (日本語に訳すと「国際モンドランゴ協会」とでもいえようか)の英語サイトが結構詳しい。このサイトでは日本語でMondlangoの簡単な説明をしているページもあるが、機械翻訳のようで…惜しい。

日本のエスペラント研究については、日本エスペラント学会がある。「でははぜ、日本モンドランゴ学会(「日本大通語学会」もありうる)がない?」と思ったら、この言語が作られたのは、2002年7月と新しかった。

モンドランゴ。これから日本に入ってくるかもしれない。

ちなみに、授業では「『英語支配』といわれようと、国際共通語は英語が現実的で妥当」という意見が圧倒的だった。

(張さん、ありがとう。)