山笑ふ

昨日長い間とても可愛がって下さっていたMさんの訃報に接し、電話口で「あ」とも「へ」とも何とも言えない返事をしてしまった。この日が来ることは少なからず意識していたけれど、やっぱり突然のお知らせには、声をのむしかなかった。この仕事を始めてから、ずっと何くれと声をかけてくださり、体調を崩されてからもこの事務所に顔を見せてくださった優しい方だった。
もう17～18年前だろうか、お庭の草木を分けてくださることになり、ある日スーパーの帰り道にご自宅をお訪ねした。良く晴れた日で、ほこほことお日様を背中に受けて二人でいくつかの株分けをした。「バースくん、これは○○○という名前で、山から取って来たんだよ」と、珍しい花や木の名前を教えてくださった。持ち帰って庭に移植したときは、名札をつけていたけれど、雨風に吹きさらされてそれらの名前はわからなくなってしまった。けれど、毎年毎年季節が巡れば花が咲き、木々はしっかり大きくなった。ボクんちではそれらの花木を「Mさんの木、Mさんの花」と言い習わしている。
日の出も早くなり、あたたかくなり、春がやって来た。またMさんの花も咲く。春の山の明るい感じをいう俳句の季語に「山笑う」というのがある。
Mさん!!もう間もなく山が笑い始めます。我が家の庭も笑い始めます。お花や木は変わらずにボクのそばで大きくなります。優しくして頂いたこと、忘れることはありません。ありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。合掌鳥取のイベント情報サイト　ジャングルズームノマップ鳥取