(マララ・デーの12日 国連でスピーチするマララさん “flickr”より By DTN News http://www.flickr.com/photos/54892559@N06/9273610330/in/photolist-f8tFgh-f86XQi-f8mchQ-f8aorD-f8pENA-f7XuZV-f7XoqR-f8cDAY-f7ZQT6-f83G8Z-f812kZ-f8f7sf-f7ZQWx-f8f7tW-f84xnk-f8iNDJ-f7VYQe-f8HMo9-f8tnbg-f7YRev-f81AUk)
【テロ地獄パキスタン】
パキスタンで日常茶飯事のごとく繰り返されるテロの暴力については、このブログでも何度も取り上げてきました。
最近1か月の国際的に大きく報じられた事件だけでも、以下のとおりです。
****パキスタンで女子大生を標的にした攻撃、25人死亡****
パキスタン南西部バルチスタン州の州都クエッタで15日、女子大学生が乗ったバスが武装集団によって爆破され、14人が死亡、19人が負傷した。政府当局者が明らかにした。
その約90分後、負傷者が搬送された病院が襲撃され、準軍事組織の辺境州防衛部隊報道官によると、さらに11人が死亡、17人が負傷した。(後略)【6月16日 AFP】****************
****外国人観光客ら10人死亡=武装勢力、ホテル襲撃―パキスタン****
パキスタン北部ギルギット・バルティスタン地域で23日未明(日本時間同日未明)、武装勢力がホテルを襲撃し、外国人観光客ら10人が死亡した。
地元当局によると、死亡したのはウクライナ人5人と中国人3人、ロシア人1人とパキスタン人ガイド1人。中国人1人が負傷して病院に搬送された。(後略)【6月23日 時事】
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****パキスタンで爆弾攻撃相次ぐ、53人死亡****
パキスタンで6月30日、各地で爆弾攻撃が相次ぎ、当局によると53人が死亡した。1日の死者数としては、ここ4か月余りで最悪のものとなった。
最も多くの死者を出した2件の攻撃は、南西部クエッタと北西部ペシャワル近郊で起きた。
クエッタでは、シーア派のモスク(イスラム礼拝所)近くの検問所で自爆攻撃が起き、当局によると28人が死亡、51人が負傷した。
ペシャワル近郊では治安当局の車列を狙った車爆弾攻撃があり、地元の病院によれば、17人が死亡、46人が負傷した。警察によると、車爆弾は混雑した市場で爆発したために、死傷者の大半が民間人だった。(後略)【7月1日 AFP】
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【「1本のペンと1冊の本が、世界を変え得るのです」】
こうしたテロの暴力が吹き荒れるパキスタンにあっても特に世界を震撼させた事件が、昨年10月、パキスタン北西部のスワト渓谷でバス通学途中にイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」によって頭を撃たれたパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさん(16)の事件でした。
マララさんはかねてより女子教育の必要性、学ぶことの喜びを訴えており、冒頭に挙げた6月15日のクエッタでおきた女子大学生通学バス爆破事件同様、女性の教育を否定するイスラム武装勢力によって標的とされたものです。
事件後、イギリスでの治療によって目覚ましい回復を遂げたマララさんは、TTPの再襲撃予告や事件の恐怖に屈することなく、改めて女子教育の重要性をアピールしており、そのアピールは世界中に大きな輪を広げています。
マララさんの誕生日、7月12日を国連は「マララ・デー」と命名。
その12日にマララさんは国連本部で、世界各国から集まった約500人の若者の他、国連世界教育特使のブラウン前英首相、潘基文(バン・キムン)事務総長が見守るなか、力強いメッセージを世界に発信しています。
「テロリストたちは、銃弾で私たちを黙らせることができると思ったのでしょう。でも、彼らは失敗に終わりました」
「彼らは私の目標を変えさせて、熱意をくじくことができると考えたのでしょう。でも、私の人生で変わったことはありません。弱さと恐怖心、絶望が消え失せ、強さと力、勇気が生まれたこと以外は」
「私は誰にも敵対はしない。私は誰も憎んでいない」
「過激派はこれまでも今も、本やペン、教育の力を恐れています。教育の力が彼らを黙らせたからです。そして彼らは、女性のことも恐れています」
「本とペンを手に取りましょう。私たちにとって最も強力な武器です。1人の子どもと1人の教師、1本のペンと1冊の本が、世界を変え得るのです。教育こそが唯一の解決策です」【7月13日 AFPより】
(マララさんのスピーチを聴く少女たち “flickr”より By United Nations Information... http://www.flickr.com/photos/46534160@N06/9270963596/in/photolist-f8f7tW-f84xnk-f8iNDJ-f7VYQe-f8HMo9-f8tnbg-f7YRev-f81AUk)
****本とペン、世界を変える…マララさん国連演説****
ニューヨークの国連本部で12日に演説したマララ・ユスフザイさん(16)は、「私たちの最も強力な武器である本とペンを持ちましょう。一人の子供と教師、1冊の本と1本のペンが世界を変えるのです」と訴え、喝采を浴びた。
この日、16歳の誕生日を迎えた少女の言葉は、子供の教育機会を拡充する活動の輪を、世界中に広げる力となりそうだ。
マララさんは、ピンクのスカーフを巻いて国連本部の大会議場に現れた。母国パキスタンのベナジル・ブット元首相が愛用したものだ。2007年12月、自爆テロに倒れた女性指導者の装飾品を身にまとうことで、暴力に屈することを断固として拒み、「私たちは言葉の力を信じます。言葉で世界を変えられます」という決意を示したものだ。
昨年10月、イスラム武装勢力に銃撃されながら、奇跡の回復を遂げ、勇気ある発言を繰り返すマララさんの姿は、すでに世界各地で教育振興の動きを促進している。
国際的な民間活動団体(NGO)「プラン」は、女子教育支援の「Raise Your Hand~世界の女の子のために手を挙げよう!」という運動を展開。マララさん銃撃の直前に始めたが、事件後に爆発的な広がりを見せた。賛同者は、挙手した写真をネット上に投稿するというユニークな活動で、マララさんを含む世界の人たちが、笑顔の写真を載せている。
パキスタンでは12日、少女30人がムハマド・バリグ・ラフマン教育相を訪ね、「すべてのパキスタンの少女に教育を受ける権利を」と訴えた。以前なら考えられなかった光景だ。
国連が演説に合わせて発表した報告書によると、世界で学校に通えない子供の数は11年時点で約5700万人に上る。特に深刻なのが紛争地での状況で、小学校に通えない子供の割合は08年の42%から50%に悪化した。
世界各地で教育を妨害する暴力がやむ気配もない。パキスタンでは、今年6月にも女子大学生が乗った通学バスが爆破され、14人が死亡する事件があった。ナイジェリアでは先週、イスラム過激派が「西側の教育は罪だ」と叫びながら学校を襲撃し、生徒41人を殺害した。
「教育のため、平和が必要です」というマララさんの訴えは、世界の多くの人々の胸に響いたはずだ。【7月13日 読売】
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【「マララは私たちの希望」】
パキスタンには、マララさんと同じように教育の権利を脅かされながらも、学ぶことをあきらめない女性たちがいます。
****希望と勇気 「マララと同じ境遇の少女、何千人もいる」同郷の少女、迫害恐れずエール****
マララ・ユスフザイさんがニューヨークの国連本部で演説した。パキスタンにはマララさん以外にも、迫害を受けている少女たちがいる。同郷のヒナ・カーンさん(18)もその一人だ。
首都イスラマバードでの記者会見で「学校へ行かせて」と訴えてから脅迫が絶えない。なお恐怖が支配する母国から「マララは私たちの希望」とエールを送った。
ヒナさんが家族とともに故郷のスワート渓谷から、首都に逃れてきたのは2007年。以来、6回自宅を変えたが、脅迫の手はなお追いかけてくる。
昨年、マララさんが撃たれる数日前、自宅の外壁に赤いペンキで×印が書かれているのを家族がみつけた。いたずらかと思ったが、消しても消してもまた書かれた。マララさん襲撃の3日後には、見知らぬ男から電話がかかってきた。母に「ヒナはお前の娘か。マララの次はヒナだ」と言った。
故郷にいた当時、父母は女性の自立を支援するNGOを主宰していた。女性の社会進出を否定する武装勢力パキスタン・タリバーン運動が渓谷一帯に侵入して来ると、生活は一変した。
別の町の女子校が爆破され、ヒナさんもほとんど学校に行けなくなった。仕事帰りの女性の刺殺体が近所で見つかった。働く女性への見せしめだった。女性の権利を訴えていた両親にも脅迫が及ぶようになった。
ある晩、父が「これから皆で旅行に行く」と言い出した。1週間分の着替えだけを持って家を出た。しばらくして本当の理由が分かった。
滞在先で深夜、父が黙り込み、母がすすり泣くのを見た。タリバーンのラジオ局が放送で両親を名指しし、「逃げても無駄だ。必ず処罰する」と脅迫したと聞かされた。父がタリバーンに拉致されかかっていたことも知った。
首都での逃亡生活は厳しかったが、うれしいこともあった。学校に通うことができたからだ。故郷の級友のほとんどは、16~17歳になると結婚させられ、学校をやめていく。首都の学校では、そんな級友はほとんどいない。
08年、NGOの記者会見に参加した。「スワートの友人たちを学校に行かせてあげて」と訴えた。両親だけでなく、自身も標的になったのは、この時の様子がメディアに流れたからだ。
「でも、私は後悔していない。この国にはマララのような境遇の少女が何百人も何千人もいる。一人一人は普通の少女でも、勇気を持ってマララと力を合わせれば、いつかこの国は変わるかもしれない」
■300万人超、学校通わず パキスタン
マララさんと同じスクールバスに乗っていて銃撃で負傷した友人のカイナート・リアズさんが12日、地元テレビの番組に出演した。「一緒に登校できないのは寂しいけれど、女の子の教育のため、マララにがんばってほしい」と話した。
現地では事件後、軍が厳戒態勢を敷き、タリバーンの活動は減った。12日にはマララさんと連帯する行進が行われた。多くの子供は学校に戻ったが、タリバーンへの恐怖が消えたわけではない。
昨年末、政府が地元女子大の名前を「マララ」と改名しようとしたところ、反対運動が起きた。テロの標的となるのを心配したためだ。
ユネスコによると、同国の小学校学齢期の女子のうち約3分の1にあたる300万人以上が就学していないという。【7月13日 朝日】
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マララさんと同じスクールバスに乗っていて銃撃で負傷したシャジア・ラムザンも、進学のためイギリスに渡っており、マララさんとも再会しています。
****マララさんと共に銃撃された少女、英国で通学へ****
パキスタンで昨年、女性の教育権を訴える活動を行っていた少女マララ・ユスフザイさんと共にイスラム武装勢力に銃撃された女子生徒が、英政府から学生ビザ(査証)の発給を受け、先週末に渡英していたことが分かった。
シャジア・ラムザンさん(15)は6月30日夜、英イングランド中部バーミンガムの空港に到着し、昨年10月9日の銃撃事件以来、離れ離れになっていたマララさんと喜びの再会を果たした。2人は共に、世界の教育問題に関する国連特使を務めるゴードン・ブラウン前英首相の事務所の支援を受けている。
世界中から非難を浴びたパキスタンのこの事件では、同国北西部のスワト渓谷で通学バスに乗っていたマララさんを、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」が至近距離で銃撃した。女子の教育権を訴えていたマララさんを狙った犯行だったが、シャジアさんを含む他の少女2人も巻き添えとなり、シャジアさんは首と肩を負傷した。
頭部に重傷を負ったマララさんは、手術のために渡英。3月から、バーミンガムの学校に通学を始めていた。今回、シャジアさんも、ブラウン氏の「ア・ワールド・アット・スクール」など慈善団体からの奨学金やその他の支援を受け、英国で通学を開始できることになった。
同団体が発表した声明の中でシャジアさんは「ここで勉強し、医者になることを目指すことができて、とても嬉しく思います。パキスタンにとどまって教育課程を終えたかったけれど、絶えず脅迫を受けていたので不可能でした」と語っている。【7月5日 AFP】
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マララさんは今年のノーベル平和賞候補とも言われていますが、彼女のメッセージが世界中の人々に届くことを、特に、パキスタンのシャリフ首相に届くことを、そして一人でも多くの少女が安心して学ぶ権利を行使できるようになることを心から願います。
****マララさん:国連に請願書 学校に行けない子供の支援訴え****
ニューヨークの国連本部で12日に演説したパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさん(16)は同日、潘基文(バン・キムン)国連事務総長に、学校に行けない世界中の子供の支援を訴える請願書を提出した。
学校施設や教師などを提供する、世界の指導者による資金援助を訴える内容で、事務総長は「勇敢なマララさんに続こう」と賛意を表明した。
だが、パキスタンでは、マララさんを銃撃し重傷を負わせたパキスタン・タリバン運動などによるテロ攻撃が頻発。マララさんと両親らは、治療を受けた英国に残っている。帰国すれば命を狙われる可能性があるためだ。
パキスタン南西部クエッタでは先月、通学バスへの爆弾攻撃で女子学生ら約40人が死傷。マララさんの出身地の北西部スワート渓谷でも5月に爆弾テロが相次いだ。
パキスタンでは2007年、亡命生活を終え帰国したばかりの女性政治家ブット元首相が暗殺されている。「マララさんも帰国すれば第2のブット氏になりかねない」(地元記者)と懸念する声もある。
一方、マララさんの父ジアウディンさんが運営していた学校は、マララさん銃撃事件以降、政府による手厚い保護を受け約700人の女子学生が通学。ザルダリ大統領は12日、マララさんの活動への支持継続を表明した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)によると、世界で小学校に通っていない子供は11年に5700万人で、半数の2850万人が紛争地域に住む。パキスタンでは500万人の子供たちが学校に通っていない。【7月13日 毎日】
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