豊田の生活アメニティ

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斎藤「僕はウーバーで挫折・・」その2

2023-05-22 | 気になる本

 どうなのテレワーク(ブルシット・ジョブ、エッセンシャルワーカー)

 デビット・グレーバーは「ブルシット・ジョブ」(確かテレビでは「糞のような仕事」と直訳していた。しかし、人間資本主義の下で嫌な仕事でも食べるために働かざるを得ない。)の典型例がコンサルタントと広告業としている。コロナ禍でのテレワークに翻弄された。(テレワークで長時間の通勤から解放され、一部に移住した人もいる。)企業や大学がブルシット・ジョブをなくそうと生産性を上げれば、労働者は不要になる。DXを進める先にある「ポスト資本主義」の未来は、分断社会、「デジタル封建制」である。

 コロナ禍で3密を避ける保育師は、多くが低賃金で仕事も大変である。看護師、保育師、教員などエッセンシャルワーカーに甘えていないか。(女性が多かった看護師、保育師、それに教師はあこがれの職業であった。今は、過酷な労働環境で希望者が激減している)。グローバル化が進むなかで、社会は効率性だけを求めた。予算を削り非正規化を進め、コストカットを求め海外に工場が移転した結果、緊急時にマスクも人口呼吸器も作れない国になった。(布製で使われないアベノマスク、大阪維新のイソジン、雨合羽はどうだったのか、検証は?23年地方選で維新は躍進。)

 電力を考える(脱原発、脱石炭、ドイツとの違い?トヨタのゼロカーボン策は?)

 海外では原発どころか、2050年までに脱炭素を掲げ、石炭火力発電所が閉鎖されつつある。ドイツでは22年までに脱原発だけでなく、38年までに脱石炭を掲げている。「気候ネットワーク」の山本さんに、灘区の神戸製鋼所の火力発電所を案内された。広岡さんらは増設と稼働の差し止めの住民訴訟を起こしたが敗訴した。資本主義社会の利益優先、社会的弱者へのしわよせ、これが公害問題の定めだ。電気がなければ何もできない「お客様」で、コストの無知と無関心である。生駒市で楠さんらは太陽光パネルで、再エネの「市民エネルギー生駒」を13年設立した。(現在、太陽光はパネルのコスト、売電料金、配送電分離など電力会社との軋轢などで停滞状況。原発再稼働、火力発電推進の日本では風力発電もバイオマスも停滞している。電気料金の大幅値上げも認可した。)生駒市は「環境モデル都市」に認定された。(豊田市もそうであるが、ここと飯田市との違いは何か。EUはガソリン車を35年までとしたが、排出ゼロの合成燃料の利用は延長を認めるとした。)

 気候不正義に異議 若者のスト

 先進国がさらなる経済成長をもとめることで、途上国の資源や労働力を奪っている。途上国の人々は大量のCO2を排出していないのに、気候変動の影響を受ける。彼らは先進国での政治的意思決定に関与もできない。これが「気候不正義」である。

 世界では気候変動以外にも、95年以降に生まれた「Z世代」を中心に、ジェンダー格差や、人種差別に発言している。大人が若者に期待し場を作り、若者は新しいものを生み出す。そもそも日本社会の閉塞感は、ご機嫌をとって、お願いをするという私たちの生きざまの限界ではないか。大人たちは政治家に忖度し、上司にへつらい、子どもたちは大人の意向に従う。強者に都合の良い社会は変わらない。(ここは重要な論点で深堀が必要。他に小選挙区制により自民党1強で内閣人事局と内閣法制局を支配、政治資金、非正規、公務員の成績主義、労組の弱体化、マスコミの会食なども関連すると思う。)

 ミャンマーのためにできること 知ることが第一歩

 2021年2月1日、ミャンマーでは国軍によってクーデターが起きた。民主的選挙で選ばれた国民民主連盟のアウンサンスーチー国家顧問が拘束され、軍事独裁体制に逆戻りした。ミャンマー人のデモは命がけで、500人以上が殺害され、数千人が拘束されている。抗議活動の長期化で人々の疲弊や国際的関心の低下が危惧される。必要なのは支援で、「ミルクティ同盟は誰でも参加できる」。私も集会でプラカードを掲げた。中国は今回のクーデターを非難していない。自国主導の「一帯一路」を進めようとしているとも言われる。現場では日本企業(トヨタ)も少なくない(ロシアからは撤退)、そうした企業への働き掛けも有効だろう。

 福島いわきで自分を見つめる

 小松りけんさんの「新復興論」、「共事」心、気楽に移住を紹介している。楢葉町では大規模な洋上風力発電が行われ、600億円もかけたが21年度撤去となった。残ったのは港と石炭だけであった。

炭鉱で働いていた渡辺為雄さんは「みろく沢炭鉱資料館」の館長で、石炭の栄枯盛衰を記録している。

双葉町の「原子力災害伝承館」は立派な施設だか来館者はほとんどいない。(私も行った時に見る気がしなかった)。語り部の高倉さんは原子力事故で「迷惑をかけて申し訳ない」と述べ、さらに「核廃棄物の処分場として地元を活用するのが最善の選択」と提案する。ここにも、近代化の物語が影を落とす。(双葉町に行った時に、原子力明るい未来のエネルギーとアーチ状の看板に驚いた。福島県知事や選出される国会議員は原発反対の人でないことも解せない。「金目」なのだろうか?)

*著者の指摘の大部分は同意できる。今回は毎日新聞の記者などと成功事例を現場取材し、コメントしていてヒントも多い。この次は、上手くいっていない現場でも、定点でアドバイスされ、さらに理論と実践で環境経済・まちづくりの事例とポスト資本主義社会を期待し注目したい。

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