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AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
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必聴!怪人二十面相

2008年12月29日 | しねしねシネマ

今年はほんま心から面白いと思った映画をひとつもみてない気がしますが、お正月映画は結構注目に値する作品が多いかと。

先週から上映されてる金城武主演映画『K-20』もかなり気になる作品の1つ。皆さんもうご覧になられたでしょうか?




『K-20』とかイチビったタイトルつけてますが、言うまでもなく江戸川乱歩が子供向けに書いた少年探偵団シリーズの泣く子も黙る“怪人二十面相”のことで、アラフォーな方なら知らない人はいないかと思います。
私自身、幼少の頃、小学校の図書室で胸躍らせながらこの少年探偵シリーズを時間も忘れて読み耽ったという思い出があるかと申しますと、実はさにあらずだったりします。
いや、その頃はルブランのアルセーヌ・ルパンものに夢中だったもので・・・
乱歩作品にまで気がまわらなくて実は少年探偵ものは全くと言っていいほど読んだことがなかったりします。
まぁもともと怪人二十面相自体、アルセーヌ・ルパンがモデルということですし、どっちかでよかったんじゃないかと。
あ、そうそう、怪人二十面相の映画化を記念して、ポプラ社よりあの少年探偵シリーズの文庫本が当時の山川惣治画のあのオドロオドロしい劇画カバー表紙+挿絵で復刻しておりますね!
本屋に並べてあるの見ただけで、ほとんど読んだこともないくせにノスタルジックな気持ちになってなんかワクワクしちゃいました。


まぁアラツェンーな若い世代の人で怪人二十面相と聞いてもピンとこない方もいらっしゃると思います。
そこで今日は映画『K-20』を20倍楽しむための必須アイテムともいうべき音楽作品をみなさんに紹介したいと思います。

それは乱歩世界をロックで表現させれば右に出るものはおらぬといわれる日本最大のロックバンド、人間椅子の9作目にあたる、タイトルがズバリ『怪人二十面相』という作品でございます。




まぁ乱歩ファンの方なら殆どの方が所持してらっしゃるんじゃないでしょうか?
タイトルが示す通り、乱歩の『怪人二十面相』をテーマとしたストレートなコンセプトアルバムで、メンバーの3人が怪人二十面相、明智小五郎、小林少年に扮し、昭和の帝都を舞台に大活劇を繰り広げるかのような怪奇溢れる傑作に仕上がっております。




まず1曲目を飾るタイトル曲“怪人二十面相”は、正にオープニングを飾るのに相応しい神出鬼没のワクワクするようなハードロックナンバー。なんつっても間奏での怪しげな和嶋氏のスライドギターがヤバいくらいカッコいい!
そして少年探偵シリーズお馴染み(知らんけど)#3“蛭田博士の発明”では、ドゥーミーなサウンドにのって、マッドサイエンティストの狂気を鈴木氏がオドロオドロしげに怪しく歌い上げております。
諸外国を放浪の末、お洒落に変貌を遂げた明智小五郎のイメージを、和嶋氏がまんま歌い上げた#8“名探偵登場”はちょっとユル~い感じのご機嫌ナンバー。
そしてこのアルバムの締めを飾るのが、これまたストレートなタイトルの“大団円”。前半の妖気漂う怪しげな雰囲気から一転して、役者達の終演ご挨拶のようなフィナーレを想定した和やかな展開を見事ロック的に演出しているのはさすが!

もちろんこのアルバムには大人向けのディープな乱歩作品曲もございます!
その中でも秀逸なのは、椅子史上最も陰鬱な乱歩趣味が顕れた怪作#9“芋虫”でありましょう!
もうそのどんよりしたベース音からして手足をもがれた主人公の鬱々とした自己嫌悪観、悲壮観が全面に滲み出ており、これまたワジーのブルージーにむせび泣くギターが圧巻であります。

NINGEN ISU / The Caterpillar(人間椅子 / 芋虫)


#11“地獄風景”なんていう3・3・7拍子のスラッシュナンバーもございますが、私はこれよりセンス・オブ・ユーモア溢れるスピードナンバー#10“楽しい夏休み”の方をオススメしますがね。
ワジーの小学生の絵日記のような歌は少々イってますが、プログレドラマーマスヒロ兄のバカテクスティックさばきが大爆発した凄まじい曲展開の、椅子史上最高の傑作スラッシュナンバーでございましょう。

ジャケット絵を手掛けたのはお馴染み大越孝太郎先生。
アルバムリリースに伴いPV(下映像参照)が収録されたVHSも発売されており、なんとオマケとして怪人二十面相の変装お面が付いてきちゃうんです!
ブルーレイの時代ではございますが、これはもう買うしかありませんね。




とにかくこの作品は怪人二十面相の非公式サントラと呼ぶべき濃厚な内容となっておりますので、映画をご覧になってない方はもちろん、既にご覧になった方にも、二十面相の魅力をよりいっそう深めるにはもってこいのアイテムでありましょう。


来年、ケータイ電話など放り出して、BDバッジを胸につけ、トランシーバーを片手に携えた小学生が、街のあちこちで目撃されるような予感がするのは私だけでしょうか?



今日の1曲:『怪人二十面相』/ 人間椅子

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