AMASHINと戦慄

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体感ジャズアニメ

2023年04月16日 | しねしねシネマ
ビョークを東京まで観に行って、値段の割にはクソ窮屈で乗り心地の悪い夜行バスに揺られて帰って来た翌日の朝、最寄り駅の側のイオン内を通って家に帰るんだが、そういえば今日は映画の日だったなと、イオン4階のシネコンに今どんな映画やってるのかフラっと見に行ってみると、2月下旬頃から上映されてとっくに終わってると思っていたアニメ映画『BLUE GIANT』がまだやってるじゃないか!

SNSなどでかしゆかや矢野顕子さんらがこの映画にコメントを寄せていて気にはなってたんだけど、最近マンガを読まないので『BLUE GIANT』がどんな作品か全く知らなくて、どうなんだろうと思いつつ、時が過ぎてしまっていた。

ビョーク遠征で疲れてたけど、これは今日観に行かない手はないなと、足早に家に帰り、18:00からの回に備えて安眠に就いた。

zzz........


ガバっと目覚めたら、なんと17時半!!
やってもうたーーーっ!!!
でも大丈夫。家からイオンまで車で3分で行けるから。


まぁアニメ映画といったら、だいたいガンダム関連の作品くらいしか観ない私が、いくらご贔屓にしてるアーティストが薦めたからといって、なんでこの聞いたこともないアニメ映画作品を観に行く気になったのかというと、それはやはり、かの上原ひろみさんが音楽を担当していたからにほかならない。

音楽のいい映画は、だいたい、いいものだ。

サックス:馬場智章。ドラム:石若駿。



上映開始から1ヶ月も経ったにもかかわらず、この田舎イオンシネコンにしてはなかなかの客入りで意外だった。
どうやらこの映画、口コミなどで話題となり、徐々に動員数を増やしていってるそうで、上映期間も延びたっぽい。
つーか10年前から連載され、いまなお続く大ヒットマンガらしいね。




ストーリーは、語弊があるかもしれませんが、わかりやすく言うと『BECK』のジャズ版と言ったところか。
話運びからして、最初はそんな印象を受けた。

高校卒業後、一流のサックスプレイヤーになるため上京し、鍛錬&情熱だけでグイグイ目指す道を突き進んでいく主人公の宮本大。
幼少よりピアノレッスンを受け、すでにセミプロ級の腕を持つことでやや傲慢さが鼻につくピアニストの沢辺雪祈。
大の同級生で、大に誘われいきなり初心者からジャズバンドを組まされ、劣等感に苦しみながら努力を積み重ねていくドラマーの玉田俊二。
そんなデコボコな3人が結成したトリオバンド“THE JASS”が、憧れのライブハウス(BLUE♪NOTEならぬ)“SO♪BLUE”の舞台を目指して、お互い触発され、ときにはぶつかり合いながら、上へ上へと突き進む過程を描いた物語。




『BECK』と違い、青臭い恋愛ドラマやサスペンス性もなく、話自体はほんとよくあるバンドマンのストレートでシンプルな物語展開ではある。

ではなぜ観ていてこんなにも熱くなれるのか?

それはやっぱり音楽がカッコいいからとしかいいようがない。
ちゃんと音楽で観る者を唸らせる・・・
そこが『BECK』とは全然違うポイントであるかと。


ジャズミュージックは門外漢だが、上原ひろみさんの書き下ろしの楽曲はやっぱ良いね!ちょっとプログレ入っちゃうし。
これはおそらく上原さんの楽曲が先にあって、そこからアニメーションの作画がなされたと思われる。
部分的ではあるが、あんな複雑な楽曲にピタっと演奏シーンのアニメーションが合ってるのが素晴らしい。
特にドラムのフィルインとか正確で目を見張るものがあった。
おそらくこういうのはCGでやっているのかと思われるが、その正確リアルさがちょっとアニメっぽくないというか、人の演奏の動きとかがなんかゲームCGっぽい。

あえてツッコむところはというと、玉田が初心者にしてコンプレックスをバネにあんなにもジャズドラムを叩けるようになれるんかと。
まぁマンガの世界なので、今年WBCでの大谷の事もあるしそこはいいとして、いくら防音対策としてエレドラムを使用して練習してても、カタカタ音は響くし振動もあるし無理だと思うんだよね。一軒家ならまだしも安アパートでは通用せんかと。
ドラムとはなんと個人練習しづらい楽器パートであることか。


それにしても、最後のステージのシーンは本当に興奮させられた。
演奏終わった瞬間思わず拍手しそうになったもんな。
矢野顕子さんもSNSで言ってたけど、思わずパチパチと2回手を打ったらしく、でも劇場では誰も拍手しなくてシュンとなったって。
気持ちわかるわー。日本人はまだそういうところ恥ずかしくて無理な民族なんだ(CG少女相手にサイリウムは振るくせに)。
でも終盤のタッチ展開では、方々から「ええっ!!」って驚嘆の声は上がってたな。みなかなり物語に没入してはったのかがわかる。
まぁ工事現場でバイトしてる時点でフラグは立ってたけど。


で、サントラ買っちゃいました。



まぁでもやっぱサントラだねって内容。
29曲も収録されてるけど、劇中の場面場面で流れる2~3分弱の小曲が大半で、全体を通して聴くにはちょっと退屈。
劇場であれだけ興奮したTHE JASSのメインナンバーもCDで聴くと、「あれ?」って感じ。

やっぱ劇場マジックというやつなんだなー。
物語が音楽を、音楽が物語を、互いに引き立たせ合う相乗効果を生み出し、『BLUE GIANT』はまさに、絶妙な傑作音楽映画と成り得たのだ。


なので、まだ観てない方は是非とも臨場感溢れる大音響の劇場で!
まだまだ絶賛上映中らしいので。


特に最近の若いの、ギターソロになったら飛ばすとかいう最近の論調を根底から覆す激熱の作品だ!


アナログ盤も買っちゃった!
・・・というのはウソで、LPケースに入ったカッコいいパンフなのだ。
オサレすぎ!

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2 コメント

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Unknown (kako710)
2023-05-05 20:06:41
はじめまして。コメント失礼します。私も何の予備知識もなくたまたま観に行きました。単純で地味〜なストーリーなのになんでこんなに感動するんだろう!今どきの非現実なファンタジー、暴力、金、エロは全く無し。故に心に響く。やっぱ映画館は音が良い!配信やレンタルじゃ身体に響く音は体感できない。久しぶりに良い作品に出会えました。確かにサントラ盤では感動は減りますね。ライブで聴きたいです。
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>kako710さん (あましん)
2023-05-09 01:11:33
コメントありがとうございます!
ほんと僕も久々に劇場で熱くなっちゃいました。
音楽好きの友達にも勧めたんですが・・・
本作は是非劇場で体感してほしいと!

今日はBlue Note東京で上映会があったらしいですよ。
上原ひろみさんのサプライズ演奏もあったとか!
行った人が羨ましいです。
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