「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

「わが村には未来がある」

2007年10月06日 | 田舎暮らし
 先日、「日本で最も美しい村連合」の第3回定期総会が村で行われた。全国の美しい村から大勢の人たちが来村するということで、役場や観光協会など関係の人たちは準備等も大変だったろうと思う。前日まで天気がパッとしなかったけど、当日は青空が広がり、赤石岳も姿を見せてくれて、関係者ではない一村民としても、遠路来られた方々に「美しい村」の名に恥じない景色を見てもらえたのではないかと思えて嬉しかった。
 「日本で最も美しい村連合」はフランスから広がった運動をお手本にしているそうだけど、お隣のドイツでは「わが村を美しく―わが村には未来がある」(Unser Dorf soll schöner werden - Unser Dorf hat Zukunft)というコンテストが1961年から行われているそうだ。単に「美しく」だけでなく、社会経済的な意味も込めて、途中からサブタイトルが付くようになったという。3年に1度で、対象は人口3000人以下の村。2004年に金賞を受賞したヘディングハウゼンは290人、ゲルスバッハは700人の村だとか。日本では限界集落だの何だのいってるけど、そういう小さな村の人たちがみんなで「わが村には未来がある」といって村おこしに取り組めるというのは、すごくすてきなことだなと思う。
 大体ヨーロッパは農業や農村をとても大切にしているし、中山間などの条件不利地域で農業を営む人たちに対する助成制度なども、日本よりははるかに実効性を持って行われているようだ。ドイツのある州では、土壌の肥沃度などのランクがあって、条件の不利さに応じて助成金が上乗せされるような制度もあるそうで、そういう不利な土地でも農業が続けられるように支援されているとか。
 この条件不利地域でも農業を続けて生活していくことができるというのが、すごく大事なキーポイントなんだろうなと思う。今、日本の中山間地域では、農業で生計を立てていけないから、仕事を求めて若い人口が流出する。その結果、耕作放棄地が増えるから、ますます獣害も増え、農業がしづらくなるという悪循環に陥っている。この悪循環にブレーキをかけるには、やはり根本的な価値観の転換が必要なように思う。
 「日本で最も美しい村」連合の取り組みなどによって、こうした農山村を維持することの価値・重要性がもっと広く理解され、また住んでいる人たちが自分たちの地域に誇りを持って、「わが村には未来がある」と思えるようなことに、ぜひつながっていければいいなと思う。

山栗軒

2007年10月04日 | 田舎暮らし
 朝方、何やらトタン屋根の上をバタバタ駆け回るような音がして目が覚める。「もしかして」と思ったら、やっぱり・・・。
 家の近くに何本か並んでいる山栗の木にたくさん実が付いているのを、少し前に偵察に来て食べ頃をちゃんと心得ているサルのご一行様がお食事に来られていたのでした。栗の木の下に元羊小屋や物置が並んでいるので、その屋根の上を動き回ったり、木を揺するので栗がその上に落ちて、ばらばらと音を立てているのだった。窓を開けて、顔を出すと、一応ちょっと裏手の方に身を隠したりもするけど、食事をやめて逃げたりする意志は全くなさそうで、時々声をあげて騒いだり、木をゆさゆさ揺すりながら、存分に食べていたようす。
 以前はここらはサルはいなくて、山栗は落ちてから猪が食べにくるので、その前に拾えばよかったのだけど、こんなふうに、まだ木に付いているうちに群れでやってこられては、人間の口にはほとんど入らないかも。

 さて、サルのご一行様の食後のデザートはこれかな?