「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

浜岡の裁判(追記あり)

2007年10月26日 | 脱原発
中部電力の浜岡原子力発電所の地震時の安全性を問う裁判の判決が、今日(原子力の日)静岡地裁で出た。ああ、がっかり。
http://www.asahi.com/national/update/1026/TKY200710260094.html
「浜岡原発とめよう裁判の会」として仮処分申請したのは、かれこれ5年前。そのときは、全国から約1800人が原告になった。その後、仮処分申請だと現地検証や証人尋問ができなかったりするなどの理由で、本訴になった。
 裁判の内容は専門的・技術的なことが争点になっていたから、なかなか一般人には理解しがたいところはあったけど、いろいろ事故隠しだの何だの起こり、特に耐震想定を超える揺れが実際に起こったりして(結審後とはいえ、柏崎刈羽ではかなりの被害で)、やっぱり巨大地震に対して原発は危ないんじゃないかという危惧も少しは広まったんじゃないかと思っていた。
 まあ、原発推進の国策に影響を及ぼすような判決はなかなか出せないのだろうとも思うけど、志賀原発をめぐる一審裁判では住民側の勝訴だったし、特に老朽化した1号機と2号機は何年もずっと止まったままになっているのだから、このまま停止することにしても電力供給に何の影響もない。むしろ今ものすごくお金をかけて耐震補強をやっているけど、そんなことはやめてしまった方が経済的にもいいので、もう少し原告側の主張も聞いてもらえるのではないかと期待していたのに。
 原告側はもちろん不当判決として控訴したとのことで、今度は柏崎刈羽の原子炉内部の詳細な被害状況なども明らかになってくるはず。

(追記)
 何か本当に中電側の言い分だけを全面的に認めたような判決で、旧耐震でも妥当とまで言っているらしくて、最新の地震研究の知見が全く反映されていないものだったとか。想定を超える地震動に遭っても、柏崎でも自動停止して重大事故につながらなかったら安全なのだそうだ。でも、想定東海地震または東南海地震は、内陸の活断層型の地震よりはるかに規模が大きいプレート境界型地震である。揺れの大きさ自体は地盤の影響もあるけど、揺れの継続時間がずっと長くなる。高裁では柏崎で今後得られる最新の知見などもきちんと踏まえた判断を期待したい。