「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

第6回リニア対策委員会

2015年05月19日 | リニア新幹線
 今日は第6回の大鹿村リニア対策委員会が開催された。前回、第5回は選挙の翌日、まだ疲れの残る中、非公開で行われたこともあって、ブログの方には書かなかったけれど、そのときに、5月下旬~6月上旬くらいに住民説明会を開催すること、そこではリニアの工事用道路(残土運搬路)となる県道などの改良計画や代替ルート、仮置き場による車両台数の平準化、変電所や送電線についての説明をするということで、その説明内容のうち中部電力の送電線にかかわる内容以外が非公開で示されていた。そのときに委員から意見をあれこれ出してあったので、今日はその意見が反映された説明が出てくるのかと思ったら、前回と変わらない、もしくは具体的な改良計画など前回示されていたものも伏せられていたりする説明、プラス今回初めて、中部電力から変電所への送電線鉄塔のフォトモンタージュなどが示された。
 村では景観上の問題から、送電線のトンネル内設置など地中化をずっと求め続けてきたけれども、JR側からはトンネル内設置などは困難という説明がこれまでもあり、今回は中部電力からも故障の際の復旧、発生残土、耐用年数、工費などの観点から架空線でいきたいという説明があった。景観対策として低光沢処理された部材を用いるので目立たなくなるとのことだった。しかし、しかし、、、これまでのJRの説明会で、大西公園から赤石岳を望む景観には影響がないと繰り返し言われてきたにもかかわらず、やっぱり高い鉄塔が何本も建って、送電線が視野を横切ることになるみたいだ。ため息が出てしまう。
 住民説明会は6月上旬、全村を対象に1回だけ開かれるそうだ(その後に村の住民懇談会が予定されているので、その中でも説明内容は示されると思う)。今回具体的な内容がふせられていた小渋線の改良計画も、そのときには出されるとのこと。小渋線の改良については以前から橋梁の架け替えまではできないとのJRの説明に対し、それでは渋滞が避けられず、住民の理解は得られないとして、対策委員会側からは繰り返し橋梁も含めた改良要望をしている。説明会ではシミュレーションの動画を示すとのことだけど、計算上で渋滞が起こらないと言われても村民が納得するとは思えない。
 もう一つ絶対に村民の理解を得られないと思われるのが、村中心部の代替ルート。JR側は小渋川の右岸、左岸の三つの案のうち、右岸の堤防道路を使いたいとの説明だったが、小学校の校庭のすぐ横、生活支援ハウスの入り口もある堤防道路は、幾ら何でも認められない。対策委員会としては対岸を通るよう要望してきているが、そのためには仮橋を三つ架けなくてはいけないということでJR側は難色を示している。
 1日最大1736台の台数調整については、現在JRで考えている8か所の発生土仮置き場(約57万m3分)を使うことで、1350台程度に低減できるとのこと。でも、1350台だって、沿線の他のどの工事予定地よりもはるかに多い台数だ。他地域では完全二車線道路に何百台も通るということで問題視されているのだ。仮置き場をさらに増やすことによって、台数をもっと減らすこともできるようだけど、では、仮置き場の適地があるか、また、ピークカットをすれば、その分、長い期間ダンプが通行することにもなるので、受忍限度をどの辺に置くのか。現在予定している仮置き場候補地についても、河川法や砂防法、森林法、農地法など、いろいろな法律が絡んでくる。

 JRの説明の後の意見交換で、委員から、今度の住民説明会で出た意見はこれからの計画に反映されるのか、それとも、ただ決まったことについて承認を求める説明会なのかという質問が出た。それに対しては、例えば国道の代替ルートについて、JRとしては三つの案のうち右岸の堤防道路を使いたいという話はするけれども、出た意見を踏まえて、環境保全策を考えるなり、他の案にする可能性もありうるという回答だった。

 あと、工事に伴ういろいろな窓口として、長野工事事務所の大鹿分室が6月1日から開設されるそうで、分室長さんの紹介があった。信毎記事によれば平日の9時~5時で、3人常駐するそうだ。

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