「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア工事計画認可

2014年10月18日 | リニア新幹線
 昨日、太田国土交通大臣はリニア工事実施計画を認可した。ちょうどこの日は参院会館で院内集会が予定されていて、私は東京に向かう高速バスの車中で認可のニュースを知った。大鹿村議会としては、9月定例会で、村が求めている建設発生土運搬時の生活環境負荷低減策が具体的に示されるまで工事実施計画の認可をしないことを求める意見書を全会一致で採択したところであり、他の沿線各地からも出されているさまざまな懸念事項に何ら答えられていないまま、実効性も不確かな環境保全措置をJRが行うと言っているとして、認可が出されてしまったことは本当に残念でならない。こんな口約束だけでアセスが通ってしまっては、今後の環境アセスを骨抜きにするような悪しき前例となってしまう。
 院内集会は急きょ抗議集会となり、まずリニア新幹線沿線住民ネットワークから「リニア中央新幹線着工認可に抗議し、撤回を求めます」とする抗議文書が手渡され、続いて日本自然保護協会からも認可の即時撤回を求める緊急声明が手渡された。
 続いて、国交省、環境省との交渉が、あらかじめ提出してあった質問に答えていただく形で行われ、その後、抗議集会、記者会見が行われた。私も国交省に小渋川橋梁についてと残土置き場について、2点ほど質問させていただいた。村が求めている生活環境負荷の低減策についても、JRは県も巻き込んで協議している、費用負担もして前向きに検討していると聞いている、議会が全会一致といっても町長さん(村長の言い間違い)とはよく話をされていると聞いていると、ここでも「聞いている」が繰り返された。ちなみに、大鹿村の村長は補正評価書公表と同時の工事実施計画の申請について、「非常に不快」と伝えたはずだ。
 
 いずれにしても、大鹿村だけでなく、静岡の残土置き場や大井川の減水など、こんな問題だらけの計画内容で沿線地域住民の合意を得るのは到底不可能であり、地元住民の理解・合意なくして事業を進めることも不可能だ。認可が出たからといって、工事が即始められるわけではない。美しい村を守るためにも、南アルプスの自然を守るためにも、しっかりと言うべきことは言い続けていく。

朝日新聞社説 リニア認可 拙速に進めるな

信濃毎日新聞社説 リニア認可 地元の声を受け入れよ

毎日新聞社説 リニア着工認可 まだ議論の時間はある

中国新聞社説 リニア着工認可 負の側面にも目を向けよ

赤旗主張 リニア国交相認可 国民は着工を認めていない

 

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