「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア準備書に対する意見書(追加)

2013年11月05日 | リニア新幹線
 大鹿村はリニアのトンネル工事で膨大な残土運搬により甚大な影響を受けるが、隣の静岡県では逆に運び出さないで山の中に残土を置く計画になっている。それもまた、とてつもなく無理の多い計画なので、もう1件、意見を送信した。環境省の国立・国定公園総点検事業の中に書かれている南アルプスの評価の文章を貼り付けた。

○静岡県の事業計画(路線概要、工事計画、自然災害等)
 静岡県の二軒小屋周辺に非常口や残土置き場が計画されています。この付近一帯は特種東海製紙の社有林で、南アルプス国立公園の区域にはなっていないものの、環境省が「日本列島の形成過程を反映して形成された雄大な山脈に加えて、氷河期に形成された地形が存在し、傑出した地形地質を有している。これらの地形地質や歴史を反映して、植物や高山蝶等に多くの固有種・遺存種がみられるほか、南方系と北方系の植物が混在することから植物相が多様である。また、自然性が高くまとまりがある国内最大規模の夏緑樹林と、照葉樹林帯から高山帯までの顕著な垂直分布がみられる。これらのことから、現在の国立公園区域と同等の資質を有する一体性のある地域である」として、国立公園の大規模拡張の候補地としたところです。そして、つい先般、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)の国内推薦地域とされた場所でもあります。準備書では、ここに非常口を設け、リニア本トンネル、先進導坑、斜坑、工事用トンネル等を掘って穴だらけにした上に、そこで発生する360万立方メートルもの残土をこのエリア内で処理する計画とされています。ユネスコエコパーク指定への影響については移行地域だから問題ないとしていますが、本来ならここが移行地域とされていること自体がおかしい場所であり、「国立公園と同等の資質を有する」という点からすれば核心地域、少なくとも緩衝地域には指定されてしかるべき場所です。残土置き場の中には山梨県境の2000mの稜線付近も含まれ、自然環境や生物多様性保全の観点からだけでなく、深層崩壊の危険地域にわざわざ土石流の材料を谷底から山の上に運び上げるという、安全面・災害対策という観点からも信じ難い計画となっています。
 南アルプスエリアにおいては、膨大な掘削残土をエリア内に置いても、長野県側のように搬出するにしても、どちらも周辺環境に甚大な影響を及ぼす無理の多い計画とならざるを得ず、南アルプスにトンネルを掘るという計画自体の抜本的な見直しを求めます。

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