「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

地域まめったいサミット

2011年10月02日 | 地域おこし
 昨日は、午前中、中学校の大鹿祭に参加した後、泰阜村に向かい、「第4回地域まめったいサミット~やっぱり、このむらで暮らしたい!~」に参加してきた。地域まめったいサミットというのは、主催者の長野県社会福祉協議会のホームページによれば、「とくに過疎化・高齢化などの課題を抱える中山間地域において、支え合い、知恵を出し合いながら誇りを持って暮らす人々の声を聞き、住み慣れた地域で自分らしく暮らす、という地域福祉の目指す姿と、それを実現できる地域づくりを考える場」として開催されているもので、今年で4回目。宅幼老所「まめ大福」を運営しているNPO法人あんじゃネットの友人に誘われていた。内山節さんの講演、松島村長との対談、そして、泰阜村の地域の人たちによるリレートーク「やっぱりこの村が好き!」といったプログラムで、私は昨日の午後だけで帰ってきたけど、2日目の今日は「やすおか村めぐり」が行われている。
 泰阜村は2003年に田中康夫元知事が住民票を移したことで一躍全国区で有名になったけれども、平成の合併問題のとき、当初、飯田・下伊那全体で一つの市として合併する案が検討された中で、いち早く、合併すると村の福祉が後退するとして、自立を宣言したところで、当時からとても関心があったものの、これまでなかなか行く機会がなかった。先日、やはりあんじゃネットの若者定住促進事業の視察で、初めて泰阜村を訪れ、山村留学事業を行っているNPOグリーンウッドを訪ねたりもして、今回は松島村長と内山さんの対談もあるということで、ぜひ参加したいと思った。
 内山さんは立教大学の大学院などで教鞭を執られている哲学者だが、趣味の釣りをきっかけに群馬県の上野村に長期滞在するようになり、東京と上野村を行き来する半村民として、さまざまな著作を発信されている。今年は3・11以降忙しく、村の方に滞在している時間が減ってしまっていて、いずこも同じ、畑の作物がだいぶ動物にやられてしまっているとか。現在の上野村の放射線量は大体0.15μSv程度で、通常時の約3倍。予想していたより多いそうで、漢方薬の材料になるホウノキの皮にセシウムが検出されたり、いろいろな影響が出ているとおっしゃっていた。東京の住居では、0.2~0.3μSvあったものが0.06μSvに減ってきていて、自然のない都会のコンクリートの上では雨で流されるけれども、自然の豊かなところは土に染み込んだりしてなかなか減らないという皮肉な状況になっているとも。
 復興についての話では、支援物資がたくさん届いても、行政はいかに平等に配るかを重視するので、全員に行き渡る数がないと配れなくて、倉庫に山積みになっているという話がよく聞かれたけれども、そうした点は平成の合併をしたところが特にひどかったそうだ。
 地域のコミュニティ、生きている人間だけでなく、自然や死者をも引き込んだ自治、自然と人間の関係が残されていることが大事といったことなど、いろいろなお話をいただいたが、その中で、内山さんは祭りと行事が維持できていれば、地域は何とかなるという言い方をされていた。祭りと年中行事が維持できているということは、地域の考え方やつながりが受け継がれているということだからと。
 
 帰り道、暗くなって何度か道を間違えそうになりながら車を走らせていると、2か所ほどで花火が打ち上がっているのが見えた。今朝の新聞を見たら、昨日は600年余りも続いているという山本の七久里神社の裸祭りだったようだ。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿