「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

地域まめったいサミット

2014年03月24日 | 田舎暮らし
 昨日、今日の二日間、第6回になる地域まめったいサミット「ムラは生きている」が、ここ大鹿村で開催された。長野県内、北は小谷村から、南は阿南町まで、県外からの参加者もあり、村内参加者も含め、参加者名簿に130名、さらに当日参加者もあり、大勢の参加者で盛況だった。昨日はオプションツアーという形で歌舞伎教室発表会の鑑賞、今日は午前中、内山節先生の講演「ともに生きる経済、ともに生きる社会」があり、みどり会のおいしいお弁当をいただいて、午後は「村で語ろう、ムラを語ろう」ということで、トークカフェ/未来の地域づくりを語り合う、視察/大鹿歌舞伎の継承を語る、視察/大西公園と三六災害からの復興、視察/「美しい村」上蔵地区の四つのコースに分かれて分科会が行われた。
 内山節先生の講演では、個人がばらばらになってしまった社会の中で、いかにもう一度コミュニティをつくっていくかというときに、自分が勝ち残るためには誰かを蹴落とさなくてはならないような今の経済システムではどうにもならない、みんなが助け合い分かち合う経済にしなくてはいけないという話から、世界でエシカルビジネス、ソーシャルビジネスのような流れがどんどん出てきているというお話。また、そもそも経済とは何であったのか、経済とは社会、文化、信仰などと一体になった、暮らしの中に埋め込まれていたものであったが、いつのまにか経済が分離独立して競争的なものと化した。経済思想を振り返ると、そもそも2000年前のアリストテレスが経済は徳に支えられなければ社会を壊すというエシカルビジネスの考え方に近いことを言っていたし、ケインズが資本主義経済、貨幣経済は効率が高いが、そこに弱点もあって、人々がお金にむしばまれる「貨幣愛」が生まれるということを言っていたそうだ。ゲゼルの劣化する貨幣というという考え方、世界恐慌時代の地域通貨の話、カール・ポランニーの非市場経済の話。大鹿村のような田舎は、家庭菜園で余った野菜をいただいたり、釣りや山菜採りなど自然の恵みをいただいたりするような非市場経済がたくさんある。そういうところこそが豊かな社会なのだというお話等々。原発やリニアは現地や通過するだけの沿線を犠牲にするシステム。誰も傷つけない、落後者をつくらない経済システムをいかにつくっていくか。
 分科会はトークカフェに参加した。「どうしてこのムラを選びましたか」「どうして今の仕事を選びましたか?決め手は?」という二つの問いについて、参加者がポストイットに答えを書いて模造紙に張り、マッピングしながらみんなで語り合った。ポジティブな理由はピンク、ネガティブな理由は青、どちらでもないものは黄色のポストイットに書いたが、ピンクがいっぱいのマップだったのが印象的だった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿