「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

パブリックコメント

2010年08月17日 | リニア新幹線
 国交省で中央新幹線に関するパブリックコメントを募集しているので、思い付くまま書いて、メールで送った。以下、送った内容です。

(意見)
・中央新幹線のCルート、南アルプス長大トンネルには、特に安全性の見地などから危惧を覚えます。
・これからの人口減少社会、また高速道路料金の低廉化を考えると、JR東海の出している需要予測は相当甘いのではないかと思われます。難工事により工事費が予想を大幅に超えることも想定され、単独事業といっても、結果的には国による財政援助が必要になるのではないかと考えられます。だとしたら、他の公共事業も見直されている中、その必要性もより慎重に議論されるべきではないかと考えます。
・リニア新幹線はまだ実験線の段階で、完全に確立された技術とはいえないようですし、電磁波の影響等も懸念されます。また、大量の電気を必要とするので、省エネルギー化の流れにも逆行します。
・東海道新幹線の改修工事や東海地震に備えてということであれば、何も巨額の投資をして、多々疑問のあるリニア新幹線を作らなくても、他の方法もいくらでも考えられるはずです。東海地震の際には、南アルプス南部地域も相当な被害が想定されます。

(理由)
・南アルプス地域の地質の脆弱性は当然把握しておられると思いますが、恐らく住民の実感とは懸け離れていると思われます。年間4㎜のスピードで隆起を続ける、日本列島の中でも今現在一番動いている地域であること、国道152号線は地蔵峠、青崩峠の2個所で寸断されていますし、この地域では土砂崩落による通行止めは日常茶飯事です。小渋川、青木川の谷底に顔を出す計画であるとのことで、トンネル出入り口付近で土砂崩れ等があった場合、大惨事が予測されます。
・長大トンネル工事に伴い、排出される大量の土の捨て場が村内にはありません。狭い急峻な地形の中で無理に近場に置こうとすれば、新たな土砂災害の要因となります。また、村外に運び出すとすれば、村内の狭い道路を大型ダンプが頻繁に行き交うことは、村民の生活破壊にもつながります。
・大鹿村は、日本で最も美しい村連合に加盟し、小さくてもオンリーワンの村づくりを進めていますが、リニアによる電磁波、騒音、大土木工事等は、そうした「美しい村」の価値や景観を著しく破壊します。
・南アルプス地域では、世界自然遺産への登録を求めて保護活動が進められています。ただでさえ鹿による食害等で生態系がかなり荒らされているところに、大規模な工事を行うことは、自然破壊に拍車をかけます。

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