「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

2度目の全村工事説明会

2016年10月16日 | リニア新幹線
 10月14日に2度目の全村を対象としたリニア工事説明会があった。9月7日の全村対象説明会、9月13~15日の自治会単位の説明会、さらに10月11日に行われた釜沢での説明会を受け、住民の関心が高い工事車両の運行計画等の再度の説明と、これまでの説明会での住民の主な質問とJRの回答について説明があった。今回の参加者は新聞報道では約70人と、7日の説明会に比べるとだいぶ少なくなったものの、質疑では15人ほどが質問・意見を述べ、やはり10時半頃まで続いた。質問・意見は「理解できない」「歩みよりがない」といった厳しい声が多かったわけだけど、説明会が終了した後の記者取材に対して、今回は「理解が進んだ」ではなくて「理解が得られた」と答えたらしい。翌朝、昨日の信濃毎日新聞の1面トップの見出しは「JR「住民理解得られた」「本体工事開始へ大詰め」といったものだった。住民が帰った後の記者取材で答えた内容が翌日の見出しになるというのは、住民からすると本当に釈然としない思い。今回の説明会では特に、反対する住民とJRとの溝がより深まった感じがした。

 夜7時からの説明会の前に、4時から議会とJRとの懇談の時間も設けられ、先日の意見書への回答があった。8項目の要望事項に対して、確認書を交わすこと、要望事項を確認書に記載することなど、こちらの要望に添う回答もあったが、例えば最終的な発生土置き場の見通しを示すように求めたことについては、「慎重に手順を踏んで進めている」「できるだけ早期に確定できるよう努める」として、トンネル掘削前に確定することは難しいという回答だったし、基準値超えの自然由来重金属を含む発生土の対策についても、法令に則り適切な方法を選択すると言われても、具体的にどうするのか分からず不安を残す回答だった。村長と議会の「同意」後の工事着手を求めたことについては、着工への理解が整ったとJRが判断したら、村と確認書の締結などについて相談させていただくという回答。村長の同意なく始められないとは言うものの、最終的に決めるのはやはり事業者というこれまでと同様の言い方。

 また、昨日は飯田で「リニアのふあんを語る集い」が開催され、大鹿村からの報告を私と釜沢自治会長の谷口さん、大鹿リニアを止める実行委員会の宗像さんからさせていただいた。また、豊丘村、喬木村、飯田市上郷からの報告があった。

大鹿でリニア説明会 JR「住民理解得られた」(信毎Web)

JR東海が大鹿で工事説明会(南信州新聞)

JR、トンネル着工判断 大鹿村民は反発 説明会で「理解得た」 /長野(毎日新聞)

リニア関連工事「住民の理解得た」 JR側、大鹿で説明会(中日新聞)

リニア、各地の懸念を共有 飯田で7人が不安語る(信毎Web)

 今日の大鹿歌舞伎の定期公演には沢田担当部長が来ていた。大鹿村では今後、確認書の協議というステージに進むことになる。