「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

官邸前・再稼働反対・抗議行動

2012年06月30日 | 脱原発


 6.29首相官邸前で行われた大飯原発再稼働反対の抗議行動に行ってきた。3月末から毎週金曜日に行われているもの。政府の再稼働決定後、先々週1万2000人、先週4万5000人と増え続ける人たちの映像をネットで見ながら、7月1日に原子炉起動というニュースにいてもたってもいられない思いに駆られていた。利用期限が7月5日までの高速バスの回数券が1枚余っていたのも、背中を押した。仕事で動けないつれあいからも、ぜひ行ってきてくれと言われていた。
 早めに行こうと思って5時過ぎぐらいに着く。既にたくさんの人たちが歩道に3列になって並んでいて、その横を通りながら最後尾につく。すぐ後ろで「長野県から来たんですけど、官邸ってどこですか?」という男性の声。思わず「私も長野県から来ました」と言うと、前にいた紫陽花の花を持った二人組の女性が「長野県から来たの?」と言って、一人の方が私に花をくださった。ちょうど紫陽花の花をあしらったNO NUKESのプラカード用のイラストをプリントして持参してきたので、一緒に掲げ持つとぴったり。彼女たちは府中から来ているそうで、先々週から参加しているとか。iPhoneで地図を出して、地理のよく分からない私たちに今どのあたりにいるのか教えてくれる。その間にもどんどん人が増えてきて、歩道から車道に、車道も1車線、2車線と広がっていき、そのたびに前に進む。最後には車道全体にまで人がいっぱいになっていた。
 その中にいると自分の周りしか見えないので、一体どれくらいの人が集まっているのか全体の状況は分からない。後でニュースを見ると、15~18万とか、20万とか、いろいろな数字が出ていた。若い人、年配の人、子ども連れの人、車いすの人、組織の旗もあったし、右翼みたいな車も見かけたけど、多くは少人数のグループ、あるいは私のように一人で来ている人もたくさんいた。組織動員でなく、普通の市民がそれぞれの意志でこれだけたくさん集まるというのは、本当にすごいことだと思う。知り合いも何人も来ているはずだけど、これだけ大勢いるとなかなか会えるものではない。そんな中で、宮城から来ていた友人に会えたのはすごく嬉しかった。彼は私が大鹿に来る前に勤めていた野草社で、私より10年くらい後に仕事をしていた人で、今は炭焼きをしている。少し前のtwitterで、「紫陽花革命によせて」として、大倭紫陽花邑の矢追日聖さんの「地下水の如く清く流れ 紫陽花の如く美しく咲け」という紫陽花邑の理念の言葉を紹介してくれていた。
 最近読んだ『反原発の思想史』という本の中で、野草社の出していた「80年代」という雑誌について、1988年の反原発「ニューウェイブ」へと接続し、「サブカルチャー」としての反原発運動の「文化」的素地を作っていく上で大きな役割を果たしたものの一つと評価されていたが、その「80年代」の創刊号には、今は沖縄大学にいる野本三吉さんの「あじさいの花の如くに―矢追日聖さんを訪ねて」という記事が掲載されている。一つ一つの小さな花が集まって大きな花を形作っている紫陽花、この日のデモを空から撮った映像は、まさに大きな紫陽花の花みたいだった。一人一人の意思表示の花が集まった大輪の花。



 今日は大飯原発の現地で抗議行動が行われている。村の若い友人2人が今向かっているらしい。本当に原発をなくしていくためには、今後もこうした動きをもっともっと広げ、繰り返していかなくてはならないのだろう。遠方に出かけていくことは、毎回は無理だけど、動けるときにはできる限り参加したいと思う。

※写真は7時頃と7時半頃。ネット上に動画もいくつか上がっている。 
 正しい報道ヘリの会による空撮写真