「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

ベーシックインカム講演会

2010年11月27日 | 非戦・平和・社会
 今日は隣の中川村で、『ベーシックインカム入門』の著者、山森亮先生と、ブラジルの小さな農村コミュニティでベーシックインカムの給付を始めたNPOの方のお話があるとのことで、出掛けてきた。ベーシックインカムというのは、すべての個人に無条件で生活に必要な最低限のお金を給付するという、最近よく耳にするようになった考え方で、中川村の村長さんが村のホームページの村長からのメッセージで時々書かれている。貧困問題や農山村の過疎高齢化の問題など、今の世の中のいろいろな閉塞状況に対して、一つの突破口になり得るのではないかという期待がある一方で、そんな財源が一体どこにあるのか、あるいは、「働かざる者食うべからず」的な、そんなことをしたらみんな働かなくなってしまうのではないかという疑問など、さまざまな議論があるみたいだ。でも、私自身、農作業や動物の世話、家事・育児で、365日休みなく働き続けても、現金収入にはほとんど結び付かないという生活を結構長くしていたので、やはりベーシックインカムはすごく魅力的な考え方だと思うし、ぜひそういう誰もが基本的な生存権を保障された世の中になってほしいものだと思う。
 ブラジルでは実は2004年にベーシックインカムについての法律ができているのだそうだ。そして、ベーシックインカムを直ちに実施するまでには至っていないけれども、第1段階として「ボウサ・ファミリア」という低所得者向けの条件付き子ども手当のようなものが、人口の3分の1、6000万人を超える人々に給付されているのだそうだ。
 とはいえ、完全なベーシックインカムの実施には税制の大改革も必要で、見通しは立っていない中で、2008年に住民100人ほどの小さな農村コミュニティでNPOによる給付が始まったのだそうだ。財源は寄付によっているそうで、一人当たり月1500円程度。最初は27人で始まったけど、今は77人になっているとか。規模的にも本当に小さな一歩ではあるけれど、まずは子どもたちの栄養状態が改善されたり、いろいろよい変化が見られるとのことで、今後の推移に注目したいと思った。

 今日はとても天気が良かったので、会場に行く前にちょこっと陣馬形に寄ってきた。