「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

ファイトレメディエーション

2007年02月03日 | 自然・環境
 音がいまいちクリアでなかったので、何と言っているのかはっきり聞き取れなかった。何となくそのように聞こえる音を片仮名書きしてググってみても、それらしきものは全くヒットせず。でも、分からないまま納品するのは許せない内容の言葉だったので、次に関連語句を幾つかほうり込んでググってみた。「カドミウム」「土壌汚染」「植物」「吸収」で、一発で見つかった。
 チェルノブイリ原発事故の被災地支援をずっと続けている救援・中部で昨年から始まった「菜の花プロジェクト」も、まさにこの一種かもしれないと思った(救援・中部の通信にはバイオ・レメデーションと書かれていた。似たようなものかな)。
 原発事故から20年たって、今なお放射能は60%土壌に残るという。汚染地で生産された食料で、また人々の被曝が続くという連鎖を断ち切って、汚染された土地で暮らざるをえない人々に希望を作りたいという願いのもとに始まったプロジェクトだ。
 植物は土壌の中からカリウムやカルシウムを吸収して育つ。チェルノブイリの土壌汚染放射能の主なものはセシウム137とストロンチウム90で、セシウムとカリウム、カルシウムとストロンチウムは同じ属なので、植物は区別せずに吸収するそうだ。だから、汚染食料になってしまうわけだけど、菜種を栽培して、菜種油をディーゼル油に転換して、トラクターの燃料にする。バイオディーゼル油にはセシウムやストロンチウムは混入しないらしい。放射能は油かすや残渣、植物体に残る。これらをメタン発酵させて、メタンガスも燃料として利用する。最後に残った放射能が濃縮された残渣は低レベル放射性廃棄物として処分する。そうやって、少しずつ土壌の浄化していこうという、ある意味では気の長い話だけど、何か希望の見えるすてきなプロジェクトだなと思う。バイオ・エネルギーは地球温暖化対策でも注目されている。
チェルノブイリ救援・中部のホームページのトップには出ていませんが、こちらに紹介されています。いろいろフォローの風は吹いているけど、足りないのは資金だけだそうです。ぜひご支援を。