AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

904:スタンド不要

2008年09月06日 | ノンジャンル
 休みの日の朝は早く起きる。「んっ・・・普通は逆のはず・・・」であるが、休みの日、朝起きて雨が降っていなかったら、いそいそと起き出す。サイクルウェアを着て、COLNAGO CLXを連れ出すのである。

 多摩湖周遊道路を走るのであるが、せいぜい20kmほど。そこそこの距離しか乗らない。この距離でもそれなりのペースで走ると結構疲労する。汗びっしょりになって、自転車から降りた直後は「ふっ~」といった感じなのである。シャワーを浴びると心地よい疲労感と尻の痛みを感じる。



 体に多少の疲労感を感じながらも、新小平から武蔵野線に乗った。埼玉を通過して千葉方面に向かったのであるが、乗って5分程度で熟睡モードに。あやうく乗り換える駅を乗り過ぎそうになったが、どうにか目を覚ました。

 向かった先は石田さんのお宅である。そのリスニングルームは6畳の和室。極めて個性的な自作のスピーカーが3ペア佇んでいた。DDDユニットを思わせるもの、前から見ると極めてオーソドックスであるが背面にも同じユニットが付いていて、背後にも音が出るユニークな構成のもの。そしてコンパクトなブックシェルタイプの2ウェイながらボードを介しているもののほぼ畳の上にセッティングしてあるもの、といった具合。



 メインで使われているのはどれか?なんと一番下にセッティングされているブックシェルフタイプの2ウェイスピーカーである。低めのリクライニングチェアに座っても、視線よりはかなり下になる。もちろん耳の高さよりも低い。視覚的にはやはり落ち着かない。どうしても「2ウェイのブックシェルフは頑丈なスタンドを使ってツゥイーターの高さを耳の高さに揃える」というオーディオ雑誌に出てきそうな教科書的な考えが頭に浮かぶ。

 そして、その音を聴いて「先日GRFの部屋さんのお宅で聴いたPSD T4と同じだ・・・」という印象を持った。ほぼ床直置きながら高さと奥行きがでる。「不思議である・・・」自然な音場で、音の質感も芯がありながら柔らかい、弾むような低域も印象的である。見た目と展開されるサウンドステージが頭の中でなかなか繋がらない。

 目をつぶってしまえば、全く違和感のない明確な音場感とスケールの大きさが感じられるのであるが、目を開けると、どのスピーカーが鳴っているのか分からなくなってしまうのである。

 使われている駆動機器は、極めてマニアック。パッと見てその製品名が判明したのはLINN LP-12のみ。他の多くのオーディオ機器はマニアックすぎて分からなかった。石田さんは自作派である。その構成機器の多くが自作である。自作の管球式のパワーアンプがその存在感から目を奪うが、管球式であっても、ほのぼのした雰囲気というよりもしっかり感のあるクオリティーが感じられる。



 今石田さんはPCオーディオにその興味を向けられている。石田さんのような自作派で理論的な蓄積が豊富な方にとって、PCオーディオは新たに挑戦しがいのある分野のようである。まだ一般的には未開拓な分野であり、いじればいじるほどまた新たなテーマが見えてくるのかもしれない。

 石田さんのリスニングルームは、なかなか濃いオーディオ空間であった。その部屋の空気はオーディオ熱ですっかりほだされていたのである。自作を中心とした複雑な機器構成でありながら、音は自然で洗練されたものであった。
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