AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6684:CAIRN

2024年06月19日 | ノンジャンル

  今日はEnsemble Dirondoが、最初に使用された。トップローディングの一体型CDプレーヤーで、独特なセンスのデザインをしている。

 アンプは同じくEnsembleのFuocoである。こちらもDirondo同様の意匠で纏められていて、独自の質感を有している。「唯一無二」といってもいいかもしれない。

  Ensembleさんのメインジャンルは、女性ボーカルである。まず聴かせていただいたのは、Areni Agbabian(アレニ・アグバビアン)の「Bloom」からPatienceとPetal Twoの2曲であった。

  いかにもECMらしい質感の音楽は幽玄で霊妙である。

 アレニ・アグバビアンはカリフォルニアで生まれ育ったアルメニア系アメリカ人である。彼女の音楽にはアメリカらしさはなく、教会音楽的な神聖な響きが特徴的である。

 ニコラス・ストッカーの音響を重視した多種多様なパーカッションの演奏が神秘的な響きを加味していて、独自の世界を構築している。

 次のCDは、もう1台のCDプレーヤーであるYBA Classic3 Σにセットされた。

 こちらもトップローディング式の一体型のCDプレーヤーである。

 セットされたCDは、Maria Ritaの「Segundo」であった。その中からCaminho Das AguasとDespedidaの2曲を聴いた。

 ラテン系の明るさが部屋の空気を一変した。

 人生や生命そのものを根本的に肯定してくれるような響きの質感に心が緩んだ。

 Ensembleさんは普段はほとんどクラシックは聴かれないということであったが、「最近、この曲はなんだか好きでよく聴いているんです・・・」とおっしゃられて聴かせていただいたのが、ショスタコーヴィッチのヴァオリン協奏曲第1番であった。その第3楽章と第4楽章を聴いた。ヴァイオリン独奏は服部百音である。

 そのCDは、再びEnsemble Dirondoにセットされた。

 Classc3 Σが左上面にCDをセットし、蓋は左右にスライドさせるのに対して、Dirondoは右上面にCDをセットする。蓋は前後にスライドし、その蓋には指で掴める小さな取っ手が付いている。そしてその取っ手がメーカーのロゴの形になっている。こういう粋な遊び心には妙に心くすぐられる。

 第3楽章は、ティンパニーのアクセントを伴ったチェロとコントラバスの低弦によって重厚に始まる。提示された主題は、8つの変奏を経て、独奏ヴァイオリンによるカデンツァとなる。

 長大なカデンツァは、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタを思わせる雰囲気を纏っていて、思わず心奪われる。

 カデンツァが頂点に達すると、切れ目なく怒涛の第4楽章になだれ込む。叩き付けるような激しい独奏とけたたましいまでの伴奏が特徴的な第4楽章は、エネルギーに満ち満ちている。

 第3楽章と第4楽章を聴き終えた。ふ~とため息が漏れ出るような、緊迫感のある演奏であった。

 音楽の合間にはオーディオ談議などもしながらの2時間であった。

 「クラシックも良いですね・・・」と、言葉が漏れた。YG AcousticsのCAIRNは、いつもながら精緻で俊敏な音楽を響かせていた。

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