棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

つれづれくさ-結婚詐欺

2009-03-20 08:15:55 | 創作活動
手間賃を数たび払ったある日
「おいでになりました。そりゃーお美しい方で。そのうえお家柄も立派です。見るからに御優しく、これ以上の縁組はありますまい」
「そそんな立派な女がどうしてきてくれるのだ??」
「お疑いはごもっともです。今は申し上げられぬ家柄と、ご再婚になります。それをご承知で・・・・。へへへへ。
手前どもにはあまりお家柄やナニヤラガ良すぎますと、つきあいにくくて・・・。貴方様ならこそお世話を出来ます。つきましては、結納金はそれなりになりますが・・」
「それはなんとかなる。婚姻の前にお会いしたいものだが」
と言うことになり、会ってみて驚いた。
その美しいこと。宮廷女官がそのまま現れたごとく。男はいっぺんにのぼせ上がってしまった。

春です・黄砂です・花粉です

2009-03-19 17:59:23 | 山郷の暮し
今まで幾度となく春のような・・・と書いてきましたが、昨日あたりからまったくの春です。
我が家からの細長い空にも、なんとなくモヤーーとした黄色味がかかっていました。
そして、対面の杉林からは煙のように花粉が舞い上がっています。先年は写真に撮れるほど濃い黄色でしたが、今年は大したことはない。
といえるのは、花粉症ではない者の言い草なのでしょう。
夕方の散歩で、ナズナを採って来ました。今夜は昨夜のフキノトウに続き、春を肴に芋焼酎で一杯。

つれづれくさ-1-結婚詐欺

2009-03-19 07:56:47 | 大人の童話
今は昔、正直で働き者の男がいたが、それなりの年になっても女房がいなかった。
小さいながらも屋敷もあり、蓄えもあったが、女房に恵まれない訳の一つに「老いた母親」がいた。
男はかいがいしく介護をしていたが、仕事も多忙を極め、母親の面度を見てくれる女房をさがしていた。

市中の「よろず相談所」に、女房の斡旋を依頼した。
「へいへい、よろしゅうございます。多少は手間賃もかかりますが、必ずお世話をさせていただきます。ついては、手付金として・・」
と、少なからずの金を払った。
男は「相談所」に時おり出向いては、「器量など問わぬ。母親をよろしく見てくれれば何も言うことがない」

つれづれ草--浮気者の失敗

2009-03-18 18:03:39 | 山郷の暮し
なななんと! 別当さまではないか!
ことを大きくしせずに、まずはお家安泰。けしからぬ妻や坊主に溜飲を下げた夫であった。

作者の言葉  元ネタは徒然草からですが、僧侶の色事は今昔物語に事欠きません。丸坊主のあの姿が男根そのもの。いやでも空想されてしまいます。
日本にも「貞操帯」なるものが発明されたのでしょうかねー。日本では、ヨーロッパの一時期の様なアホな男たちの発想はなかったのか。それとも、もっとおおらかだったのかもしれない。
さて、この亭主は刃傷沙汰にしなかったのは賢いが、ずるい男である。浮気性の女房にいらいらしながらも、地位と名誉への執着で、よそに女でもかこって権力金力欲にまみれた一生なのでしょう。

つれづれくさ--浮気者の不始末

2009-03-17 17:36:08 | 大人の童話

「かねてより我妻が「たこ坊主のような化け物」にとりつかれ、奇態な声をあげている。と小者から報告をうけておりました。
しかし、国事おおく、気はあせるばかりでモンモンとしておりましたが、今日は我妻を守らんと、大和尚に加持祈祷をしていただかんと参じました。とりあえず身の回りの小宝を収め、一刻も早く妻からモノノケを祓っていただきたい」
夫は、取り囲んだ役僧に告げた。
見れば金細工で飾られた立派な唐柩。たいしたお宝が入っていると判断。
「いやいや、しゅしょうなお心構えとぞんずる。さっそく別当さまに報告いたします。おまちください」
「おかしい、どこを探しても別当様はおいでにならん。かといって、私の一存で中身を拝見するわけにも行かないし・・・。
それではご一同,集住の目の中で中身を確認いたしましょう」

役僧と夫が囲む中、唐柩があけられると
「わーーーたこぼうずだーー」

つれづれくさ-浮気者の不始末

2009-03-16 18:29:14 | 大人の童話
ある夜、夫は前ぶれもなく、突然帰宅。
うろたえたのは女と僧侶。着衣もそこそこに近くにあった唐柩に隠れた。
落ち着かぬ妻や侍女から、坊主がどこかにいるはずだと、唐櫃(からびつ)に僧衣がわずかに見え、少しずつ引き込まれていくではないか。
5
相手は身分の高い僧侶。ただ現場を押さえたと言うだけでは、面白くない。
それどころか、自分の地位も危険にさらしかねない。そこでとっさにひらめいた。
「今から大急ぎで、・・・大寺に祈祷をしてもらわねばならぬ。あれこれ言っている時間がないから、時にこの唐びつを奉納する。ただちにかつぎだせ」
女房・侍女たちがおたおたしている間に、唐柩はくくられ大寺に運ばれてしまった。

三年ぶりのスキー

2009-03-16 18:25:34 | 山郷の暮し

友達からホテル・リフト券つきで、なんともありがたい誘いがありました。腰痛の心配があり、いつもの軽い乗りにはならず迷いましたが、温泉マークがチラチラしだすと「いきまーす
場所はなんと軽井沢のプリンスホテル。プリンス・スキー場でございました。
我が家から1時間半ほどの距離で、ワザワザ泊まるところでもないし、すべてが馬鹿高いお値段の所で、オッチャンはとても遊べるところではない。
さて、スキーでしたが、まずは靴がすんなり履け「オヤ!思ったよりも腰にいたみがない」そのことがまずはうれしかった。
誘ってくれた友は、私のスキーを確りと指導してくれた方で「とても腰痛者とは思えない滑りたよ」といってくれた。
滑りの程度はともかく、なんとなく体に自信がよみがえってきた気がします。
証拠写真はカメラを忘れました。

2―浮気の不始末

2009-03-12 08:48:02 | 大人の童話
夫は宴席でそれとなく妻の浮気を知らされた。
「いやいや、高僧の出入りは私のお勤め成就を願っての祈祷だと報告を受けております。我が女房にかぎってそのようなことはございません」
とはいっても内心安心は出来ない。
小者からの報告は、屋敷に出入りする高僧は評判の「スキモノ」のようだ。

スギ花粉

2009-03-11 17:58:36 | 山郷の暮し
お天道様の光に溢れているのですが、風は真冬並みに冷たく、鼻の頭が赤くなってしまう。
しかし、大風が吹くと杉林からモヤーと黄色い煙がたちあがる。
いよいよ花粉の飛び散る季節になった。
花粉が飛ぶ気象条件は、湿度が低く・あたたかく・風があることらしい。今日は風こそ冷たいが、陽だまりは暖かい。
これからもっと盛んになり、水溜りに黄色の粉が一面に浮かぶようになります。
幸い私は花粉症ではありませんが、この辺一帯の山は、ほとんどが杉林。ご注意ください。

つれづれくさ-1-浮気者の不始末

2009-03-11 09:13:31 | 大人の童話
今は昔、大層なお寺の別当職を務める僧侶がおった。この男、僧でありながら女癖の悪さにおいては、ナカナカのもの。
時おり祈祷などに呼ばれる高位の官吏の女房は、評判の美人の上に、小小ケツがかるい。
スキ者二人となれば結果はみえみえ。たちまちなかむつまじくなってしまった。

夫は高位な職となれば仕事も多忙をきわめていたが、妻の浮気癖のあることはウスウス感ずいていた。
信頼のおける小間使いにそれとなく見はらせていた。
報告は、夫の無事と出世を祈願しての、由緒ある大寺の僧侶が出入りするばかり。
ホットはしたが、安心しきれず、恐れ多いことだが、それとなく僧侶の身元の調査を命じたのであった。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本