棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

霧が包む夜の谷

2009-03-06 20:30:38 | 山郷の暮し
夜明けから一日よく降りました。
昨夜から賢犬サクラのダーリンをあずかっており、目があう度に散歩にいこうと訴えます。
いつもの散歩道の、真冬の間涸れていた小さな沢に、濁り水が勢いよく流れ落ちていました。雪解け水とちがって、多分明日には涸れてしまうのでしょう。
夕刻にはオレンジ色のお天道様も射し、ホワーーと蒸気が沸き立ちました。
今、谷は深い霧に包まれ、最前通り過ぎていった救急車の赤いランプが、一時霧を赤色に染めながら、トンネルに向かっていきました。
大きな事故でないことを願いますが、車の通行がピタリと止まってしまいました。
谷は耳鳴りがするほど静かなんですけど、交通ストップとなるといつしかびっしりと車が連なってしまいます。
安全運転を心がけて下さい。

つれづれくさ-6・7すぎたるは

2009-03-06 08:10:03 | 大人の童話
6
衆人はあきやすい。
女の痴話喧嘩も以前のような関心をしめさなくなったてしまった。
気の弱い夫は、決して自分から望んで他の女を求めようなどと思いもしなかった。
そればかりか、妻の浮気癖は自分が至らないのだと思っていた。
いつものように、下を向いたまま大道をまるで影のように歩む男に、密かに思いをよせている美しい女がいた。
7
没落貴族として生まれた女は、幼い頃から働き者で、器量もよく賢かった。
妻にほしいという話は多くあったが、家柄を狙ってのものであった。両親の説得にも頸を縦にせず、黙してしまうのであった。
妻として理想的な女子が、男におもいをよせているなどと誰が思いつこうか。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本