棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

つれづれくさ-浮気者の不始末

2009-03-16 18:29:14 | 大人の童話
ある夜、夫は前ぶれもなく、突然帰宅。
うろたえたのは女と僧侶。着衣もそこそこに近くにあった唐柩に隠れた。
落ち着かぬ妻や侍女から、坊主がどこかにいるはずだと、唐櫃(からびつ)に僧衣がわずかに見え、少しずつ引き込まれていくではないか。
5
相手は身分の高い僧侶。ただ現場を押さえたと言うだけでは、面白くない。
それどころか、自分の地位も危険にさらしかねない。そこでとっさにひらめいた。
「今から大急ぎで、・・・大寺に祈祷をしてもらわねばならぬ。あれこれ言っている時間がないから、時にこの唐びつを奉納する。ただちにかつぎだせ」
女房・侍女たちがおたおたしている間に、唐柩はくくられ大寺に運ばれてしまった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿