棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

つれづれ草-結婚詐欺

2009-03-25 08:20:08 | 山郷の暮し
は働いた。仲間のものから「美人のカーチャンのためなら、張り合いもあろーて」と言われれば言われるほど、気分よく働いた。
ただ、友の雄介が「奥さんの身元はしっかりわかっているのだろなー」といったのは気になっていたが、あの遊び人の焼餅だとくらいに思っていた。
冬も過ぎ、ほぼ一年になろうかとする頃、女と小間使いの二人が忽然といなくなってしまった。
そして、見知らぬ男たちがやってきた。

転送写真

2009-03-24 18:27:26 | 山郷の暮し
送られてきたスナップ写真 
春休みで恒例の宴会合宿に遊びに来ていた女子大生から、私のスナップ写真がメールされてきた。
いまさら写真転送などめずらしくもないのだが、ほんの最前のわが身の様子が出現することに、改めて現代の道具におどろいてしまう。
PCをはじめとする家電機器はあってアタリマエ。不思議とおもうほうがおかしいのかもしれないが、便利さと、それに頼ってしまう危険さをチョット考えてみた。
その昔、チョット昔がズーと昔に思えてしまう現在。PCに恐れをなしたオッチャン連(私もそうなんですが)から、多少皮肉を込めて、現代っ子とか「異星人種」などといったころがあったのです。
笑い話ではありませんが、ブッシュマンが携帯電話を持っている時代。きっと、仕留めた獲物の写真を転送しているのでしょう。
それにしても、自然なスナップを見ると、我が思いとは全く違うオッチャンが写っている。しかたねーーか。
チャンありがとう

徒然草―結婚詐欺

2009-03-24 07:35:44 | 山郷の暮し
を紹介した宴会の夜、男はそれまでに経験のしたことがないほどの、充実感と優越感にひたっていた。
なにより、それなりに遊びに長けた友の雄介が、美しい妻にビックリ仰天していた。
『雄介がお前を見たときのあの顔をみたか。鳩がマメ鉄砲とはあのことだ。挙句が『ドコカでお目にかかりはしないかと』たわけたことをいいおって」
女の目がそれまでになく鋭くなったのを、男はきがつかなかった。

鶯が鳴いたよ

2009-03-23 15:32:50 | 山郷の暮し
目の前の藪から「そろそろ起きるかなー」と、寝ぼけ声で鶯がなきました。
そのうちに「恋人ほしーーイ!!」って、盛大に叫びだすのも間じかでしょう。
春の光を浴びながら弁当をたべていますと、サクラの花芽がパラパラと落ちてくる。「鳥さん、いいかげんにしてくれ」といいたくなりますが、実に機用なものです。
蕾の根元から中身だけを食べポイッ!。食べてはポィッ!。今が美味しい時期なのか、それとも食料事情が悪いのか。
ともかく「いいかげんにしろ!」となってしまった。
イラストは落ちた蕾より
追申
サクラの木下を通っても逃げない、いつもと違う小鳥たちに、もしかしてウソ鳥
よくよく観れば胸のレンガ色が愛らしい。食べるのに夢中なのか、皆がいれば怖くないのか、ともかく飛び去りもしない。これはやばいことになった。
http://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/9.html


つれづれくさ-5―結婚詐欺

2009-03-23 07:56:00 | 山郷の暮し
夕刻になると二人は酒気を帯びて帰ってきた。
すこしは驚いたようだが、あまりわびれずに言った「実家の父が怪我をしてお見舞いにいってまいりました」
「それは大変だった。私なんぞ未だお会い出来る身分でもなし・・・」と寂しく語り、問い詰めることもなかろうと思った。
秋も深まっていくに従い、妻の留守は多くなったが、男は母親と、実家の看護疲れで仕方があるまいと、案じていた。
「冬が来る前に、私の親友3-4人を呼んで、美しいオマエを紹介したいのだが、どうだろう」
女は躊躇したが、親族を抜いた友達だけなら、という条件で宴席を設けることを承諾した。

サクラ開花宣言--チョット気がかり

2009-03-22 17:13:17 | 山郷の暮し
各地から開花宣言の声がきこえだしました。花の時期に刻々と近ずきウキウキしてきますが、チョット気がかりなことがあります。
サクラの花芽に「ヒガラ」などの小鳥がついばみだしたのです。昨年もやはり小鳥に食べられ、我が家自慢の沸き立つような花盛りにはなりませんでした。
10年位前になりますが、ウソ鳥の渡りの時期と、幾分柔らかくなった花芽時期とあってしまい、松本全域で寂しい花見になったことがあります。それも、標高700M前後の被害が大きく、まさに我が家の周辺でした。確証はないのですが、暖冬の年に多いようです。
写真はサクラの下の宴会テーブル。雨が止んだ一時に、ついばまれた花芽が一面に落ちていました。これは問題です。

つれづれくさ-4-結婚詐欺

2009-03-22 08:30:03 | 大人の童話
冷気が含む秋風が吹き出したころ、男は早くに仕事がかたずいたので家に帰ってみると、家は掃除も行き届かず、雑然としている。
そのうえ、妻と小間使いはおらず、母親が苦しんでいる。
「あのあの女たちは鬼じゃ。オマエが働いている間遊びまわっている。この老いぼれババが、ようやく掃除かたずけをしているのだ」
思ってもいなかった母親の言葉が信じられないほどだった。
文と写真は無関係--路地でミニ水仙が咲いていました。今朝は春雨、温泉がいいですねー

ナズナのおしたし

2009-03-21 17:53:59 | 山郷の暮し
いつもの散歩道には、その日の晩酌用の山菜がこれから毎日採る事が出来る。
昨夜の雨で、ナズナも茶色から緑色に急変した。
私か賢犬サクラのオシッコを浴びたであろうナズナは、売られていほど大きくはないが、春の香りはすばらしい。
オシッコくらいはどーーーってことはないが、田圃のあぜ道に生えているものは、枯葉剤を撒いてあるから要注意。
ごぼう条の根っこと煮ると香りは増すが、絶えてしまえからほどほどに。
散歩道にへばりついたナズナを30分ほど取っただけで、3-4皿は十二分に楽しめる。
塩水で軽く煮るとさわやかな緑色になる。あくがいやだというかたは水にさらしておけばいいのだか、それでは山菜を味わうとはいえまい。
適当に切り刻み、ヤッコ豆腐と混ぜて食す。このとき豆腐ははしでおおざっぱにほぐすのがこつ。
母から伝わった、ダイナミックな春の一品です。

つれづれくさ-3-結婚詐欺

2009-03-21 06:34:42 | 大人の童話
この度、貴方様とご縁がありました。つきましては、当分の間、貴方様の親類縁者、お友達をお招きなさらないでください。変にお思いでしょうが、申し訳ありません。かってながら私の生家との釣り合いが、あまりにも違いますので、ほとぼりが冷めるまで時をいただきたいのです」
話せばもっともなこと。女の身元は貴族らしい。とても恐れ多いことだ。

美しい女は、小間使いを雇い、それなりに母親の介護をしてくれた。
男は日々張り合いを持って、仕事に励んだ。夢のような半年はアッという間にすぎてしまった。

山菜-なずな

2009-03-20 17:43:33 | 山郷の暮し

一雨ごとに緑色が増してゆく春。
踏みしめられた散歩道にへばりついていたナズナが、赤茶色から一息に濃い緑色になる。
フキノトウとならぶ早春の山菜で、香りはまさに春のニオイとしかいいようがなく、おしたしが美味い。
フット思い出すのは、はるか昔の少年時代のころ、白光色に照りかえる校庭の草取りをさせられたことだ。
クラス全員のこともあったが、なにかの罰として一人か数人でやらされたことを思い出す。その草は「ぺんぺん草」とよばれ、食べられる「なずな」だと知ったのは、ずっとあとのことだったとおもう。
間違いのないように検索しましたら、花言葉は「貴方に全てを捧げます」と・・・。
あの小さな白い花からなんと不思議な、意味深な言葉を捧げたものでしょう。
ナズナのおしたしのことを書くつもりでしたが、次回にしましょう。
写真は舗装道のけなげなナズナ

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本