棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

つれづれくさ-6・7すぎたるは

2009-03-06 08:10:03 | 大人の童話
6
衆人はあきやすい。
女の痴話喧嘩も以前のような関心をしめさなくなったてしまった。
気の弱い夫は、決して自分から望んで他の女を求めようなどと思いもしなかった。
そればかりか、妻の浮気癖は自分が至らないのだと思っていた。
いつものように、下を向いたまま大道をまるで影のように歩む男に、密かに思いをよせている美しい女がいた。
7
没落貴族として生まれた女は、幼い頃から働き者で、器量もよく賢かった。
妻にほしいという話は多くあったが、家柄を狙ってのものであった。両親の説得にも頸を縦にせず、黙してしまうのであった。
妻として理想的な女子が、男におもいをよせているなどと誰が思いつこうか。


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