棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

五右衛門風呂のつづきです

2008-06-24 19:18:10 | 山郷の暮し
五右衛門風呂の写真でも、と思ったのですが、ただの汚いタイル張りの浴槽。
とても絵になる代物ではありません。
そこで、文化かまどの写真をおもいだす。
以前からあったもので、一度も使用したことはなかった。
二人で持ち上がるのかな?というもので、少し迷いましたが壊してしまった。
今から思えば『無煙かまど」の商標はとっておいたほうがよかった。
ただし、焚き口などは保管してあります。
構造的には、かなりこった作りでした。

五右衛門風呂

2008-06-24 16:44:20 | 山郷の暮し
私がこの山里の農家に移り住み、ところどころ手を入れてきましたが、とてもそのままでは使えそうもないのが風呂場です。
作り直すよりも、別なところにUBを据えたほうが安上がりだったので、その風呂場は物置に変わってしまいました。
先日、その風呂場物置をかたずけているうちに「五右衛門風呂っていまわないよなー」と思うと、どうしてもそこに入浴したくなってしまった。
そうなると、全ての行為はそのこと一点になってしまうのはまいどのこと。
かたずけなどそっちのけで、20年放置された風呂場を、ともかく火が燃やせ、入浴できるる状態にするのに丸一日がかり。ただそれだけ。
浴槽のひび割れはシリコンを充填し、応急処置。使えないことはない。
そして昨日、雨降る中を、バカダ・チョンダといわれても、五右衛門風呂を焚く。

この五右衛門風呂は戦後のもので、80CM角くらいのタイル張り。
当時としては斬新な風呂だったのだろう。いわゆる「文化風呂」
次いでだが文化の標章はニューモデルの代名詞で、竈があり、文化包丁は今でも生きた言葉だ。

もっと以前はでっかいお釜のような風呂で、石川五右衛門の釜茹での刑からの名前なのでしょう。
すのこの間から、暑い湯が立ち上がり、直接釜に触れると「アアアッッッツ」となる。
五右衛門風呂の話で有名なのが、十返舎一九の東海道中膝栗毛。
浮いている蓋を押ししずめ、敷いて入ることを知らない弥次・北(江戸では違うようだ)。直接入浴したからサー大変。
それではと、下駄をはいての馬鹿騒ぎで、とうとお風呂釜を踏み抜いてしまった。
宿屋に修理代として大枚2朱を払って、勘弁してもらったとかかれています。

一途な思いで炊いた五右衛門風呂は、さすが文化で、そのようなことはなかったが、熱湯がふわーーんふわーーんとたち上ってくる。
「天国・天国。酒でも飲むカー」と、素っ裸で薪をくべに行き、湯につかり一杯「てんごく。てんごく」
給湯式の現代のお風呂にはない「沸かすお湯」のたのしみがあった。

この風呂場も取り壊すことになりました。さらば「にわか文化」よ・・・。



ryusun

つぶやき

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