先回に引き続き、構造の話です。
弊社の建物は、金物工法であるテックワンを標準としています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/fb/b927a4cdf8a3319ee18fb87b816e7a08.jpg)
現在の木造軸組み工法には、接合方法が大きく分けて2タイプあり、
一つは、受け側の木に欠き込みをつくり掛け側の木を差し込む方法。
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そしてもう一つは、このテックワンの様に金具を介して接合する方法。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/64/3eb138aa1e0e34644a0e10ce618cd4c1.jpg)
単純にどちらが良い悪いということはできませんが、前者のデメリットに「断面欠損」があります。
当然、床や屋根の重さを支えられる様に、計算して梁のサイズが決まるのですが、
その梁に欠き込みを作った場合、耐力が著しく落ちるんです。
例えば、梁にこんな↓加工がしてあった場合
(大きな梁だと1本の梁に相当数こんな欠きができます。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/f5/4c7ab64c7af1461b3fe6f7289cafb715.jpg)
この梁が105㍉×240㍉というサイズだとすると
曲げ強さを表す断面係数Zが50%以上も低下します
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許容応力度計算を行ううえで教科書となる「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)」
いわゆる「グレー本」より↓
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Z=1008.0→466.4 つまり46%くらいの曲げ強さになってしまいます。
その点、接合部を金物にするテックワンなどの工法は
この梁や柱の「欠き」が最小限ですみます。
これが弊社がおすすめしている理由です。
それでも10%くらいの低減はありますので、ちゃんと低減して計算します。
梁だけじゃなく柱もこんな↓に見るからに欠損の量が違います。
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もちろん、それを見越してサイズを大きくしたり補強したりすればOK
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でも、そもそも許容応力度計算をしていないと、どのくらい低減するのかさえわからずにスル~
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長期優良住宅の認定は、この許容応力度計算さえすれば簡単に取れるので
「構造計算はするけど長期優良住宅の認定は取得しない
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この回も構造マニアの施主様は喜んでくれたかな・・・
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