一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

これが事実。でも一般の方はそうは思っていない

2016年11月09日 | 栄町の住宅

新しい物件が着工しています。
[栄町の住宅]です。

すでに基礎コンクリートの打設まで進んでいます。



こちらの施主様は、なかなかの構造マニア
ノンプロですが新築するにあたり独学で知識を高めた方。
そこらへんの建築士さんよりは、はるかに深く構造を理解しておられます。

当初はお会いするたびに質問攻めにも合っていました
しかも、相当に奥の深い質問です。

でも、それが私には意外と心地よかったりもして
一般の方にはなかなか(全く?)通じない「弊社はここまで構造にこだわっています」的な話ができますし
自分でも色々と再確認ができて、とてもためになります。

最近は質問も減って少しさびしくもありますが・・・

構造は奥が深いです。たとえ一級建築士でも知らない事がたくさんです。
そもそも、構造計算までできる建築士がほんの一握りしかいないという事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

構造は、一般の方にはなおさら理解するには難しい分野です。
基礎工事1つを見てもとってみても、コンクリート強度から配筋等々話せばきりがない。

例えば、基礎のコンクリート強度を21N/mm2で構造計算した場合、
品質のばらつきを考慮して3N/mm2を割り増し
さらに気温が低い時期には強度が出るまで時間がかかるので、温度補正を3~6N/mm2足して・・・ 
つまりこの時期なら、少なくても27~30N/mm2以上で打設する事になる計算に。

でも、そもそも元となるコンクリート強度をいくつで構造計算したかのか?
木造2階建て程度の規模の基礎のほとんどが、その構造計算をしていないという事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

基礎形状や配筋がどんなに怪し~い基礎でも図面がそうなっていれば、現場検査は合格。という事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

その図面が間違っているか? それをチェックする仕組みがないという事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

※ただし
長期優良住宅の認定など評価機関のチェックを受ける場合は、図面や構造計算のチェックがあります。
(重箱の隅までいやなほどつつかれますね
でも、長期優良住宅【相当】は、このチェックはされていないという事です。要注意

そもそも、
一番大切な構造がほぼ決まってしまう間取り。
その間取りを建築士の資格のない人が考えていることが普通になっている。という事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

などなど、業界の常識は一般の方の常識とは大きく異なります。
昨今の様々な建設業界関係のニュースが、スキャンダル的に取上げられるのは
この常識の差異が、よりニュースを大きなものにしているのかもしれませんね。




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