一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

現場発泡の吹付けウレタン断熱について

2012年11月29日 | 建築


現場発泡の吹付けウレタンについてのお話です。

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先日、「最近、現場発泡の吹付けウレタン断熱を使用する工務店が増えてきていますが、御社でもどうですか?」とのお話を頂きました。 しかしながら、当社では今のところ現場発泡ウレタンを採用する予定はないのです。 以下にその理由を上げます。




① 防火構造とならない。

県内の住宅地のほとんどが、準防火地域外であっても22条地域には該当しますので、外壁を防火構造にする必要があります。

防火構造とするには、各建材メーカーが、外壁+ 面材+断熱材+内装材の組合せで認定を取得している仕様にするか、基準法の告示にある仕様とする必要があります。

例えば、当社が使用している耐力面材モイスを使い、外壁にガルバリュウム鋼板や無垢の木など自由に選択しようとすると・・・ 断熱材はグラスウール・ロックウール・セルロースファイバーのいずれかを選択するしかありません。吹付けウレタンでは認定を取得していないのです。 また普及率の高いダイライトを面材として使用する場合には、高グレードの12㍉タイプを採用したとしてもガルバリュウム鋼板とウレタンの組合せでは防火構造とはなりません。

他に、この様な耐力面材を使わない在来のスジカイ工法と、現場発泡の吹付けウレタンの組合せにしてしまうと、外壁にはごく一部の窯業系サイディングを選択するしか、防火構造とする方法がなくなってしまいます。 (もし、他に認定が取れている組合せがあったら教えて下さいね。) 


さらに、こういった耐力面材を使わない在来のスジカイ工法で、現場発泡の吹付けウレタン施工した場合には、以下の様な不具合も懸念されます。↓

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20121107/590434/

つまり、吹付けウレタンを使用した場合、外壁材や面材が限定されてしまうのです。 (ただ・・・ 実際には、認定以外の組合せで施工している住宅がけっこうありそうですけどね・・・)



② 高い断熱性能が確保できない。

現場発泡の吹付けウレタンは、断熱性能、気密性能が高いイメージがありますが、数字でみてみると決してそうではない事がわかります。

A_003  見た感じは、けっこう暖かそうですよね・・・

現場発泡の吹付けウレタンで施工する一般的な厚みは、せいぜい50~75㍉(1日で80㍉以上の吹付けはクラックや垂れが懸念されますので)といわれています。 例えば、最近普及してきた「水で発砲するアクアフォーム」を壁面と屋根面に使用した場合、熱伝導率が0.034w/m・kの断熱材ですので、75㍉厚の場合の熱抵抗は、0.075÷0.034= 2.20㎡・k/w 壁面・屋根面ともにです。 (実際には、もっと薄い50㍉厚程度としているケースが多い様です。)


次に、当社が普段採用している高性能グラスウールの計算です。

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壁に105㍉、屋根面に210㍉充填の場合、熱伝導率が0.038w/m・kですから、壁面の熱抵抗は0.105÷0.038= 2.76㎡・k/w 、屋根面の熱抵抗は0.210÷0.038= 5.52㎡・k/w  

熱抵抗値は、数字が大きいほど断熱性能が高いですので、安価な高性能グラスウールをたっぷり充填した当社仕様の方が、はるかに断熱性能が高くなる事がわかります。

もっとも、現場発泡の吹付けウレタンでも100㍉~200㍉以上の極厚の吹付けとすれば、当社仕様に近い断熱性能となります。 しかしながら、現場の納まりや金額面で考えると、まず採用しない厚さです。(その費用があったら、他の工法でウンと性能が上げられますものね。)


「吹付けウレタンを採用した高断熱・高気密な住宅」と うたっていても、快適に住まうには、床暖房などのエネルギー消費の大きい暖房器が必要な程度の住宅です。 これではとても省エネ住宅とは言えないレベルです。

昨今の省エネ住宅では「エアコン暖房」(ヒートポンプ暖房)とする事が基本ですが、新潟でこの程度の断熱性能の住宅では、エアコン暖房の採用は寒くて無理です。

つまり、厚みの確保できない現場発泡の吹付けウレタン断熱は、比較的温暖な地域なら良いが、東北や北海道などの高い断熱性能を必要とする地域で省エネ住宅を作るには、不向きな断熱工法なのではないのかと考えます。


また、吹付けウレタンなら気密性も高いイメージがありますが(プロでもそう思っている人が多いですが)、柱やタルキ間に充填しただけで気密をとろうと思っても、実際にはあまり有効でないのが本当のところです。 やはり面材などの外周部で目張りをして気密を確保する必要があります。(もしくは内部側の防湿シートで)。 現場発泡の吹付けウレタンはあくまでも断熱材として考え、別途に気密性を確保する必要があるのです。

参考までに、この様に吹付けウレタンの気密性を検証した方もおられます。→http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-145.html


以上、なんだか現場発泡の吹付けウレタンのデメリットばかり並べてしまいましたが、貫通金物などの熱橋を防いだり、部分的な隙間を埋めるには、吹付けウレタンはとても便利な品です。

その様な使い方なら当社でも採用していますし、吹付けウレタンの部分的な使用については私も大賛成です。


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全開口フルオープンサッシ

2012年11月21日 | 石上のゼロエネハウス


石上のゼロエネハウスです。

整ったフォルム 素敵な外観です。 無垢の外壁材がインパクトを与えています。

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残っていた戸袋部分の外壁工事も完了しました。 フルオープンできる全開口サッシです。

開けるとサッシが全て戸袋に収納されます。

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リビングの南側と、続き和室の北側の2ヶ所に採用しています。

既製品のフルオープンサッシや木製サッシでも対応できる商品があるのですが、費用がウン十万円もアップしてしまいます。

そこで、普及品の3本レールサッシを流用してフルオープンサッシを現場で造作します。

この方法ですと、気密性・断熱性を確保しながら、安価なフルオープンサッシが可能になります。( 納まりはちょっと難しいですが・・・

西本成寺の住宅では、これを横に2セット並べて採用しましたが、想像以上の開放感でした。

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今度は、対面位置に2セット向い合せでの採用です。 その場所に立った時一体どんな感覚になるのでしょう。 とっても楽しみです。


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すごいぞ!MOISS(モイス)

2012年11月17日 | 五十嵐の住宅


五十嵐の住宅は、上棟後すぐに耐力面材のモイスを張っています。

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実はこのモイスには、2種類ありまして・・・

躯体外周部に張る 耐力面材の「MOISS TM」 と

内装仕上に張る 内装用の「MOISS NT」 があります。

当社は、いずれも標準的に採用しています。 もちろん五十嵐の住宅でも。


このモイスは、天然の鉱物からできたボードで、優れた調湿性能と防火性能が特徴です。

現在施工中の耐力面材「MOISS TM」は、高い壁倍率が確保できますし、湿気を排出しやすく、腐らない。そして、何と言っても無垢の木の外壁材でも防火構造をクリアしてしまう点は、当社の建物には欠かせない性能をもった面材です。

また、当社の様に充填断熱工法を採用する場合、この耐力面材の採用により外周部にスジカイを入れずに済む事もとても重要です。 

断熱材を充填する壁内にスジカイがある場合、隙間なくきれいに断熱材を充填する事はちょ~ 至難の業です。

以下の様な施工マニュアルもあるのですが、実際にここまできれいに充填する事はまずムリ (ハッキリ言わせてもらいます。) 

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ましてやスジカイが?型にダブルに入っていたら・・・  壁内の断熱欠損ができてしまう事は避けられません。 断熱欠損があれば、断熱性能が低下するだけではなく、壁内結露が起きてしまいます。


しかし、このモイスを使えば、壁倍率がとても高いので、外周部にスジカイなしでも、長期優良住宅の耐震等級2程度なら楽にクリアしてしまいます。

外周部にスジカイがなければ、断熱材を隙間なく充填できます。 また、万が一壁内に湿気が発生しても透湿抵抗の低いモイスが湿気を排出し、モイス自体が無機質なので腐る心配もありません。

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このMOISSは、とっても優れた多機能ボードという事なのです。 これをうわまる商品は、当分出てくる事はなさそうです。

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建て方 デザインされたフレーム

2012年11月17日 | 五十嵐の住宅

五十嵐の住宅の建て方2日目です。

この2日間は、天候はさほど良くなかったのですが、工程はバッチリ予定通り

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屋根に、たっぷりの断熱材を充填するための大きなタルキをのせて、タイベックを張り、その上に通気層を作っておきます。

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外壁の通気層と同じ単純明快な納まりです。

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玄関ポーチには大きなスチール庇もかかりました。 この上に2階ベランダのスノコ床をのせる予定です。

ちなみに庇の両サイドにある合板でできた三角の壁は、庇を吊るためのフレーム構造です。 最終的には四角い手すり壁になります。


この住宅は、スキップフロアや段違い屋根、登り梁構造やロフトフレームなどがあり、やや複雑な構造になります。 

しかしながら、構造計算によって効率の良い力の流れが設計されているので、とてもきれいなフレームになりました。 見えなくなる構造もちゃんとデザインが必要です。

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リアルな無垢の外壁、安定したフォルム

2012年11月16日 | 石上のゼロエネハウス


石上のゼロエネハウスです。

発電出力5.57kw分大面積の太陽光パネルの設置も完了して、いよいよ足場の解体。 

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ようやく外観全体を見る事ができます。

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全面に張られた無垢の外壁が目の前に現れる。 ウエスタンレッドシダーのベベルサイディングです。

工業製品のサイディングとは全く異なる印象 リアルな素材からは強さと優しさがヒシヒシと感じられます。

南に大きく流した屋根形状も全体にきれいにまとまっています。  本屋と下屋の屋根勾配を変える事で、人の視点から見た時にとても安定したフォルムに見えるのです。

本屋軒先に付けた雨樋隠しの板もスッキリきれいに納まりました。

まだ一部外壁を張っていない所もありますが、今度お天気の良い時に、再度写真を撮って紹介しますね。


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