一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

上棟、大型パネル、私の責任

2019年08月31日 | 水道町の住宅

昨日、燕市水道町にて「水道町の住宅」が上棟となりました


(写真は建て方1日目お昼前の状態

こちらの施主様は、10年前に弊社で住まいづくりをさせて頂いたお宅のご長男夫婦の住まい。
そう2代にわたり弊社が住まいづくりをご依頼頂きました。

こんなにうれしいことはないです
いつもにも増して上棟式の祝詞がジ~ンと心に沁みます

そして、もう一つうれしいことが
上棟前日(建て方作業の1日目)。全国から何と100名以上の方に現場見学をして頂きました。
完成見学会ではなく、建て方作業の見学に。です

ただの建て方作業なのに、たくさんの人が集まってくるのを見て、ご近所さんからは「何かイベントがあるの?」


ま、確かに




今回から弊社で採用を始めた「木造大型パネル」
この工法の見学に多くの方が集まってくれたんです。



とは言っても、
この現場で何か新しい商品が使われているわけではなく 特別画期的な納まりになっているわけでもない
ただ、柱や梁、耐力面材、サッシ、防水紙を予め工場でパネル化してきたものを、現場で組み立てているだけ
完成しちゃうと普段弊社が作っているものそのもの。ほとんど違いはない。
 
では、みなさんが何を見に来ていたのか?
それは目に見えないその向こうにあるものだったんです。きっと


住宅は、高性能化が進むと同時に重量化も進みました。高倍率の耐力面材は1枚30kgオーバー 樹脂のトリプルサッシも一人では持てない重さに 大工はこれらの建材を、安全確保のためがんじがらめになった足場と建物の狭い隙間へ運び込み、取付けます。当然2階へも持ち上げなくてはなりません

通常、建前をして骨組みが出来てから、大工が取付けるこれら外皮の総重量は3~4トンにもなります
これを人力で運び込み取付けます。雨でも雪でも酷暑でも極寒でも足場がぬかるんでいても。しかも水平、垂直、釘ピッチ、釘頭のめり込み、などなど取付にはとても高い精度が要求されます。

想像してみてください。とても過酷な労働だと思いませんか? 
でも、これが今普通に全ての現場で行われているのです
 
そんな住まいを設計してしまっているのが私達建築士。そう私達の責任なんです。私がいつの間にか現場をこんな過酷な労働環境にしてしまったのです

耐震性、断熱性を高めるためにより作業性を二の次に考え(もしくは何も考えずに)次々と高性能で重量のある商品へ変更採用してきました。

その結果、この過酷な労働環境を作ってしまったのです

もしも、性能を落とさず、むしろ性能や品質を上げつつも、この環境を改善する事が出来るなら、すぐにでもやるべき。と判断しました

この大型パネルは、施工の仕組みなので、施工する会社が採用するかどうかを決めるもの。そう思うかもしれません。
でも私は違うと思います。この重量化した商品を選定して過酷な労働環境を作ったのは私達建築士の責任なのだから、まずは私達建築士が考えなくてはいけないと思います。今すぐに。

でも、とてもうれしいことに
この大型パネルの見学会には、多くの建築士の仲間が見に来てくれました。そして私と共通の想いである事が確認できました。私よりもっと熱い想いを持っている人もたくさん

より良い住まいを提供するためにも、業界を良くしたい。そんな仲間がたくさんいて、とても誇らしく思います。
みんなと一緒に考えて行動していけば、この業界にも明るい未来が待っているとジ~ンときました(涙もろくなってきたのかな


建て方2日間でココまで完了。


屋根防水も壁防水もサッシも取付き、雨風をしのげるようになりました

予想の1.5倍くらい早かった
基礎の精度、パネルの精度、大工の段取りと技術、全てが高い水準で一体となり
1つのミッションをクリアした感じだった。達成感が半端ない

大型パネルにはまだまだたくさんの利点があるのですが、ちょっとやそっとじゃ紹介しきれません
またの機会にご紹介しますね。

もちろん、弊社では今後この工法を標準採用していきますよ~



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「建築知識ビルダーズNo.38からの・・・特典付き」

2019年08月27日 | 建築
先週の「建築知識9月号」に引続き
本日発売「建築知識ビルダーズNo.38」にも弊社の記事が掲載



8月上旬の発売予定だったサトウ工務店の標準仕様書「デザイナーズ工務店の木造住宅納まり図鑑」の発売がのびのびとなっており
その書籍に掲載される納まり図の一部チラ見せと発売予告が掲載されています



数名の方に「発売はまだなの~?」とお問合せを頂いています
大変申し訳ございません もう少々お待ちください。
「初秋発売予定!」と予告に書いてあるので、もうじきかと・・

大変申し訳ないので、楽しみにして頂いている方のために
ここで「目次」を公開しちゃいます





約150点の納まり図が掲載されているのですが、実は当初もっとたくさんの納まりの掲載を予定していたのです
紙面への収まりがイマイチという事で、構造や断熱などの性能がらみの部分は残念ながら今回は見送っております。
でももったいないので、何かの機会にソレも公開できればと企んでおります
 
この本の読み方は、最初から順番に全部読むのではなく
①全体をパラパラとめくって目が止まった所を読む。②目次から気になる項目を見付けて読む。
が、おすすめです。そう、超気軽に読める書籍となっております
 
そしてなんと~
納まり図鑑をご購入いただいた方に、もれなく特典を付けちゃいます
無料で納まり相談をさせて頂く事にしました~
「本買ったよ」と一言添えて頂ければ、どなたでも相談できます。

掲載内容の質問や関連する納まりのご相談を無料でお受けいたします
(ま、私で良ければなんですが・・・
掲載内容と全く関係のない納まりはご遠慮いただきたいのですが
メール(satoh-koumuten65@sirius.ocn.ne.jp )、FBメッセンジャーなどで、遠慮なくジャンジャンご相談ください
可能な限り情報公開やアドバイスをさせて頂きます

と、いった感じでここでも今年の抱負の1つである「恩返し」をしたいと考えたしだいでございます


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「建築知識9月号」に

2019年08月20日 | 建築

本日8月20日発売の「建築知識9月号」に私の記事が掲載されています



平屋特集という事で、「新発田の平屋」「井土巻の平屋」を元に平屋設計のポイントを解説させて頂きました
「新発田の平屋」で3ページ、「井土巻の平屋」で1ページ、計4ページ。

「建築知識」といえば業界の方なら皆さんご存知かと思いますが、特に住宅建築に携わる人にとってはバイブル的な書籍。
私もこの業界に入った頃は、毎月、いやバックナンバーまでむさぼるように読んでいました

その「建築知識」に私の記事が載るなんて、こんなに名誉な事は有りません。
とにかくうれしいの一言です。

しかも今回の特集は「平屋」
弊社では平屋率が高く「条件さえ合えば平屋で」とおすすめしている事から
改めて平屋のメリットや構造的な考え方をまとめる良い機会にもなりました。

ところが、この記事をまとめていく中でとても困った事がありました。
「細かく解説し過ぎると伝わらない」「大雑把に解説すると誤解を生む
といったジレンマがあり「伝える」ってなかなか難しいという事

そう考えると、私の師匠である(勝手にそう思っている)佐藤実先生の著書「楽しくわかる木構造入門」はとても秀逸な作品だと思います。
あれだけ専門的な話を、少ない文章とシンプルなイラストでサラっと解説しちゃってます。
今回、自分でやってみてよく分かりました

ただ、救われたのは建築知識の編集者さんやイラストレーターさんがとても優秀だった事。
私の拙い文章や、詳細過ぎて分かりにくい図面を、とても分かりやすくまとめて頂きました。



興味のある方は、是非お手に取ってみてください。
私以外の記事では、更に有益な記事もたくさん掲載されていると思いますし
建築士以外の一般の方でも、それなりに平屋のメリットを知って頂ける「号」となっていると思います。

Amazonでも。書店でも。
どうぞよろしくお願いいたします



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住まいづくり以外にやってること

2019年08月09日 | 建築

先週末「小さな平屋-23.5」のオープンハウスが無事に終了~
平日にもご見学頂きましたので、結果、予想以上のたくさんの方に見学頂く事が出来ました。
ご来場頂きありがとうございました



で、今日の記事ではこの私の本業である「お客様の住まいづくり」以外で
最近あった事と、これから始まる事を少しご紹介しますね

FaceBookやインスタでは、ちょこちょこ公開していますが
ブログしか見て頂いていない方にもご報告させて頂きます


まず、2週間ほど前に
新建ハウジングさん主催の「工務店経営カンファレンス」に参加してきました。

聞く側でなく、話す側として

全国の主に工務店さん400名?が集うイベント。そこで「佐藤、何か話せ」と・・・
私のような者が経営の話を偉そうにする事は出来ないので、イベントの趣旨とは少しずれるかもしれないけど「住学」について話す事にしました。

元々新建ハウジングさんとは、住学を取材して頂いた事から始まったお付き合いですので
住学の話1本で、いざ勝負

ま、そこそこ上手くいったのではないのでしょうかね

講演を聞いて頂いた方々から、講演後に「住学」について色々聞かれました。
ゆる~い勉強会が、なぜ盛り上がって、なぜ継続するのか? とても不思議がっておりました

ただの勉強会じゃない。って事は伝わったようですが
住学の魅力は伝えるのが難しく、実際に参加してみないとよくわからない所でもあります

あ、そうそう 住学広報部の村松さんに、この日の事をブログで紹介して頂いてますので
こちらもご覧ください→ エスネルさんのブログ

懇親会の場では、錚々たる有名人にお会いしてお話させて頂く機会もあり
私にとっては、それはそれは貴重な体験をさせて頂きました。
新建ハウジングの皆様、本当にありがとうございました



で、もう一つ
エクスナレッジさんから「納まり図鑑」を発売します てか、発売して頂きます 
自費出版でも共同出版でもではなく、出版社さんに費用全てをご負担頂く商業出版となります



そう、赤字リスクを出版社さんが負っているので、絶対に売れなくてはいけないパターンのやつです
こんな話を弊社に頂けるなんて、エクスナレッジさんって無謀・・・ じゃなくて スゴイ・・・でもなくて 目の付け所が特殊・・・

今まで弊社の住まいで採用してきた納まりの秘密を、全て余すところなく大公開
実務者向けの専門書となるのですが、
写真もたくさん載せて頂いたので、一般の方でもサラっと見て頂けそうです

発売日は・・・ もうちょっと先
予定より遅れております 正式に決まったらバッチリ告知させて頂きます

もしかして、8月27日発売の「ビルダーズ」に告知を兼ねて少々納まりを紹介して頂ける。かも・・
あと、8月20日発売の「建築知識」で「平屋」についてちょっとだけ弊社の記事が載ります

合せてご購読頂けますと、とても幸いです
 


最後に、も一つ
「木造大型パネル」の採用です。(ウッドステーション)
まずは、今月末上棟予定の物件で採用します。県内はもちろん全国から多くの見学者がお見えになります。100名を超えるようです

これについては、単純に工法が注目されているというより、この工法を採用する意味や想いが共感されている様に思います。
今後工務店が持続していくための一つのヒントです 未来へのバトンタッチの話です。

ここで書くと、とても長くなってしまいますので、
以前、住学のFBで投稿した私の熱い想いをご覧ください→ 今更なぜパネル化なのか?
 
ね。長かったでしょ


などなど、私の最近の動きを紹介しましたが
これらは「直接お客様に向いたもの」ではなく「同業者や業界に向いたもの」です。

今年の初めにブログで「3つの抱負」を書きました。

そのうちの1つ「恩を返したい」これにつながった動きです

今までこの業界で育ててもらった 楽しませてもらった
そろそろ、できる事から少しずつお返ししていきます。

っえ?いらない? そう言っても押し付けます


ほかの抱負「去年より楽しむ」はとっくにクリアしちゃいました

もう一つの「実力をつける」は・・・ 
もうちょっと頑張りますね



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