一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

山形ロス、バルコニー梁の断面欠損

2017年09月06日 | 高屋敷の3世代住宅

行ってきました山形
私の不安しかなかった講演は・・・

大成功
(私はそう思ってますが何か?

JIA山形の皆さんの「スゴイスゴイ、それスゴ~イ」とお褒め頂きました。
山形の人って本当に良い人ばかり
私はスッカリ調子に乗っちゃって

また行きたいな~ 山形

おかげさまで、今後へつながる話もいくつか頂く事ができ
とても楽しく有意義な会でした。



コーディネートして頂いた 渋谷達郎さん
ご一緒させていただいた もるくすの佐藤さん
JIA山形の皆さん

皆さん本当に良い人たち 大好きになりました
どうもありがとうございました


その講演では、私からは施工例をもとに構造の話をさせて頂いたのですが
わたくし・・・ ぜんぜん話足りないので

ここでも構造の話を一つ

現在進行中の「高屋敷の3世代住宅」
バルコニーのフレームにスチールを使っています。



なぜか?

カッコイイから?

それもない事はないのですが、ブッブー 違います
これも構造的に大きなメリットがあるからです

通常の木造のバルコニーの骨組みはこんな感じになります↓



でもこの骨組みをばらしてみると・・・



接合部分はこんな感じ



そう大事な梁が大きく欠き取られ、強度もウンと低下します。

具体的に許容応力度計算をしてみると
グレー本(木造軸組工法住宅の許容応力度計算・2017年版)より



例えば、この梁サイズが105×300㍉だった場合 断面係数の低減率が0.5 
つまり、曲げの耐力が半分しかなくなってしまいます

これではいけません

そこで、梁に大きな欠損を作らないために
フレームをボルトで後付けするバルコニーを採用しています。



もしくは、せめてここの接合部だけでも在来工法ではなく、断面欠損の少ない金物工法↓を利用すれば安心ですね。


以上、スチールバルコニーのヒミツでした
(あ~また山形行きたいな~)

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多室で不思議な印象、雨の道という意味のあるデザイン

2017年08月28日 | 高屋敷の3世代住宅

高屋敷の3世代住宅
(ブログをサボってる間に
いつのまにか足場が外れています



とてもシンプルな外観です。
この後、ベランダをレッドシダーでおおいますので、
仕上りは更にイイ感じに



見てお分かりの様に、けっこう小窓が多い
なんてたって、3世代が暮らす住まい

リビングが3つ
個室が7つ
玄関が3つ
お風呂は2つ
キッチンは3つ
トイレも3つ

弊社が手がける住宅で、これほど多室な住まいは初めて。

多室のわりには、床面積を抑えボリュームをできるだけコンパクトにしているので
外観もちょっと不思議な印象

まあ、そもそも弊社の手がける住まいの外観はみんな個性的ですから
サトウ工務店らしい。と言えば「らしい」ですが


そして、井土巻の住宅も個性的な外観になる予定。

一部外壁が施工されました。



本来は屋根材に使う立平葺き。

このようにデザインとして屋根材である立平葺きや横葺きを
外壁として採用するデザイン住宅が増えてきてます。
(まあ、流行なんでしょうね

でも、弊社の場合ちょっと違います
デザインだけのために屋根葺き材を外壁に張るのではなく
本当に屋根の機能を外壁に持たせるため張っているのです。

雨の流れを屋根→外壁→地面と連続させているんです。



そう
雨樋をなくして雨の道をデザインしているのです。

過去の施工例でも







という感じで、採用しています。

表面的に装飾した「化粧」としてのデザインではなく
「機能」といった意味を持ったデザインの方がカッコイイ
しかも、流行に左右されない

そう思って設計しています


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スキップフロア、3世代同居、耐震等級3、上棟です。

2017年06月23日 | 高屋敷の3世代住宅

高屋敷の3世代住宅が上棟しました。
述べ床面積が64坪。と、弊社にとってはけっこう大きめな住まいです。



しかも、3世代同居なので部屋数が多い。
しかも、スキップフロア。
となると、軸組みのボリュームがすごい

特にスキップする部分の両壁の柱が多い。



ここにビッシリ耐力壁が入ります。

この部分から建物を2つに分けてそれぞれ別に構造計算を行い、
それぞれが耐震等級3をクリア。
さらに、双方をほぼ同等の強さに収めます。
さらにさらに、全体で構造計算した時も耐震等級3をクリアさせます。

床(水平構面)がつながらないスキップフロアは、
構造計算が難しい。長期優良住宅はムリ。と、言われておりますが
最初から上記の計算がクリアできるように間取りを考えれば良いだけなんです。

間取りだけを優先的に考え、後で構造計画しようとするから、ムリィってなっちゃうんです。
間取りの検討と構造計画を同時進行させることが基本なんです。

小屋の登り梁も整然と並んでいます。シンプルな架構です。



梁成を240ミリに揃え、後で室内側からここに断熱材をパンパンに充填します。

この屋根にも厚合板を張って水平構面を作ります。
耐震というと「壁」だけが注目されますが
実はこれら屋根や床といった水平方向の剛性が非常に重要です。



しかし・・・
建築基準法では、木造2階建て程度の場合は
簡易な壁量の計算といくつかの仕様ルールが決まられてはいるだけ
この床と屋根の剛性や量の計算までは求められていません。
(そもそもこの簡易な計算さえ、だ~れも審査しないんですけどね

たとえ基準法では求められていなくても、構造計算(許容応力度計算)をしておいた方が
確実に構造の安全性は確保されます。

住まいを検討中の方が依頼先の工務店や設計事務所に、この構造計算をお願いしても
難しい専門分野なので「ちゃんと計算しているから大丈夫ですよぉ」と、ごまかされてしまいがち。
(信用するしかない・・・)

そこで、
長期優良住宅の認定を取ってもらうのが最善だと思います。
そこそこの規模の建築会社が計算したから大丈夫。で済ませるのではなく
第三者の目で評価してくれる専門機関でチェックしてもらう必要があります。

その建築会社の計算が間違ってるかもしれませんし
(そもそも計算してないかもしれませんし)
長期優良住宅なら、金利や税の優遇もありますしね。
また、タイミングが合えば補助金もゲットできます。

今物件は、
耐震等級3をクリアした長期優良住宅です。
(本当は耐震等級2のクリアでOKなんですけどね
そして、「地域型住宅グリーン化事業」の3世代同居で補助金をゲット
更に、「ふるさと越後の家づくり事業」の補助金もタップリとゲット

玄関が3ヶ所
キッチンが3ヶ所
お風呂が2ヶ所
う~ん、工事にけっこう時間がかかりそう・・・



1から考えて作れる新築は楽しいです。
でも、制約のある中でのリノベもけっこう楽しい
と、いうことでオープンハウスの告知です。

↓ クリック
7月2日(日) 「倉庫に住む」オープンハウス

スキップフロアですが・・・

2017年05月31日 | 高屋敷の3世代住宅

近所の現場 「高屋敷の3世代住宅」は基礎工事中です。



この物件はスキップフロアのプランです。
以前ブログで「スキップフロア構造は要注意!」と書きましたが
今回はそのスキップフロアです。

でも、もちろん大丈夫 
ちゃ~んと検査機関の技術審査をクリアして長期優良住宅の認定も取得して、今物件も耐震等級MAXの等級3をクリアしています。

私が前々から言っている様に、耐震性を高めるのは「壁」だけではなく「床」が重要。
この床が連続していてナンボなのです。

じゃあスキップフロアの様に床に段差があり連続していない場合は・・・



絶対ムリ 
っていうわけではありません

例えば・・・


上図のオレンジとブルーの様に2つにゾーン分けして、それぞれを構造計算してクリアさせ、当然全体でも構造計算してクリアさせる。なおかつ、それぞれの検定比を同程度とする。 これでクリア。

ちょっと手間がかかるだけで、特別なことは何もない

しかし、こうサクサクっと計算していけるのは、あくまでもこのプランが上記の構造計算方法を意識して(もしくは計算しながら)作られた間取りだから出来るのです。

実際には、私が見た事のあるスキップフロア住宅のほとんどは構造計算がクリア出来ないと思われる。ホント危険なプランばかり。
そもそも構造計算をクリアしないんではなく、計算自体をしないんでしょう。

その証拠として・・・
県内でもそこそこ名のある設計サポートをしている会社(長期優良住宅の設計サポートなどもやっている)の社員さんの話です。

その方が自宅を建てる事になり、あるデザイン系の建築会社とスキップフロアの間取りの家の契約した。
担当の建築士からは「スキップフロアの構造計算は手間がかかり設計料が数倍もかかるから、長期優良住宅の認定はやめておきましょう。」
そして、その方はそのまま構造計算しないで家を建てました。

??

おかしくない? 長期優良住宅の認定はやめたとしても、構造計算をしなかった??
構造の安全を確認しないで家を建てていいの?

こんな感じで、建築のプロといっても良いような人でも、安全性を確認していない家を建てて、そこに住んでいます。

安全が担保されなくても良いくらいそんなにそのスキップフロアが魅力的だったのか?
プロの方がこんな感じですので、素人の方はもっと心配です。
デザイン性や開放感、流行などに惑わされていると、一番肝心な部分が抜け落ちてしまいます。

「いやいや、私の家は長期の認定は取得しないけど、構造計算はちゃんとしてある。と思うよ」
いいえ たぶん違います。

心配だったら計算書を見せてもらいましょう。
そして出来れば第三者の目でチェックされた計算書を。
(ただ、ここまでしていれば長期の認定は間違えなくとりますけどね。)

何のために住まいをつくるのか?
もう一度よ~く考えましょう。
住まいの「本質」を見失わないように。
逆にそれさえキチンとクリア出来ていれば「住まいづくりは成功」と、言っていいんじゃないかな。

構造の安全性を確認するのは建築士の義務です。

費用がかかるという理由で、安全性が確認できない家があれば
その家は建ててはいけない家なのです。


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