一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

シンプルな納まり、外壁と階段

2014年12月18日 | 女池上山の住宅
女池上山の住宅の進捗状況。

外部。足場が外れました。
これで外観が良くわかります。とてもシンプルで端正な佇まい


この敷地の並びの住宅は、全て違う建築会社の個性的な住まいが建築中です。
そんな中でも一番シンプルでクセのない外観かな・・・( 斜めに建っている事 以外は・・・

新潟県産杉の羽目板を白い保護塗料で仕上げました。
素材や納まりを極力シンプルで目立たないものにしています。



内部では、階段がかかりました。
木と鉄のハイブリッド階段です。


通常、木と鉄の取り合いはビスやボルト等で留めるのですが、
ここでもシンプルで目立たなくさせるために、ひと工夫。


ビスやボルトがなく、スッキリ納まっています。
取付方法は・・・ 今のところ企業秘密ということで

2階では、一部に国産合板を使い、木材利用ポイントを利用します。
構造用合板にしては、結構きれいな木目で良かった


これなら、メインの壁材モイスとの相性も文句なしです。


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12mの跳ね出し構造で1000㎡の舞台

2014年12月09日 | 建築
昨日、京都の青蓮院青龍殿に完成した舞台の見学会に社員一同で行って来ました。
この新しく完成した舞台は、構造塾などでお世話になっているM's構造設計 佐藤実先生が構造計算など実地設計を担当。

   

標高200mの山の斜面から、12mもの跳ね出し構造で面積約1000㎡の木製の舞台を作っちゃいました。 
超巨大な木製デッキですね。 めっちゃデカイです どう写真を撮ったら良いかわかりませんでした・・・

木製の舞台で有名なのが同じ京都の清水寺ですが、その清水の舞台のなんと約5倍もある面積! 
しかもこちらはその舞台のほとんどが宙に浮いている構造なのです・・・

この舞台の構造模型です ↓

真ん中の基礎コンクリート幅が3m、両側に木製で12mづつ跳ね出しし、合計で全長27mの長さの両天秤の方杖トラス構造。
これを何体も並べて作ってあります。

一般の方は見ることのできない舞台の下で、佐藤先生からレクチャーを受けました。
舞台下で見る構造はスゴイ迫力でした。 普段見えないなんてもったいないです
  

架構や使われている材料、施工方法はいたってシンプル。

工務店の私たちが普段から使っている杉材、接合部金物、さらには告示の壁倍率などがそのまま利用されていました。
身近な材や計算でこれだけの大規模な構造物を作っちゃった事が、さらなる驚きです スゴイ先生です。

この舞台のカタチは、単にユニークだからとかダイナミックだからとかの理由で設計されたものではなく
既設の物を回避するためや、法との兼ね合い、コスト、施工性、耐久性など、様々な要因を解決するために生まれたカタチとのこと。

先回の私のブログと同じ理由。
意味のあるデザインなんだな~と、感じました。

せっかく京都に来たのだから、当然「清水の舞台」と「金閣寺」なども、ササッと見学して帰ってきました。
 

現場が忙しかったので、車で日帰りの超強行スケジュール。 相当ツカレタデス・・・


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「斜めの配置」と「水平連続地窓」の解

2014年12月06日 | 女池上山の住宅
女池上山の住宅。分譲地内は超新築工事ラッシュ!で道路は大混雑 
廻りの敷地もほぼ住宅で埋まってきました。

ご近所の住宅と比べると弊社の「女池上山の住宅」はとってもコンパクト。
そして、敷地に対して斜めに建っています。


なぜ? 斜めに計画したかと言いますと、目立ちたいから・・・ ではないですよ
「開口部に良好な日差しを入れたいために真南に向ける。」そのために斜めにすることもありますが、
今回の場合は、ちょっと違います。 以下で理由をご説明いたします。



まず、今物件の敷地条件は分譲地北側の緑色の区画部分。図面上が北で、下が南です。

東西両側と南裏側には隣家が建つことになります。

ここで、普通に住宅を建てると・・・

こんな風に、とっても日当たりが悪く暗い住まいになってしまいます。 

南側(図面下側)区画のお住まいは、駐車スペースやお庭を設けるために建物を北側(図面上側)に配置します。
必然的に日当たり良好な明るい住まいになります。(ただし、プライバーの確保が難しいです。)

逆に、今物件の様な北側(図面上側)区画のお住まいは、駐車スペースを確保すると、建物が南側に寄ってしまい日当たりの良いお庭や明るく開放的なリビングは期待できません。

例えば、ビルトインガレージなどで工夫して、

建物を北側(道路側)に寄せて建てられれば、多少は明るいリビングが可能です。

しかし・・・ それでもお庭にはあまり日が当たらずジメジメに。 またリビング窓の外はすぐ裏の家なのでプライバシーの確保が取れずに、結局日中からカーテンを閉めっぱなしに・・・。 ちょっと残念な結果になるかもしれません。

そこで、「女池上山の住宅」では
敷地に対し住まいを斜めに配置。

それにより空いた三角地を駐車スペースに活用。


さらに、南に空いた三角地はお庭に。ただそこに普通に大きな開口のサッシを設けても隣地とのプライバシーの問題が出てきますので、以前ご紹介した水平連続の地窓からお庭を取り込む事にしました。


こういった工夫で、外部に対して開放的になり、かつシッカリとプライバシーを確保する事ができました。

「斜めの配置」も「水平連続の地窓」はそんな理由から出てきたもの。 単に「カッコいいから」とか「ユニークだから」といった理由で設計はしておりません

シッカリと意味のあるデザインは何年たっても残るはず。 逆に表面的につくろった意味のないデザインは数年で陳腐なものになってしまうだと思います。


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