一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

構造へのこだわりがカタチに

2017年03月23日 | 栄町の住宅

栄町の住宅がついに完成
週末にちょっとしたシークレットな催しを行い、その後お引渡しに。



実は、こちらの施主様は当初 別の建築会社さんと、契約ちょっと手前まで打合せをしておりました。
しかし、その打合せでの建築士の話から、構造について少しづつ違和感を感じ不安を抱く様になりました。
「弊社の建物は強い」といくら言われても、ちゃんとした根拠がない・・・

そこで、様々な専門的な書籍を読み漁り、相当深い所まで知識を習得しました。
(この施主様は建築に関しては元々素人の方です。)
その辺の建築士でもタジタジなほどの構造知識をお持ちです。

すると、この会社では到底 安心安全な住まいは実現できない。
へたすると基準法にも満たない住まいになるのではないか?
と考えるようになり、その会社とは契約しない方向になりました。

同時に、では何処に依頼すれば良いのか? 4号特例がある限り何処も同じなのではないか?
(4号特例があることも施主様が不安になった大きな要因です。)

毎日毎晩、構造に関して様々検索していると、えっ?すぐ近くに・・・
そうここで弊社の存在を見つけて頂きました。

弊社ではSEO対策はほぼ行っていないため、弊社のHPにたどり着くのは至難の業
ちょっと検索したくらいではヒットしません
一生懸命一生懸命に、住まいづくりという迷路の中をさまよい、迷子になった時くらいに初めて見付かります

施主様の構造への強いこだわりが、弊社を見つけてくださったのです

そして初めてお会いした時、ものすごい勢いで今までの不満や疑問を全て私に投げかけてきました。
私はなんとかそれを受け止め、こちらからは耐震等級3(避難所として使える)住まいの設計というカタチでお答えしました。



構造にこだわっているからといって、施主様が望んでいたのはシャルターの様な箱ではないのです。
安心安全で、健康で、のびのびと開放的に暮らせる住まいなのです。

シッカリとした内外をつなぐ大きな開口部、吹き抜け、ロフトなど構造計算ではマイナスになる部分もシッカリ加えた上で
耐震等級3をクリアする住まいをご提案させて頂きました





外観からも、内観からも、感じ取れます
大きな開口がありながらも、ガッチリと安定しているたたずまい。
施主様のこだわりがカタチとなって完成しました


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モイスでオリジナルキッチン、吹き抜けがあっても耐震等級3

2017年03月06日 | 栄町の住宅

栄町の住宅です。



工事もいよいよ終盤
大工がキッチンを造作しています。



オリジナルで作るからには、既製品のシステムキッチンにはない利点がなくっちゃね
弊社の造作キッチンは、モイスで作ります

シンク下のゴミバコスペースや食器や食品ストッカーの中はモイス仕上。
湿気や匂いを緩和させます。



また、吊り戸棚の下端にもモイス。
ここは炊飯器の蒸気があたる部分、汗をかくのを防ぎます。



もちろん見た目も、内装材にふんだんにモイスを使ってあるこの家にピッタリ
全く違和感ナシ

最近の各メーカーのシステムキッチンはすごく豪華でキレイですが
それを普通の家にアイランド型でポンと設置した場合・・・

一点豪華主義的なアンバランスな感時じが・・・
そう感じるのは私だけ?

キッチンも家の一部と考えれば
お部屋の壁などと同じ仕様で作るのが自然かな
せめてリビングから見える対面だけでも、違和感なく仕上げたいものです。


また内部足場も外れ、リビングの吹き抜けがポッカリ口を開けました。



よく耳にする話
「長期優良住宅にするには、吹き抜けや大開口、スキップフロアは難しい。
間取りにも制限で出てくるので、自由度が高いプランが出来ない。」

という建築士がいます。営業マンかな?
ホント、色んなとこで良く聞きます。

長期優良住宅が求めているのは、長期にわたって安心安全な当たり前の家。
その前提条件の一つが耐震性。(決してものすごく高いレベルではない)

間取りが制限されてしまうのは、その建築士が考えた間取り自体が
構造的に成り立っていないからです。

吹き抜けや大開口、スキップフロアなどが必要なら
構造的に成立させた上で、それを取入れれば良いのです。

それが出来ないのは、建築士としての技量が未熟なのです。
長期優良住宅のせいにするのは、本末転倒なのです。

建築士という国家資格は、国民の生命や財産を守るための技術や能力を保持すると同時に
資格者としての高い職能責任、倫理性が求められるのです。(一級建築士の定期講習より
「建築士=デザイナー」ではないのです。

建築士なら、住まいの「本質」を見誤らないようにしたいものです。
(また敵をつくってしまったかな


当社では、長期優良住宅の基準、耐震等級2はもちろん
今ではMAXの耐震等級3を標準仕様としています。

こんな住まいでも


こんな住まいでも


こんなんだって


とっても自由に地震に強い住まいは作れるのです




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筒抜けの大開口サッシ でも耐震等級3

2017年02月17日 | 栄町の住宅

栄町の住宅の足場が外れました。

この日はちょうど良いタイミングでピーカン

なんとか時間を作って現場に猛ダッシュ
夕方近くになっちゃったけど何とか滑り込みセーフで



冬の日射取得を期待した南側リビングの大開口のサッシ。

デカイ 
しかも、反対の北側までトンネル状に筒抜け 



南北それぞれにデッキを作って、さらに筒抜け感を強調
屋内外の境界線があいまいになり、室内空間が開放される。

広い敷地だから出来るプラン。
これで植栽がきれいに決まれば、絶対気持ちイイ



写真でもわかりますが、けっこう大きな開口部がたくさんある物件です。

基本的に耐震性能は壁の量に比例します。では、窓がたくさんあると壁が少なくなり耐震性が劣る?
確かに基本的にはそうですが、必要な所に必要な強さの壁があれば高い耐震性能はシッカリ確保されます。
(床の剛性もすごく大事ですよ

よって、これでも耐震等級はMAXの3をクリアしています。
ちゃんと性能評価機関での技術審査もクリア

普通は、「間取りを考えてから構造計算する」のですが
ウチでは、「構造計算しながら間取りを考える」のです

ハウスメーカーさんの建物の様に、毎回決まった企画住宅だったり無難な間取りだったら、等級3のクリアも容易ですが、
弊社の様に毎回全く違う住宅になのに、全棟で最上級の等級3をクリアさせるのは、けっこう難しいんですよ。

しかも、ウチはシッカリと大開口サッシや吹き抜けも設けています
スゲーでしょ



滞りなく進んでいます、がっ

2017年01月19日 | 栄町の住宅

久々に「栄町の住宅」の進捗です。



このたびドッと雪が降りましたが、
施主様にとてもきれいに除雪して頂き、現場は滞りなく進んでいます

足場の中では、すでに外壁が張られ、



玄関庇と2階バルコニーを兼ねた金物工事も設置完了。
金物製作は長いお付き合いの五十嵐工業さん



この後、ウエスタンレッドシダーの床や手摺が取り付きます。


内部では、断熱工事が完了。





パインの床張りもあと少し。


おおかた順調ではあるが一つ問題が・・・

この現場はず~ぅと大工の一人施工なので、工期ちょっと心配
応援を呼べば良いのだけれど、社員大工が施工するのが弊社の基本的なスタンス

まあ、あせっても仕方ないので、坦々と作業を進めてもらうしかない
がんばれ~


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金物工法、断面欠損

2016年12月10日 | 栄町の住宅

先回に引き続き、構造の話です。
弊社の建物は、金物工法であるテックワンを標準としています。




現在の木造軸組み工法には、接合方法が大きく分けて2タイプあり、

一つは、受け側の木に欠き込みをつくり掛け側の木を差し込む方法。


そしてもう一つは、このテックワンの様に金具を介して接合する方法。


単純にどちらが良い悪いということはできませんが、前者のデメリットに「断面欠損」があります。

当然、床や屋根の重さを支えられる様に、計算して梁のサイズが決まるのですが、
その梁に欠き込みを作った場合、耐力が著しく落ちるんです。

例えば、梁にこんな↓加工がしてあった場合
(大きな梁だと1本の梁に相当数こんな欠きができます。)


この梁が105㍉×240㍉というサイズだとすると
曲げ強さを表す断面係数Zが50%以上も低下します

許容応力度計算を行ううえで教科書となる「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)」
いわゆる「グレー本」より↓


Z=1008.0→466.4 つまり46%くらいの曲げ強さになってしまいます。

その点、接合部を金物にするテックワンなどの工法は
この梁や柱の「欠き」が最小限ですみます。

これが弊社がおすすめしている理由です。
それでも10%くらいの低減はありますので、ちゃんと低減して計算します。

梁だけじゃなく柱もこんな↓に見るからに欠損の量が違います。


もちろん、それを見越してサイズを大きくしたり補強したりすればOK
でも、そもそも許容応力度計算をしていないと、どのくらい低減するのかさえわからずにスル~

長期優良住宅の認定は、この許容応力度計算さえすれば簡単に取れるので
「構造計算はするけど長期優良住宅の認定は取得しない」という建築会社の理由がわかりません。

この回も構造マニアの施主様は喜んでくれたかな・・・


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