足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

次の値がさ株を選ぶ

2018-01-25 05:53:23 | 投資戦略
われわれが発行している週間レポート(今週号)で昨年初めから取り上げてきた有望株15銘柄の1年間のパフォーマンスを調べた。
トップを切って上昇したのは任天堂(7974)で96%上がった。株価の上下への変動は大きかったが、2倍近くになっただけに、この株に注目するかどうかで昨年の投資成果の勝負が決まった。

任天堂の時価総額は6兆円を超え、日本株の顔になった。それに続くのがローム(6963)で+90%の上昇。第3位は日本電産(6594)の+77%、第4位はファナック(6954)+60%、第5位は良品計画(6953)であった。
株価をみると任天堂4万8000円、ローム1万2500円、日本電産1万7730円、ファナッック3万円、良品計画(7453)4万8600円。ただ値がさ株で手が出しにくくなった。
いずれも1万円台を超えたが、任天堂の5万円台乗せは時間の問題だ。
ここに上げた銘柄より、新顔の有望株の発掘が大きな課題だ。
仮に景気回復で業績の好転銘柄が続出し、上記、以外の有望株の数ふやしたい。
アベノミクス第2幕は裾野が確実に広がる。
たとえばダイフク(7490)はここに上げた銘柄の仲間いりするだろう。

最大のヘッジファンドが強気転換

2018-01-24 07:26:49 | 投資戦略

君子豹変とはこのことだ。

世界最大手のヘッジファンド1500億ドル(16兆円)を運用するデイ・ダリオ(ブリッジウォーター)は「現金をしっかりと封印しているとすれば、こんなばかげたことはない。すぐに株式にかえることだ」と、スイスのダボス会議に出席して発言した。
この話を聞いて私だけでなく、世界中の投資家がびっくりしたはずだ。ソロスやジュリアン・ロバートソンのように派手な投資行動はとらず、静かに投資を語る様子は哲学的で、資金運用の本道を進んできた。
トランプ大統領の選出には失望、ここ1年間、彼の口から前向きな話を聞いたことが全くなかった。
ソロスは反トランプ派でここ1年間は全くの低姿勢。
安倍政権が登場したとき、ソニー、ファナック、ソフトバンクなど日本株で大活躍したダン・ローブ(サードポイント)も、ここ2~3年は全くさえない。一口でいうならこの3年間は全く不振であった。
そのなかでオーソドックスな運用手法のレイ・ダリオだけが、折にふれメデイアの前に姿を現していたが、特に目立った成果をあげてもいなかった。

昨日のレイ・ダリオの「ちょう湯加減のよい風呂にはいっているような投資環境が出現した。インフレ問題はないし、成長率も適当、減税で景気は予想外に好転する。米国だけでなく、世界中が好景気になる。株式相場は9年目の上昇相場にはいった」と語った。
買い人気が噴出し、新しい資金が流入し人気は積み上げられていく。連銀が本年は3回の利上げをおこなうが、市場での買い人気に水をかけることはない」。
長年、デイ・ダリオの論理的な相場観には関心をもち、見逃さず読んできたが、今回のように明快な強気の語り口は初めてである。
昨年の相場に乗り遅れた投資家は、早速、戦略を変えよう。
レイ・ダリオとは関係なしに昨夜、手元の余裕資金を株に投じることを考えたところであった。
一例を紹介しよう。任天堂(7974)、ローム(6963)、ダイキン6963)、ダイフク(6383)<TDK(6762)。
世界一の投資家と足を揃えるのは気分が乗る。

ビッドコインの暴落は買いチャンス

2018-01-23 07:51:53 | 投資戦略
ゴールドマン・サックスが「ここ1年間のビットコインの上昇はバブル人気のゾーンにはいった」という見方を出した。最近は下落が続き、1日で11%下落という現象が出てきた。2018年にはいってからの相場の波乱も大きいが、昨年は年間で10倍以上の暴騰になっただけに、急カーブの暴落も当然である。
2016年末は1,000ドルであったが、暴落の始まる直前の昨年の高値は20,000ドルと20倍になった。相場の変動に関して監督当局は全く手放し状況にあるだけに、その相場の動きは当然である。
この種のブロックチエーンという新システムによって出来上がった相場は、取引が簡潔で、世界中のどこででも簡単に取引ができるという利点がある。
ウォール街でもいち早く注目したのは投資銀行ゴールドマン・サックスで、20世紀が生んだ著名な投資家としてバフェットと並んで賞讃されるビル・ミラーも、2年前にヘッジファンドの半分をビットコインに投じ大きな成果を上げた。
最近の相場の変動は目まぐるしく高値から短期間に半値になった。昨年は1年間で20倍になったのだから、このような大きな動きは当然で、この種の動きからすると買い場にきている。

ダイキン(6367)に注目を始めたい。同社の海外での買収戦略が着々と進行し、先に米国で買収した空調大手グッドマン・グローバルが国際企業として成長の原動力になってきた。アジアでも買収の手を広げている。

世紀の投資家ビル・ミラーの選択

2018-01-22 16:17:06 | 投資戦略
昨年はじめから本欄で取り上げてきた主な銘柄のパフォーマンスをみるとベストワンが任天堂(7974)+96%、第2位はローム(6963)+90%、第3位はキーエンス(6861)+78%であった。この間、日経平均は+24.5%。
歴史上、株式投資で大きく成功した世界の投資家は、このような人気株をいつもポートフォリオのなかに取り込んできた。
20世紀が生んだウォール街の3大投資家といえばウォーレン・バフェット、ピーター・リンチ、ビル・ミラーというのが投資家の間での評価だが、ピーター・リンチは第1線から引退して運用者の座から降りたが、バフェット、ビル・ミラーはいまなお第一線で活躍している。

ビル・ミラーはビット・コインでも、世間が騒ぐ前から投資をはじめ、2年前に運用するファンドの一つのポーフォリオの40%をビット・コインにした。
現在の相場環境は2013年に類似していると読む。当時も長期金利は2.6%まで上昇し、昨年3月以降では最高の水準で3%に接近する。
現在は景気指標が一斉に回復に転じ連銀の引き締め政策で金利の上昇は必至だが、投資家は資金を債券から株式に振り向けるとみる。
ビル・ミラーが強気するのはトランプ大統領の減税政策であり、企業は企業業績の改善を背景に賃上げする。歴代の大統領が実行できなかった政策を強引に選択する。
ビル・ミラーの現在の注目株のひとつはデルタ・エアーラインズ(DUL)である。

警戒観をともない上昇

2018-01-20 11:51:51 | 投資戦略
NY株は小反発。
19日で米連邦予算の期限切れを迎えたが、上院を通過していない。トランプ大統領の政策運営が壁に突き当っている。いままでも、このような先例はあったが、暫定のつなぎ予算で切り抜けてきた。株価の動きをみると、深刻な事態にならず与野党の話し合いが纏まると読む。
機関投資家の資金が株式市場に流入を続ける。これまでの株価の上昇をみて、ここで弱気すれば乗り遅れるという懸念の方が強くなり、先行きの株高観は続く。いままで現在のような環境を経験してきたが、「いずれバブルの最終局面がやってくる」と冷静な見方も出てきた。
長期相場の最終局面を的中させてきたジェレミー・グランサム(GMOストラてジスト)は「強気相場のメルトアップ(暴落の前兆)ともとれる」とみる。2000年にはじまった上昇相場の天井を予見した実績の持ち主である。日経平均の2万6000円台では、この種の警戒観が今後もしばしば出てくるだろう。

今月末から2018年3月期の決算発表が本格化する。予想を上回る企業のニュースが報道されるが、銘柄選別はテーマや業種でなく、個々の銘柄の選別指向を強めたい。
銘柄選択の尺度のひとつとして営業利益率に注目している。
代表的な例はキーエンス(6861)だ。営業利益率が49.8%と売上の50%近い。ファナック(6954)も30.2%だが、日本企業のなかにもこのような高収益率の企業が散見される。他に村田製作所(6981)25%、日本電産(6594)17.4%。高収益率から生まれるキャシュフローを成長戦略に生かす。ニトリ(6943)の営業利益率17%にも注目したい。