任天堂(7974)が銀行等保有株式取得機構の保有株の売り出しを発表した。
ここ数日、株価は底入れ人気化していただけに今回の売り出しに株価はどう反応するるかにわれわれの関心がある。売り出し価格は3月5~8日に決まる。おそらく株価の変動の激しい銘柄だけに5日に決まるだろう。価格は時価の0.9~1.0の予定で需要によっては5日の引値という可能性が強い。
出遅れた機関投資家にとっては投資するチャンスでもある。会社は個人株主の比率を増やしたいという気持ちもあるようだが、それには別の手段も考えられる。株式分割である。これまで同社は値がさ株であっても、「頑な」と思えるぐらい株式分割を避けてきた。1991年の1対1.35の分割以来、16年間も分割を行っていない。現在は最低単位を投資するのに300万円超の資金がいる。「魅力はあるが値がさ過ぎて・・」という話をこれまでよく耳にした。
値がさといえばウォーレン・バフェットのバークシェア・ハザウェイの1株10万ドルという株価もウォール街にはある。100株購入するのに10億円以上が要る。ウォーレン・バフェットは頑固に分割は避けてきた。それでも人気は衰えない。
オーナの山内氏にも、この種の哲学があるのか?
あるいは今回の売出しをきっかけに株式分割を行い、個人投資家を呼び込む策に出るのか?
3月末か遅くとも4月上旬には再度の業績の増額修正が確実にある。今回の第3世代のゲーム機器がもたらす技術革命が同社の成長に大きな弾みをつけることは確実である。われわれの関心事は、2~3年以内に経常利益が現在の2倍以上の4000億円になるかどうかにある。ゲーム機器のもたらす革命はそれぐらいのパワーを持つとみる。
今回の売り出しは時価総額の1.4%なので株価のトレンドには基本的には影響はない。ファンダメンタルからすると一つのハズミになるだろう。