石油とともに金相場も上昇してきた。
昨年5月に$722の高値をつけて以来、調整してきたが昨日は$662まで戻した。
これといった材料が出たわけではないが、ウォール街で心配されているのはドル相場である。「えっ?」と思われる方もおられると思うが、円相場との関連だけをみていると、腑に落ちない。ここでのドル安というのは、ユーロとの関連で、米国では日本で考えている以上にユーロには関心がある。経済、政治、そして資産運用の面でもアメリカ人にとつては外国といえば自然とヨーロッパに目が向く。
機関投資家の中には「円に対しても安心はできない」として、長期の円のコールを買う向きも出てきている昨今である。短期の為替の動きは誰にも読むのは難しい。
「市場は世界の金の需給関係を毎日、注意してみているが鉱山会社の供給は横ばいだし、いままでのヘッジの売り物が高水準のまま、それに中央銀行の売却も頭打ち」として、ファンダメンタル面からも相場の上昇の素地は出来ている。向こう数週間のうちに、昨年の$722を抜けるとみる向きがウォール街でも増えてきている。
相場のチャートをみると昨年6月、11月と2回にわたって上値の抵抗線である$650突破に挑戦したが押し戻され、今回はやっと強気筋の念願の$650を超えた。
われわれが投資している国際商品相場に特化したヘッジファンドも昨年12月末から金と銀のポジションを増やしている。
残念ながら東京市場には金・銀関連の銘柄が少ない。
そんな環境下にあって金・銀相場と関連して動き、パフォーマンスがそれ以上なのが貴金属のリサイクル関連である。
アサヒブリテック(5855)と松田産業(7456)だ。昨年のパフォーマンスも住友金属鉱山(5713)よりよかつた。
本日の市場でも人気を集めたが、金銀相場への代替投資としての役目を果たしている。