足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

目を覚ました相場の動き

2017-08-19 08:57:59 | 投資戦略
NY株は前日の274ドル安のあと、この日も76ドル安。2日間で350ドルの大幅安になった。昨年の大統領選以来、小幅な変動率を続け相場の方向観を模索してきたが、1日に200ドル以上の下落を記録するのは、現在の相場の硬直性に見切りをつけた投資家が増加してきた証明である。

これまで長い間、方向性を読みかねてきたが、ここはいったん退却という投資家が急増してきた。
市場ではいくつかの指標の動き取り上げ先行きの動向を読む。

まず先行指標である中小型株指標ラッセルが200日移動平均を破ったこと。2016年6月以来である。ラッセル指数は景気現状を読むのに利用する投資家が多い。
第2にドイツ株とS&P500との関係で8月13日にDAX指数が米国株に先行して下落した。過去2年間で5回あったがいずれも相場は調整局面にはいった。
第3にはVIX(恐怖)指数の急上昇である。相場の先行指標として注目度が高い。
第4には金相場の上昇である。世の中の先行きが不透明になったときには、資金は金市場に向かうのが通例だ。
第5にはダウ輸送株指数が下落し、景気に敏感な空輸株の下落が際立つ。弱気の先行指標である
第6はこれまでトランプ大統領が公約してきた減税、公共投資の拡大策など議会と議事日程が順調に進行していないことだ。

ここに上げた事例はいままで折にふれ取り上げられてきたことだが、政策の議論が停滞すると一気に吹く上げ問題にされる。
トランプ大統領が、これらの問題にどう対処するかが関心事だが、相場の懸念材料として表面化しなかった問題が噴き上げてきた。
好調な企業業績にみられるように、足元の景気は順調。
硬直性の強かった相場が目を覚ましたことは確実である。
相場の動きは上下に変動が激しくなるだろう。