足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米国の地政学リスクへの対応

2017-08-10 06:29:30 | 投資戦略
北朝鮮リスクが噴き上げアジア、欧州株が大きく反応、軒並み安になったが、気にされたウォール街は冷静であった。
3指数はダウ平均-1.17%、S&P500は-0.04%、ナスダック指数-0.28%と小幅安に終わった。米領グアムの周辺に中距離弾道ミサイルの発射を検討しているという報道にアジア、欧州株が大きく反応して、ウォール街への影響が懸念されたが、米国投資家は冷静な反応であった。
トランプ大統領の過激な行動を気にする動きに、久しぶりにヘッジファンドが反応し、メデイアはヘッジファンドのガンドラック(ダブルルライン)、デビッド・テッパー(アパルーザ・マネジメント)ソロスなどの弱気の見方を取り上げた。これまで、NY株の新高値更新に乗り遅れた投資家たちで、新たに北朝鮮の軋轢を問題にしたわけではない。
メデイアと相場の動きにはギャップがある感じを受ける。

今回のNY市場の高値圏への挑戦は、多くの投資家が盛り上げたのでないだけに、有力な投資家と現実の相場の動きの間には大きなギャップが感じられる。
慎重派は企業業績の好転、景気指標の回復、連銀のハト派的な行動には注目せず、昨年のトランプ大統領誕生いらいの慎重な姿勢を崩していない。

たとえばソロスは昨年のトランプ大統領の出現時には弱気になり大きな損失を出したし、トランプ大統領に近い大物ヘッジファンドのカール・アイカーンも昨年来のトランプ相場には乗り遅れた。
このように現在のウォール街は強気、弱気が混在しているのが特色で、それが相場の下値を支えている。最大の問題点はトランプ大統領が北朝鮮の強権な姿勢にどう対処するかにある。
今回の米国の北朝鮮への対応をみて、米国の余裕のある対応には感心した。