足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

動揺は無用・・・「投資は企業を買うこと」(ウォーレン・バフェット)

2015-08-20 06:25:33 | 投資戦略
本ブログの執筆を離れ休暇中に世界の株価は大きく下げ大波乱にはいった。

NY市場がS&P500は20日(木)-3.2%、21日(金)-3.2%と暴落し、ここ一週間で相場の環境は激変した。
材料は中国株の暴落、ブラジルに代表される中南米株の続落、石油の下落である。
世界経済の先行に不安感が高まり、ウォール街ではVIX(恐怖)指数は7月中旬の11から先週末は28.3まで急騰した。CNNMoneyの「Fear&Greed」(恐怖&貪欲)指数も5まで急落した。1年前は30であった。
この両指数をみると市場心理が先行きにいかに恐怖心を抱きはじめたかがわかる。
今回の強気相場は2009年3月に始まり6年間も続くという史上でも数少ない強気相場の転開であった。長い間、株式相場の成果で財を成してきた成功者は内心では「いつ調整局面にはっても当然」とみてきた。
この間、市場の構造にも大きな変化があった。
たとえばヘッジファンドの世界が大きく成長し2兆円以上を運用スーパースターたちが輩出した。40歳代~60歳代の運用者たちであり、相場を動かす構造は大きく変化してきている。
相場の神様といわれるウォーレン・バフェットは10年の一度の巨象狩りに全力をあげる。彼は相場の下落が手掛け始めた投資戦略には大きく味方すると内心ではほくそ笑んでいる。

米連銀が政策転換の時期を模索してきたが、今回の世界の相場の波乱で時期が多少は先に延びるだろう。
株価が大波乱するとき、いつも思い出すのは2001年の同時テロ時のピーター・リンチの「アメリカの将来を買おう」ということばだ。
またウォーレン・バフェットは2008年のリーマンショックには「株を買うのでなく、投資は企業を買うことを忘れないように」として肝に命じ大量の資金を動かし資産を膨らませるチャンスにした。当時はS&P500と日経平均の長期の先物のコールも仕入れた。
現在の相場の激変はこのような過去の激変に比べると問題にならないが、強調したいのは動揺は無用ということである。

NY株の季節性は消えず・・・訪日外人は暑さに影響されず

2015-08-20 06:23:16 | 投資戦略
上海株が落ち着きウォール街では米連銀の議事録(7月)が公表され一時は落ち着きを取り戻した引けにかけて再び売られ、NY株は2日間の続落。
議事録では足元のインフレ率が連銀の目標には到達しておらず、ハト派からは政策転換の反対の議論も出されていた。
しかしメンバーの意見は分かれ相場の反応は気迷い。9月の連銀FOMCまでは不透明な昨今の環境が続きそうである。
ひとつだけ明快なのは仮に政策転換が実行されても、相場の方向性には決定的な打撃を与えることはなく、やがては好調な景気の回復を背景に上昇トレンドを取り戻すということだ。
イエレン議長は株価が消費景気を左右する要因であるとみていることは、前任者のバーナンキ議長と同じである。
仮に9月に政策転換が実現した場合には相場の内容に変化が出て、ここ6年間のような一本調子の相場展開に変調がおこり、相場の内容に変化が出ることはたしかだ。これまでの循環買い現象はストップし、人気銘柄の物色の範囲は狭くなる。最大の関心事は米国の株式市場に大きな影響力をもたらせるエネルギー関連の動向である。
いずれにしても、年間で最悪のパフォーマンスという8月相場の経験則が今年は幅を利かすことだ。

東京市場もNY株の動きに左右される動きは不変である。昨日は中国株の波乱に大きな反応をした。

7月の訪日外国人の動向が政府から発表された。7月の実績は前月比で+51.0%と191万8000人になり、過去最高の2014年7月の127万人を大きく上回った。1~7月で累計1,000万人を突破し1,106万人になった。これまでの訪日プロモーションが引き続き大きな影響を与えた。トレンドは中国株の波乱に関係なく、今後も継続しそうである。中国からの旅行者も2倍と勢いは衰えない。8月もこの上昇トレンドが続いているようだ。
インバウンド関連株が最近、調整局面にはいっていたが、買い場にきた銘柄が多い。
代表的な化粧品のコーセ(4922)に注目。
またジャンルは異なるが医薬品の日医工(4541)の株価にも注目したい。

(お断り)週末の「トリトン・ブログ」は休みます。