足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ダン・ロープが東京市場の鉄扉を開く

2015-08-04 09:00:38 | 投資戦略
昨日の市場のハイライトは米ヘッジファンド〔サードポイント〕のダン・ローブのスズキ(7269)と投資であった。市場にニュースが伝わるや株価は人気づいた。
2013年に東京市場でソニー6758)の大株主になりアクティビスト活動を開始し、ソニー株人気に火をつけた。ことしはファナック(6951)に目をつけ、長年、頑なに投資家との意思疎通を拒んできた経営者をうごかし、大幅な株主還元策と企業のIRの閉鎖的な扉を開いた。正直いって驚きであったが、ファナックはこれまでどの海外の投資家よりもダン・ローブの優れたファナック評価に動かされ再評価したきらいがある。
安倍政権が誕生したとき2012年のクリスマス休暇を返上して、黒田日銀総裁の出版物を漁り読んだのは有名な話だ。彼の行動力には深い知識と天才的な洞察力がある。今回のレポートでは、過去20年間で運用資産を4,000%にしたことを明らかにしたが、同時に安倍政権の企業ガバナンスの改革に高い評価を出している。彼は欧米のほかに、日本をはっきりと運用先に位置づけた。東京市場にアクティビスト活動を根付かせる革命的な仕事をなしとげるかもしれない。
差し当たりスズキ(7269)の動きに関心を持ちたい。

相場のもたつきのなかで存在感を発揮しているのが訪日外人のインバウンド関連である。昨日も個々の銘柄で人気を集めるのが目立った。
われわれはインバウンド関連を業種に関連をひとくくりにしてみているが、昨日も寿スピリッツ(2222)、マツモトキヨシ(3089)、コーセ(4922)、ポーラ・オルビス(4927)、日本ビユーホテル(6077)、西武ホールディングス(9024)が4%~7%上昇と抜群のパフォーマンスをみせた。時を経るにつれインバウンド関連銘柄の数もふえわれわれのスクリーニングした株は33銘柄になった。
株価のトレンドは相場の動向に関係なく下値を切り上げる。ときとして大きく反騰した後の反動も大きいが、かならず人気を取り戻す。PERで買える株も散見される。東京市場だけがもつ日本固有の人気テーマが出てある。このチャンスはぜひ投資に生かしたい。あと1~2年の人気が期待できる。トリトンスクエア通信では定期的に取り上げてきた。

任天堂(7974)が5月末に発売したソフトの「スプラトゥーン」(WiiU向け)の人気が国内でも盛り上がってきた。米国で人気化したがファミ通によると7月は国内でも月間で348,000本とダントツの販売高になった。“いか”を主人公にした陣取り合戦で、キャラクターを“いか”にしたところに新鮮さがある。米国、欧州での販売の数字は未公表だが、発売は5月末で6月末までのほぼ1ヵ月間余で世界では162万本の発売というヒット商品になった。日本では静かなブームで米国ほど騒がれてこなかった。最近、人気に火が点き始めた。
日本での7月のゲームソフト販売の第2位「リズム天国ザベスト」、第3位「ドラゴンボール2」と上位5位までを任天堂が独占し、ベスト10には7タイトルが任天堂ゲームであった。久しぶりに任天堂に市場の人気が回帰し、ウォール街でも人気が高まってきた。株価の動きにそれが明確に出始めた。