足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヘッジファンドの宴会は終わった?

2005-05-31 18:54:35 | 株式
今週の米バロンズ誌の特集はヘッジファンドである。ちょうど月一回のヘッジファンド特集と重なった。タイトルは「宴会は終わった?」という、なかなかイキなもの。1998年のLTCM(ロングターム・キャピタル)の破綻以来、皮肉なことにヘッジファンドでの資産運用に世界中の投資家の関心が集まった。数々の成功者が輩出し、早々におカネをポケットに仕舞い込んで、ビジネスとしてのファンド運用から手を引き、自分の資金だけを運用する成功者も増えた。
さて昨年のヘッジファンドへの資金流入は+27%で、運用残高は1兆ドル(108兆円)の大台に乗ったが、2003年の増加率からは大きく減少した。
最近のヘッジファンドの売買の回転率は大きく高まってきている。昨年は前年に比べて5倍にもふえた。成果を上げるためには「トレーデングの機会を増やすことに徹する」というのがトレンド。それが相場の変動率を低くする原因にもなってきている。
さて米バロンズ誌の「宴会は終わった?」という設問は、「イエス」だと思う。大半の運用者がベンチマークのS&P500を目標にするようでは、ヘッジファンドの意味はなくなる。ソロスのいう「ヘッジファンドの本領は絶対リターンを追及する」ことから大きくかけ離れてきたからである。ヘッジファンドへの投資家の一人として、魅力のある運用者探しの選択肢が狭くなってきた。残念なことだ。
そんな投資環境のなかで中、小型株や新興市場の世界は相場の変動が激しい。
世界で一番、トレーディングに徹するのに適当な市場は、上記の東京市場ではないか?
来日する外人投資家の中、小型株に対する質問が特にふえてきた。一時期のM&A候補ぐらい・・・
オプト(2389・JQ)が反発を始めた。5月20日の時価発行(2500株・売り出し500株)発表以来、軟調であったが発行価格の決定の繰上げで動意づいてきた。公募価格がこの日に174万6000円で決まった。
この株の2500株は市場にはそんなに圧迫材料ではない。むしろインターネット広告に対する日米での評価の高まりという人気は日増しに強くなってきている。ウォール街ではテレビがネット広告に脅威を感じ始めたとみる向きが増えてきている。
第2のネット革命の突破口が見えてきたような気がする。