足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

人気のローテーションに変化の兆し

2005-05-14 18:31:32 | 株式
昨日のニューヨーク株はナスダック指数が上昇、NYダウとS&P500は下落した。
これまでの相場のリード役であったエネルギー、資源、素材関連が売られ、ハイテクが買われた。ハイテク株ファンにとっては「ほっと」した相場展開であった。
石油相場は横ばいであったのに、ダウ30種の中のことしの値上がりベスト・ワンのエクソン・モービルや素材のアルコアが相場の足をひっぱった。トレンドが大きく変化しようとしているのか?
以前にも本欄で書いたヘッジファンドのドウ・カスはUSスチールのショート(カラ売り)をした。高値から40.9%下がった。
いま一人、昨日の相場をみて脳裏に再び浮かぶのは20世紀最大の投資家といわれるビル・ミラー(レッグ・メイソン)のシスコとヤフーのハイテク株への大量投資である。彼は昨年はエネルギー関連に乗れず、苦闘した。それでも14年間にわたってS&P500のパフォーマンスを上回るという偉業を達成した。今年になってからエネルギー関連のアナリストを新しく、わざわざ雇い入れたが、結局は彼は動かなかった。
この2人の投資家は評論家ではなく、実践家である。「さすが」と感心するだけでなく、日本でも鉄鋼、石油、海運など商品市況関連には、当面は警戒しなければならない。好決算を株価にすぐに反応しないのが気になる。

今週はかねての注目株であるオプト(2389・JQ)とアイ・シー・エフ(4797・マ)が動いた。今週の「トリトンスクエア通信」でソフトクリエイト(3371・HC)とともに再論した。
ウォール街での人気アナリストであるメアリー・ミーカーが、みごと蘇ってきたのに注目している。かって「ネットの女王」といわれた人である。モルガンスタンレーに属している。このことは先に本欄でも紹介した。
インターネット株は、相場の方向性とは別に当面は人気の主導権を握る。

私が株価を判断する尺度はPSR(株価÷1株当たり売上)だが、日本ではなぜかアナリストや機関投資家の間ではあまり評判がよくない。それをみて個人投資家もPSRにはあまり関心を示さない。
ウォール街ではネット株だけではなく、すべての銘柄の評価に使われている。
英語が理解できなくてもインターネットの「YAHOO FINANCE」のウエブ・サイトを開いて、YAHOO(チッカー・シンボルはYHOO)の欄の「key statistics」(左にある)をクリックしてみられたら。PER、PEGレシオ、EV/EBITDAなどと並んでPSRが必ず出てくる。
日本に一番最初にこのPSRを紹介した一人は私であるという自負をもっている。1980年代の初めであった。日本株が世界でも割安であるのを外人投資家に説得するのに使った。私の経験の中にそのノウハウがある。
PSRは米ヤフーが12.15倍、グーグルが16.55倍、Eベイが12.86倍。
オプト、アイ・シー・エフが何倍かを皆さんご自分で計算してもらいたい。
来週月曜日に両社とも決算発表がある。