昨夕、私は雨の降る中、高校時代の友人と逢う為に、
吉祥寺に向った。
私は最寄の駅まで日常は散策するコースのひとつであるが、
雨に濡れるを避ける為にやむえずタクシーで行き、
久々に京王線、井の頭線に乗車したのである。
私は定年退職後は余り電車を利用することは少ないので、
下校の学生、ビスネスマンの多い車内に少し戸惑ったりした。
『吉祥寺駅』で下車後、雨とときおり風が舞う中、
東急インに向かい歩き出したのである。
商店街の歩道を傘を差して歩いたのであるが、通行人の多い中、
すれ違う時は、傘を少し斜めにし、傘かしげとしたのである。
この後、車道にバスの乗り降り場があり、
バスを待って並んでいる人たち、バスから下車してくる人たち、
私のように歩道を通過する人たちで、
歩道は人たちであふれ、向う側から歩いてくる女子高校生のグループがいた・・。
『わぁ・・濡れてしまう・・』
とこの中のひとりが大きな声で悲鳴を上げながら、
傘を右手を精一杯揚げるようにしたりしていた・・。
私は歩道の隅に寄りながら、思わず微苦笑させられたのである。
都会の人の多い中は、ゆったりと歩き、
すれ違う時は傘かしげの情景は無念ながら出来ない状況なのである。
ともかく人は歩き、立ち止まることが許されず、
傘を差しながら、押し流されるように歩くほかはないのである。
この後、ビジネスホテルのロビーの外れにある喫煙場で、
煙草を喫いながら、友人を待っている時、
ひとつの私の想いでが甦(よみがえ)ったのである。
私はあるサイトに2006年7月12日に、
【 傘かしげ・・♪ 】
と題して投稿しているが、あえて再掲載をする。
【・・
10年前頃の梅雨の季節だった。
私は会社を退社して、
自宅の最寄駅の『成城学園前』のタクシー乗り場に並んでいた。
夜の11時過ぎで、雨が降っていた・・。
私の前に20人並んでいて、1番後方だった。
しばらくすると、私の後方に5、6人の人影を感じた。
私は左手にアタシュ・ケースを提げて、
スーツのズホンが濡れないように、傘を深く差していた。
後方から、
『小父さんかしら・・』
と声がした。
私は振り返ると、若い女性のツーピース姿を見た。
『XXちゃんか・・しばらく・・』
と私は云った。
遠い親戚の娘さんだった。
私はこの娘を私の立っている場所の前に譲り、
『ずいぶん・・遅いんだね・・』
と私は云った。
そして雨のしずくが水色のツーピースに掛からない程度に間隔を開けた・・。
『小父さん・・知らなかった・・
私、今年から銀行にお勤め・・』
とこの娘は云った。
『短大に行ったのは聞いていたけど・・
そう・・社会人の一年生か・・大変でしょう・・』
と私は云った。
『思ったより楽しいけれど・・勤務時間が長くて・・
今日もこんな時間になって・・』
と云った。
『小父さんの所もね・・金融関係と違うけれど・・
何かと忙しいょ・・』
と私は云った。
雨がしきりに降り、ときおり風が舞っていた・・。
まもなく並びの列の先頭となり、
タクシーにこの娘が乗り込む寸前、
『小父さん・・お先に・・ありがとう・・』
と云った。
私は走り去るタクシーの尾灯を見送った。
・・】
このような雨の降る中、傘かしげの情景を思い出したりし、
私の心は、遠い昔の出来事のように思いながらも、
微笑んだりしていた。
吉祥寺に向った。
私は最寄の駅まで日常は散策するコースのひとつであるが、
雨に濡れるを避ける為にやむえずタクシーで行き、
久々に京王線、井の頭線に乗車したのである。
私は定年退職後は余り電車を利用することは少ないので、
下校の学生、ビスネスマンの多い車内に少し戸惑ったりした。
『吉祥寺駅』で下車後、雨とときおり風が舞う中、
東急インに向かい歩き出したのである。
商店街の歩道を傘を差して歩いたのであるが、通行人の多い中、
すれ違う時は、傘を少し斜めにし、傘かしげとしたのである。
この後、車道にバスの乗り降り場があり、
バスを待って並んでいる人たち、バスから下車してくる人たち、
私のように歩道を通過する人たちで、
歩道は人たちであふれ、向う側から歩いてくる女子高校生のグループがいた・・。
『わぁ・・濡れてしまう・・』
とこの中のひとりが大きな声で悲鳴を上げながら、
傘を右手を精一杯揚げるようにしたりしていた・・。
私は歩道の隅に寄りながら、思わず微苦笑させられたのである。
都会の人の多い中は、ゆったりと歩き、
すれ違う時は傘かしげの情景は無念ながら出来ない状況なのである。
ともかく人は歩き、立ち止まることが許されず、
傘を差しながら、押し流されるように歩くほかはないのである。
この後、ビジネスホテルのロビーの外れにある喫煙場で、
煙草を喫いながら、友人を待っている時、
ひとつの私の想いでが甦(よみがえ)ったのである。
私はあるサイトに2006年7月12日に、
【 傘かしげ・・♪ 】
と題して投稿しているが、あえて再掲載をする。
【・・
10年前頃の梅雨の季節だった。
私は会社を退社して、
自宅の最寄駅の『成城学園前』のタクシー乗り場に並んでいた。
夜の11時過ぎで、雨が降っていた・・。
私の前に20人並んでいて、1番後方だった。
しばらくすると、私の後方に5、6人の人影を感じた。
私は左手にアタシュ・ケースを提げて、
スーツのズホンが濡れないように、傘を深く差していた。
後方から、
『小父さんかしら・・』
と声がした。
私は振り返ると、若い女性のツーピース姿を見た。
『XXちゃんか・・しばらく・・』
と私は云った。
遠い親戚の娘さんだった。
私はこの娘を私の立っている場所の前に譲り、
『ずいぶん・・遅いんだね・・』
と私は云った。
そして雨のしずくが水色のツーピースに掛からない程度に間隔を開けた・・。
『小父さん・・知らなかった・・
私、今年から銀行にお勤め・・』
とこの娘は云った。
『短大に行ったのは聞いていたけど・・
そう・・社会人の一年生か・・大変でしょう・・』
と私は云った。
『思ったより楽しいけれど・・勤務時間が長くて・・
今日もこんな時間になって・・』
と云った。
『小父さんの所もね・・金融関係と違うけれど・・
何かと忙しいょ・・』
と私は云った。
雨がしきりに降り、ときおり風が舞っていた・・。
まもなく並びの列の先頭となり、
タクシーにこの娘が乗り込む寸前、
『小父さん・・お先に・・ありがとう・・』
と云った。
私は走り去るタクシーの尾灯を見送った。
・・】
このような雨の降る中、傘かしげの情景を思い出したりし、
私の心は、遠い昔の出来事のように思いながらも、
微笑んだりしていた。